現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 発売7年目のホンダ「フリード」なぜ販売好調? 価格の安さが最大の魅力!? 小型ミニバンの人気が絶えないワケ

ここから本文です

発売7年目のホンダ「フリード」なぜ販売好調? 価格の安さが最大の魅力!? 小型ミニバンの人気が絶えないワケ

掲載 更新 57
発売7年目のホンダ「フリード」なぜ販売好調? 価格の安さが最大の魅力!? 小型ミニバンの人気が絶えないワケ

■「フリード」は「N-BOX」の次に売れているホンダ車

 かつてのホンダは、「NSX」や「S2000」に代表されるスポーツカーのイメージが強いメーカーでしたが、最近は印象が変わりました。今の国内市場で、新車として最も多く売られているホンダ車は、軽自動車の「N-BOX」です。
 
 N-BOXの2023年1月から11月の1か月平均届け出台数は、約1万9250台で、国内の新車販売では最も多い台数を誇り、国内で売られるホンダ車の39%でした。ホンダの新車販売台数の3分の1以上がN-BOXとなっているのです。

【画像】「えっ!」これが「N-BOX」の次に売れてる「ホンダ車」です! 画像を見る(19枚)

 そして2番目に多く売られたホンダ車は、コンパクトミニバンの「フリード」です。2023年1月から11月の1か月平均登録台数は約6440台で、N-BOXの3分の1ですが、ホンダ車ではN-BOXの次に多く販売されています。

 ちなみに、ほかのホンダ車の1か月平均登録台数(軽自動車は平均届け出台数)は、「フィット」が4800台、「ヴェゼル」が4750台、「ステップワゴン」は3620台、軽自動車の「N-WGN」が3210台です。

 フィットとステップワゴンが2020年、ヴェゼルが2021年にフルモデルチェンジした一方、現行フリードの発売は2016年。これら3モデルに比べて設計が古いにもかかわらず、ホンダで2位の売り上げとなっているのです。

 フリードのハイブリッドシステムは、ステップワゴンやフィットなどに使われる「e:HEV」ではなく、旧式のスポーツハイブリッド「i-DCD」です。

 そのため、2WDのWLTCモード燃費は、コンパクトミニバンのハイブリッドなのに20.9km/Lに留まり、ボディの大きなステップワゴンの「e:HEVエアー」の20.0km/Lと同程度です。

 安全装備も備わっているものの、フィットには後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーションなどが用意されますが、フリードでは選べません。

 燃費と先進安全装備は急速に進歩している技術ですから、発売から7年も経たフリードは不利になります。

 それでもフリードが好調に売れている理由は何でしょうか。

 販売店に聞いてみると、次のようにいいます。

「フリードの人気が高い一番の理由は、価格の安さです。ステップワゴンは一番安価なガソリン車のエアーが300万円を超えますが、フリードなら約230万円から選べます。大雑把に見て約100万円安いです。

 またフリードは5ナンバー車なので運転しやすいです。現行ステップワゴンは全車が3ナンバー車となり、フリードのメリットが際立っています。

 全長が4300mm以下のコンパクトミニバンなのに、全高は1700mmを上まわって外観が立派に見えることも人気の理由でしょう。このほか納期が約2か月と短いことも挙げられます」

 では、どのようなユーザーがフリードを買っているのでしょうか。

「ミニバンということでファミリーのお客さまが中心で、子供が生まれるなどライフステージが変わってN-BOXやフィットからフリードに乗り替える場合があります。

 また上級ミニバンのお客さまも多いです。子育てを終えて、ステップワゴンや『オデッセイ』は不要になったけれど、フィットでは天井が狭く車内も狭いといった理由でフリードを購入することもあります」(ホンダの販売店スタッフ)

 つまりフリードの売れ方には、N-BOXを始めとする軽自動車からのアップサイジングと、ステップワゴンやオデッセイからのダウンサイジングがあるというわけです。

 しかも現在新車で購入できるモデルのうち、全長が4300mm以下に収まる5ナンバーサイズのコンパクトミニバンは、フリードとトヨタ「シエンタ」だけです。

 ミドルサイズではステップワゴンとトヨタ「ノア/ヴォクシー」が3ナンバー専用車になり、5ナンバー車は日産「セレナ」の標準ボディのみという状況でで、コンパクトミニバンは需要が多い割に車種が限られ、設計が古くなったもののフリードが好調に売れているのです。

■フルモデルチェンジは2024年か? どんなモデルになる?

 販売店スタッフがいうように、コンパクトなボディなのに外観が立派なことも高い人気の理由でしょう。

 ライバル車のシエンタは2022年に発売され、フリードに比べて設計も新しいですが、全高は1700mm以下で外観もワゴンに近いです。フリードは設計が古くても、外観のミニバンらしさで、堅調に売れている面もあります。

 ホンダのブランドイメージも以前に比べて変化しました。2023年1月から11月におけるホンダの国内販売状況を見ると、先に述べた通りN-BOXだけで39%を占めます。

 N-WGNなども含めた軽自動車全体になると54%に増えて、フリードも加えると67%に達します。軽自動車とフリードで70%近いのです。

 このような売れ方になった発端は、2011年に発売された初代N-BOXのヒットでした。

 2017年に2代目N-BOXが発売されると売れ行きがさらに伸びて、ホンダのブランドイメージにも影響を与え始めました。

 かつてのホンダは、冒頭で述べたようにスポーツカーの印象が強かったですが、N-BOXがヒットして軽自動車の販売比率も増えた結果、「小さくて背の高い実用的なクルマのメーカー」に変わってきたのです。

 そしてフリードは小さくて背の高い実用的なミニバンですから、いわばN-BOXの拡大版で、今のブランドイメージにも合っています。その影響もあり、設計の新しいフィットやステップワゴンよりも販売が好調です。

 フリードは現在、発売から7年を経過することもあり、2024年にはフルモデルチェンジをおこなう可能性が高いとみられます。

 販売店では「新型フリードが今年度中(2024年3月まで)に登場することはありませんが、2024年6月以降には一新される可能性が高いです」と言います。

 新型フリードでは、ハイブリッドシステムが現在のホンダ車に幅広く使われるe:HEVに変わり、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も進化。3列目の腰が落ち込んで膝の持ち上がる着座姿勢や質感に不満を感じる内装なども改善されることでしょう。

 そうなると新型フリードもさらに好調に販売されることが予想されます。

※ ※ ※

 コンパクトSUVでは、ヴェゼルよりも天井が高く実用的で、価格の割安な新型「WR-V」が2024年3月に発売されます。

 そうなるとステップワゴンや国内販売を復活させたオデッセイ、「ZR-V」、「シビック」などの販売促進に相当な力を注がないと、ホンダの実用指向と低価格化はさらに進むでしょう。

 今のホンダは、商品戦略において、将来を左右する大切な判断を迫られているのではないでしょうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ホンダが斬新「スゴいCR-V」公開! 800馬力の「V6×ツインターボ」搭載した“超パワフル”仕様!「野獣」を名乗る“超異端モデル”米国で登場!
ホンダが斬新「スゴいCR-V」公開! 800馬力の「V6×ツインターボ」搭載した“超パワフル”仕様!「野獣」を名乗る“超異端モデル”米国で登場!
くるまのニュース
ダイハツが「“斬新”軽トラ」実車展示へ! 「荷台がめちゃ伸びる」“ながーーい”軽トラが再登場! 超「画期的なロングボディ」でラリーをサポート! SPKとWRC参戦へ
ダイハツが「“斬新”軽トラ」実車展示へ! 「荷台がめちゃ伸びる」“ながーーい”軽トラが再登場! 超「画期的なロングボディ」でラリーをサポート! SPKとWRC参戦へ
くるまのニュース
ロイヤルエンフィールド「ショットガン 650」ベースのカスタムバイクを世界初公開! カスタムの祭典「32nd YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024」でお披露目
ロイヤルエンフィールド「ショットガン 650」ベースのカスタムバイクを世界初公開! カスタムの祭典「32nd YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024」でお披露目
バイクのニュース
無人のフォーミュラマシンが鈴鹿を激走! なぜこんな挑戦をする必要があるのか「A2RL」のCEOに直撃した
無人のフォーミュラマシンが鈴鹿を激走! なぜこんな挑戦をする必要があるのか「A2RL」のCEOに直撃した
WEB CARTOP
「ドゥカティ史上最軽量の54.5kg!」の890ccV2登場! 最高出力120psで新型パニガーレV2/ストリートファイターV2に搭載
「ドゥカティ史上最軽量の54.5kg!」の890ccV2登場! 最高出力120psで新型パニガーレV2/ストリートファイターV2に搭載
モーサイ
日本自動車輸入組合、東京・丸の内で輸入電動車の魅力を訴求 46台が勢ぞろい 11/16まで開催
日本自動車輸入組合、東京・丸の内で輸入電動車の魅力を訴求 46台が勢ぞろい 11/16まで開催
日刊自動車新聞
カートチームの”先輩”フェルスタッペンに陶酔するボルトレト「ずっと彼のようになりたいと思っていた」
カートチームの”先輩”フェルスタッペンに陶酔するボルトレト「ずっと彼のようになりたいと思っていた」
motorsport.com 日本版
京奈和道~大阪が「信号ゼロ」に!? 国道24号の“地獄渋滞”解消する「大和御所道路」工事進行中 大和高田バイパスとの“直結ランプ”も開通間近
京奈和道~大阪が「信号ゼロ」に!? 国道24号の“地獄渋滞”解消する「大和御所道路」工事進行中 大和高田バイパスとの“直結ランプ”も開通間近
くるまのニュース
[15秒でわかる]スズキ『ディザイア』…新スタイルの新型コンパクトセダンをインドで発表
[15秒でわかる]スズキ『ディザイア』…新スタイルの新型コンパクトセダンをインドで発表
レスポンス
スズキ初のバッテリーEVが世界初公開! コンパクトSUV新型「eビターラ」は2025年夏に日本でも発売予定
スズキ初のバッテリーEVが世界初公開! コンパクトSUV新型「eビターラ」は2025年夏に日本でも発売予定
VAGUE
整備のときこそ新車セールスのチャンス! アメリカで見られる「魅力的な代車」事情
整備のときこそ新車セールスのチャンス! アメリカで見られる「魅力的な代車」事情
WEB CARTOP
トヨタ「プリウス」なぜ後席ドアの“ハンドル”隠れてる? 「どうやって開けるの?」戸惑う人が続出!? 斬新すぎるドアの正しい開け方とは?
トヨタ「プリウス」なぜ後席ドアの“ハンドル”隠れてる? 「どうやって開けるの?」戸惑う人が続出!? 斬新すぎるドアの正しい開け方とは?
くるまのニュース
 カワサキ「Z2」いよいよお化粧直し段取りへ突入 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.22
カワサキ「Z2」いよいよお化粧直し段取りへ突入 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.22
バイクのニュース
4代目ジープ グランドチェロキーには先代モデルとは違った力強さがあった【10年ひと昔の新車】
4代目ジープ グランドチェロキーには先代モデルとは違った力強さがあった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【最新フェラーリの世界】フェラーリSF90ストラダーレ。「スクーデリア・フェラーリ」90周年記念モデル。システム出力1000ps!
【最新フェラーリの世界】フェラーリSF90ストラダーレ。「スクーデリア・フェラーリ」90周年記念モデル。システム出力1000ps!
カー・アンド・ドライバー
全長2.7m!? 49万円のスズキ「極小マシン」がスゴい! 5速MTも搭載! 軽初の画期的システムも斬新だった「Twin」どんなモデル?
全長2.7m!? 49万円のスズキ「極小マシン」がスゴい! 5速MTも搭載! 軽初の画期的システムも斬新だった「Twin」どんなモデル?
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」サイズの「3列シートミニバン」!? 全長4.9m“ながーーい”ボディ×「めちゃシンプルデザイン」採用! 「手頃感がちょうどイイ」独の「Tクラス」とは
トヨタ「アルファード」サイズの「3列シートミニバン」!? 全長4.9m“ながーーい”ボディ×「めちゃシンプルデザイン」採用! 「手頃感がちょうどイイ」独の「Tクラス」とは
くるまのニュース
たまに見かける謎の「黄色の点滅信号」どうすればいい? 知らないと免許返納です!「ピカピカする黄信号」無視した時の「すごいリスク」とは
たまに見かける謎の「黄色の点滅信号」どうすればいい? 知らないと免許返納です!「ピカピカする黄信号」無視した時の「すごいリスク」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

57件
  • tor********
    ステップワゴンは価格が高い、フィットでは狭すぎる、ちょうどいいのがフリードってとこじゃない?
    トヨタなんかも、ノアヴォクの価格が上がったからシエンタって人も多いしね。
  • なまら
    フリードお手頃だし5ナンバーてのがいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.8343.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0389.9万円

中古車を検索
フリードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.8343.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0389.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村