エンジンのホンダが本気を出すとこうなる
華やかなコンセプトに基づいたスタイルリッシュなボディとスポーティな走り味で時代を駆け抜けた「プレリュード」が復活、コンセプトモデルながら試乗の機会を得た。
「プレリュード」復活で昭和オヤジ歓喜! 元祖デートカーはどんなクルマだったのかZ世代にもわかるように振り返ってみた
1978年デビューの初代から1996年の5代目まで、2ドアノッチバックの伸びやかなクーペスタイルであることは最新モデルでも踏襲されていた。
2001年に一旦生産を終了していたが、そのコンセプトには一切のブレがなく、2025年に甦る最新モデルでも踏襲されている。オシャレな雰囲気はそのまま現代に蘇るのである。
ロングノーズ+ショートデッキスタイルは、4名乗りのようだが、2+2が現実的である。コクピットに収まれば、スポーティカーらしさの充満するタイト感に包まれる。地を這う感覚は、懐かしさすら意識させられる。スペシャリティクーペの言葉がこれほど似合うクルマもそう多くはないだろう。
もっとも、搭載するパワーユニットは、かつてのガソリンモデルとは異なり、現代流にアレンジされている。直列4気筒2リッターエンジンを搭載するものの、ホンダの伝家の宝刀e:HEVハイプリッドシステムが与えられていた。
ホンダは2040年には一切の内燃機関との決別を宣言した。リミットまでにはまだ16年もある。それまでホンダは、BEVや燃料電池モデルだけではなく、得意のストロングハイブリッドで時代を牽引する腹づもりなのだ。その急先鋒だといっていい。ハイブリッドシステムをさらに熟成し、新型プレリュードに搭載したというのである。
今回の試乗ステージはホンダのテストコースである。限られた時間ではあったが、高速周回路とハンドリング路でフットワークと動力性能の一旦を確認できたのは収穫だった。
まず驚かされたのは、パワーフィールである。単純に環境性能だけを追い求めたのではなく、いやむしろ、内燃機関らしさを高めていたことは意外だ。
いきなりフル加速を見舞って我が目を疑ったのは、とてもハイプリッドだとは思えぬ感覚だ。アクセルペダルを床踏みすると、低速域から電気モータートルクを見舞う。お驚きはその先だ。まるでピュアな内燃機関であるかのように、シフトアップしていくのである。
1速→2速→3速→4速……。多段ミッションが合体されているかのように、回転がステップしていく。
本来e:HEVは、多段ミッションをもたない。そのままでいるならば、CVT感覚のダイレクト感を描いたラバーフィールに支配されるはずだ。エンジン回転には抑揚がなく、ただ無機質に速度を高めていくだけの感動のない加速感覚に陥るはずだった。それとはまったく異質の変速感なのである。にわかに信じがたいフィーリングに驚かされたのである
ホンダのe:HEVを分類するならばストロングハイブリッドに属するが、加速時には電気モーターが主体になり、高速巡行はガソリンエンジンが支配する。現実的には緻密な制御を繰り返しており、複雑にエンジンとモーターの連携を繰り返す。だが、プレリュードのそれは、内燃機関が主体であるかのような制御が印象的だった。
有段ギヤをもたないが減速ではMTのようなブリッピング!
それは、ハンドリング路にステージを移すとさらに躍動感を増した。
「エコ」「GT」「スポーツ」、さらに加えれば「インディビデュアル」から選択できる4段階のドライブモードをもっとも元気な「スポーツ」にセットすると、並の内燃機関+多段ミッション以上に激しさを増したのだ。
ミッションを「Dレンジ」に固定していても、たとえばコーナーを前に減速するやいなや、すかさずブリッピングしながら減速したのである。その感覚は「2ペダルマニュアル」のそれに近い。もちろん有段ミッションには劣るものの、あらためて「本当にハイブリッドなのか?」の思いが駆け巡ったのだ。
エンジンサウンドはさらにスピーカーで強調されている。電子的にサウンドは加工されているとはいえ、作られた音のそれではない。純粋な内燃機関のサウンドと見紛うばかり。とても内燃機関からの決別を宣言したホンダとは思えぬ刺激度なのである。これを「S+シフト」と呼ぶ。
ちなみに、ハンドリングも秀逸だった。プラットフォームはシビックタイプRを流用しているという。ならばボディ剛性に不足はあるまい。タイヤの接地は確かであり、爽快なフットワークを披露した。
ゴリゴリのスパルタンではまったくないが、コーナーを追い込んでも素直なハンドリングだったことを報告しておこう。
じつは今回、次世代のe:HEVを組み込んだ「ヴェゼル」の試乗も許された。これも同様に「S+シフト」が炸裂した。比較的穏やかなコンパクトSUVであるにもかかわらず、エンジン回転を上げ下げするのだから感心する。
AWDシステムには、現行ヴェゼルのようなプロペラシャフトをもたない。電気モーターが前後左右の駆動力をコントロールしており、それがコーナリング特性を支配している。旋回加速時には外輪のトルクを高めるなどで、フットワークそのものもコントロールしているのだ。
パワーユニットそのものにも手が加えられている。内燃機関そのものも燃焼効率も高められており、燃費や環境性能は世界トップクラスを達成しているというから驚きだ。だというのに、パワーフィールは高回転まで持続するのだから恐れ入る。
ちょっと乱暴ないい方をするのならば、ホンダはヴェゼルをどんなモデルに育てようとしているのか疑問に思うほど、走りの躍動感が増しているのである。「ワインディングを攻める走りのSUV」にでもしようというのであろうか。それほど走りの性能が際立っていた。
さらに付け加えるならば、次世代のプラットフォームもお披露目されていた。ボディ重量で約−90kgのダイエットに成功しているという。
これからしばらく、脱内燃機関を宣言したホンダの内燃機関から目が離せない。
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