日本に上陸したばかりの、ボルボの新型「EX30」に渡辺敏史が見て、触れた!
正式発表は7月下旬を予定
2030年には販売するすべての車両をBEV(バッテリー式電気自動車)とすることを目標に掲げるボルボ。その数的コアとなるであろうプラットフォーム「SEA」を採用した初めてのBEV専用モデルとして発表されたのがEX30だ。
さる6月7日、イタリアのミラノでワールドプレミアとなったばかりのそのモデルを、週を跨ぐことなく東京でメディア向けにお披露目してくれるという。場所は東京・南青山のボルボスタジオ東京。この4月に北青山から引っ越すかたちでオープンしたBEV特化のブランドスペースだ。
EX30のサイズは全長4233mm、全幅1837mm、全高1549mm。日本仕様の実寸ではないが、近しい数字から当てはめるとすれば、マツダ「CX-3」などBセグメントのSUVに近い。全幅はそれより広くCセグメントハッチバック級に相当するものの、写真でみていた印象よりもコンパクト。
その源となるのが、特徴的なキャブフォワードのフォルムを構築する件SEAだ。Sustinable Experience Architectureの略となるそれは、ショートノーズと共に、床面にバッテリーを敷き詰めるBEVベストのパッケージを想定している。昨秋に登場したフラッグシップBEVの「EX90」は、現行の「XC90」などが使う既存のプラットフォーム「SPA」の進化版を採用しているため、フォルム的には現在の延長線的なところにあったが、EX30はそういう過去の気配をまったく漂わせていない。
スターウォーズおたくというデザイナーがEX30に重ねたイメージは、劇中で賞金稼ぎのハンターとして登場するボバ・フェット。グリルレスのフロントマスクは冷涼なイメージにみえるが、短いボンネットフードに情感的な抑揚が加えられているのもあって、不思議と寒さは感じない。というかコンパクトな車格も手伝ってむしろ可愛さや暖かさも伝わってくる。
Aピラー端に高さのピークを置いて、テール側へとなだらかにスロープダウンするキャビンデザインは巧みだ。先代までのトヨタ「プリウス」をみてもわかる通り、短い全長で最適な空力効率を得ようとするなら、自ずとこういったルーフラインになる。ただし後方視界との両立は難しいから、バックカメラなどを頼りにする機会は増えるだろう。
限られた時間ゆえ、内装は撮影できないという約束だったが、ドアが開いているところをそっと覗き込めた。既に、今後のBEVモデルについてレザーフリーを宣言しているボルボだけあって、最上位トリムとして持ち込まれた撮影車も30%のウールと70%のリサイクルマテリアルの混紡生地をシート地などに使う。
フロントスピーカーはダッシュボードとフロントガラスの間に集約し、ドア側のスピーカー配置スペースやハーネス類などをなくし、ユーティリティとサスティナビリティの両方に配慮した設計だった。
メカニカルスイッチ類を廃してセンターディスプレイに集約したインターフェースはお触り禁止ゆえ、使い勝手等で未知数のところはあるが、速度計など必須情報は一番見やすい上縁部にまとめられるなど、工学的な配慮は感じられる。
EX30の日本における正式発表は7月下旬を予定しており、あわせて予約開始の日程もアナウンスされる。そして納車開始は年内を見込むという。ちなみに関係者曰く、当初は272hp/343Nmのシングルモーターを後軸に搭載するシングルモーター・エクステンデッドレンジの輸入が先行するのではないか? ということだった。0~100km/hの加速タイム、3.6秒を誇るツインモーター・パフォーマンスへの期待値も高まるが、その車格を利したデイリーカーとして使う分には、シングルモーターでもスペック的には十二分だと思う。
ともあれモノをみてソソられたのは、そのカタチだ。近年のボルボ人気を牽引してきたのは間違いなく意匠的要素が大きいと思うが、個人的には「XC40」以来のクリーンヒットだと思う。パワートレインがなんであれ、ボルボはボルボ。EX30は小さな体躯にして、街行く人にそれを伝える役割も充分に担えるはずだ。
文・渡辺敏史 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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