現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ「ホンダの技術」真似されない? 他社が採用しない…独自技術「センタータンクレイアウト」とは? 今後は無くなるの?

ここから本文です

なぜ「ホンダの技術」真似されない? 他社が採用しない…独自技術「センタータンクレイアウト」とは? 今後は無くなるの?

掲載 更新 54
なぜ「ホンダの技術」真似されない? 他社が採用しない…独自技術「センタータンクレイアウト」とは? 今後は無くなるの?

■ホンダのコンパクトカーや軽自動車に採用される「センタータンクレイアウト」とは

 ホンダの独自技術となる「センタータンクレイアウト」は、「フィット」や「ヴェゼル」などのコンパクトカーです。

【画像】超カッコいい! これがホンダの「小さな高級車」です!(25枚)

 このセンタータンクレイアウトとは、どのような技術なのでしょうか。

 また今後はどうなるのでしょうか。

「センタータンクレイアウトが変わるということか__。」

 ホンダが2024年12月中旬、栃木県内の同社関連施設で実施した、「Honda e:HEV Biz&Tech ワークショップ」を取材して、ホンダが目指す新たな技術の方向性を知りました。

 センタータンクレイアウトとは、コンパクトカー(グローバルでいうスモールカー)の世界に革新をもたらしたホンダ独自のパッケージで、「グローバル・スモールプラットフォーム」に用いられています。

 車内スペースを最大に活用するために、クルマ全体のパッケージを抜本的に見直す中で、ガソリンタンクをフロントシート下部に配置する画期的な発想に辿り着いたもので、ホンダの特許技術となります。

 2001年に初代「フィット」に採用され世に出て、さらに軽自動車ベストセラーの記録を塗り替えている「N-BOX」へと踏襲されました。

 なお、2006年にホンダから技術供与を受けて三菱の軽自動車「i(アイ)」に搭載されていた実績があります。

 そんなセンタータンクレイアウトのベースとなるのは、ホンダのクルマ造りの理念である「M・M思想」。

 いまさら説明は不要かもしれませんが、M・M思想とは「人のためのスペースは最大に、メカニズムのためのスペースは最小に」を意味する、「マン・マキシマム/ メカ・ミニマム」を指します。

 こうしたM・M思想が今、「100年に一度の自動車産業大変革期」を迎えて、さらなる進化を遂げようとしているのです。

■今後「センタータンクレイアウト」は無くなる? どうなる?

 Honda e:HEV Biz & Techワークショップでは、次世代e:HEV(イー・エイチイーブイ)に関する技術展示と、実車の試乗が用意されていました。

 その中で、「ネクストジェネレーション スモールサイズ(次世代小型)e:HEV システム」の展示がありました。

 エンジンは新開発の排気量1.5L直噴エンジン。

 今後ますます厳しさを増すことが確実なグローバルでの環境規制に対応した全領域での理論空燃比を実現しています。

 その1.5Lエンジンの上部には、小型化したパワーコントロールユニットを搭載しているのが特徴です。

 さらに、新たなバッテリーパックを採用しています。

 現行のバッテリーパックは「フィット」などのハッチバック、SUVの「ヴェゼル」、さらにセダンなど各種スモールモデルで形状が異なっていました。

 これを、次世代小型e:HEVシステムでは統一し、これをフロントシート下に配置するというのです。

 ホンダの担当エンジニアは「これは、M・M思想を具現化したフロントシート下の配置です」と説明します。

 そのため、燃料タンクの位置については、リアシートの下になります。

 また、バッテリーパックは、車体骨骼部品の機能を統合するという役目もあります。

 結果的に、車1台分として見た場合の重量の低減につながっているのです。

 もう1点は、AWD(四輪駆動)を電動化したことも、次世代小型e:HEVシステムの大きな特徴です。

 これまでのホンダグローバルスモールカーの場合、機械式のAWD機構を採用してきました。

 次世代小型e:HEVシステムでは、次世代EV「ゼロシリーズ」と部品を共用した出力50kWモーターを採用しています。

 これにより、車体フロントに搭載するエンジンから後輪に駆動力を伝えるプロペラシャフトが不要に。

 さらにモーターの小型化により、ガソリンタンクの搭載位置にも自由度が高まったと言えます。

 結果的に、ガソリンタンクはリアシート下に配置され、センタータンクレイアウトではなくなるのです。

 プロペラシャフトがないことで、薄厚したバッテリーパックがフロントシート下に収まっています。

 さらに車体後部にデファレンシャル機能などがないことで、荷室の拡大につなるなどM・M思想が具現化されています。

 ホンダとしては、あくまでもM・M思想に基づいて、その時代導入可能な最新技術を念頭においてクルマ全体のレイアウトを開発しているのです。

 結果として、センタータンクレイアウトが生まれ、そして今後は次世代小型e:HEVシステムへと進化します。

 なお、「ネクストジェネレーション ミッドサイズ (次世代中型)e:HEVシステム」については、排気量2.0Lエンジン、高効率小型トランスミッション、小型大出力モーター。

 そして次世代小型e:HEVシステムと部品共通性を高めたパワーコントロールユニットを含めた、フロントドライブユニットを新開発しています。

 バッテリーパックについても、次世代小型e:HEVとの部品共通性を高めたうえで小型化しています。

 バッテリーパックの搭載位置については、新開発した車体(プラットフォーム)との兼ね合いから、リアシート下に配置。

 その後方下部にガソリンタンク、さらにその後方に電動AWDユニットというレイアウトになり、荷室を拡大することに貢献しているのです。

 このように、ホンダの次世代e:HEVは、ホンダの真骨頂であるM・M思想に対してさらなる磨きがかかっていると言えるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産「アリア」がスゴイ! ほぼ“無音”の快適空間×スポーティな走りを実現! 次世代型クロスオーバーモデルとは
日産「アリア」がスゴイ! ほぼ“無音”の快適空間×スポーティな走りを実現! 次世代型クロスオーバーモデルとは
くるまのニュース
日産「次期型シルビア!?」と言われたコンセプトモデル!  全長3.7m級ボディ&斬新“ツルツル顔”採用! 凄いバランス&スポーティな“画期的パワトレ搭載”の「エスフロー」とは
日産「次期型シルビア!?」と言われたコンセプトモデル! 全長3.7m級ボディ&斬新“ツルツル顔”採用! 凄いバランス&スポーティな“画期的パワトレ搭載”の「エスフロー」とは
くるまのニュース
全長5m! ホンダが斬新「“6輪”軽バン」提案してた!  積載力MAXの小型トレーラーコンセプト「アクティ・コンポ」とは? 遊び心ある仕様ってなに?
全長5m! ホンダが斬新「“6輪”軽バン」提案してた! 積載力MAXの小型トレーラーコンセプト「アクティ・コンポ」とは? 遊び心ある仕様ってなに?
くるまのニュース
「ジムニー5ドア」「クラウンエステート」「フォレスター」発売へ! 2025年の「新型車」どんなモデルが登場する? 注目車を大胆予想!
「ジムニー5ドア」「クラウンエステート」「フォレスター」発売へ! 2025年の「新型車」どんなモデルが登場する? 注目車を大胆予想!
くるまのニュース
35年以上続いた「SUV」&マツダ「セダン」も消滅!? 2024年「販売を終えた」クルマ7車種とは
35年以上続いた「SUV」&マツダ「セダン」も消滅!? 2024年「販売を終えた」クルマ7車種とは
くるまのニュース
ホンダ斬新「ユニボックス」がスゴイ! 全長3.4m級の「スケスケボディ」&奇抜な“ハンドル”採用! まさかの“6輪仕様”で先進装備マシマシな「コンパクトミニバン」とは?
ホンダ斬新「ユニボックス」がスゴイ! 全長3.4m級の「スケスケボディ」&奇抜な“ハンドル”採用! まさかの“6輪仕様”で先進装備マシマシな「コンパクトミニバン」とは?
くるまのニュース
【オーストラリア】トヨタ新型「GRカローラ」登場! 2年ぶり“顔面刷新”&走行性能強化の「4WDスポーツカー」! 新8速ATも楽しそうな「新モデル」とは
【オーストラリア】トヨタ新型「GRカローラ」登場! 2年ぶり“顔面刷新”&走行性能強化の「4WDスポーツカー」! 新8速ATも楽しそうな「新モデル」とは
くるまのニュース
ホンダが世界初の「新型エンジン」発表! 情熱的な「赤ヘッド×過給器」搭載した“すごい内燃機関”に反響殺到! 超進化した新型「3気筒エンジン」どんなモデルになる?
ホンダが世界初の「新型エンジン」発表! 情熱的な「赤ヘッド×過給器」搭載した“すごい内燃機関”に反響殺到! 超進化した新型「3気筒エンジン」どんなモデルになる?
くるまのニュース
レクサス「LBX RR」に熱視線! 「シャコタン×ツライチ仕様」にしたらどうなる? 300馬力超え「爆速ターボ」&豪華内装採用の「“MT”スポーツカー」カスタムの可能性とは?
レクサス「LBX RR」に熱視線! 「シャコタン×ツライチ仕様」にしたらどうなる? 300馬力超え「爆速ターボ」&豪華内装採用の「“MT”スポーツカー」カスタムの可能性とは?
くるまのニュース
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】ミニバンの主流からあえてハズしたホンダの意欲作[ジェイド]はなぜ売れなかったのか?
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】ミニバンの主流からあえてハズしたホンダの意欲作[ジェイド]はなぜ売れなかったのか?
ベストカーWeb
新型「“3人乗り”スポーツカー」登場へ! 25年投入の新型「ケータハム プロジェクト V」 画期的「ヤマハ製ユニット」×美しいボディに「軽量FRレイアウト」採用!  どんなクルマ?
新型「“3人乗り”スポーツカー」登場へ! 25年投入の新型「ケータハム プロジェクト V」 画期的「ヤマハ製ユニット」×美しいボディに「軽量FRレイアウト」採用! どんなクルマ?
くるまのニュース
ビュイック「センチュリー」がスゴイ! “全長5.2m”超え「ミニバンボディ」! “プラネタリウム”も装備する「トヨタじゃないセンチュリー」とは?
ビュイック「センチュリー」がスゴイ! “全長5.2m”超え「ミニバンボディ」! “プラネタリウム”も装備する「トヨタじゃないセンチュリー」とは?
くるまのニュース
全長3.7mで「7人乗り」! トヨタの小型ミニバン「スパーキー」が凄かった! スライドドア付きで「シエンタ」よりコンパクト! “お手頃感”が良かった「短命モデル」とは
全長3.7mで「7人乗り」! トヨタの小型ミニバン「スパーキー」が凄かった! スライドドア付きで「シエンタ」よりコンパクト! “お手頃感”が良かった「短命モデル」とは
くるまのニュース
マツダ新型「マツダスピリットレーシング RSコンセプト」まもなく登場!? 2リッター「直4」+精悍エアロ採用! 市販化前提の「コンセプトモデル」とは
マツダ新型「マツダスピリットレーシング RSコンセプト」まもなく登場!? 2リッター「直4」+精悍エアロ採用! 市販化前提の「コンセプトモデル」とは
くるまのニュース
ダイハツの”4人乗り軽トラ”「バスケット」がスゴかった! 旧車デザイン×斬新「屋根開きスタイル」採用! 超オシャレな“4WDマシン”の「コンセプトモデル」とは
ダイハツの”4人乗り軽トラ”「バスケット」がスゴかった! 旧車デザイン×斬新「屋根開きスタイル」採用! 超オシャレな“4WDマシン”の「コンセプトモデル」とは
くるまのニュース
進化した三菱「アウトランダーPHEV」公道での印象は? ルックスは従来モデルと“ほぼ同じ”でも“中身は別物”! 新型は何が違うのか
進化した三菱「アウトランダーPHEV」公道での印象は? ルックスは従来モデルと“ほぼ同じ”でも“中身は別物”! 新型は何が違うのか
VAGUE
トヨタの”超コンパクトミニバン”「パッソセッテ」がスゴかった! 全長4.1m級ボディだけど7人乗れる「今だから欲しいモデル」とは
トヨタの”超コンパクトミニバン”「パッソセッテ」がスゴかった! 全長4.1m級ボディだけど7人乗れる「今だから欲しいモデル」とは
くるまのニュース
【10年ひと昔の新車】日産 ノートはフルモデルチェンジでコンパクトカーの新たなベンチマークになれたか?
【10年ひと昔の新車】日産 ノートはフルモデルチェンジでコンパクトカーの新たなベンチマークになれたか?
Webモーターマガジン

みんなのコメント

54件
  • aog********
    一長一短があるんでしょ
    あとホンダが特許取ってるから金払ってまで真似したくないってのもあるんじゃない?
  • zab********
    またこの話題?ネタ切れ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

451.0495.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

229.8495.0万円

中古車を検索
Honda eの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

451.0495.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

229.8495.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村