F1第1戦オーストラリアGP予選Q2の最後のアタックの最中、前方を走行していたルイス・ハミルトン(フェラーリ)がスピンを喫して、タイムアップできなかった角田裕毅(レーシングブルズ)。スピンによる黄旗はすぐに解除され、角田の後方でアタックしていたドライバーたちは黄旗の影響を受けることはなかった。そのため、2回目のアタックで自己ベストを更新できなかった角田のQ3進出が心配されたが、角田が1回目のアタックで記録した1分16秒009を超えるドライバーはふたりしかおらず、角田は8番手でQ2を突破し、Q3進出を果たした。
開幕戦で角田がQ3へ進出するのは、じつはF1にデビューして5年目で初めてだった。2021年はQ1で2番手だったが、Q2ではソフトタイヤを温存し、ミディアムタイヤでアタックしたことが裏目に出て13番手にとどまり、Q3進出はならなかった。2022年は16番手とQ1落ち、2023年はQ2で14番手、そして昨年はQ2で11番手とあと一歩Q3進出に及ばなかった。
角田裕毅が予選5番手の快挙「魔法のようなラップだった。全く予想外の結果」
角田もその事実は認識しておらず、「そうなんですか!!」と驚いていた。そして、開幕戦から競争力があることについて、こう語った。
「これからも、いいモチベーションを持って戦えると思います。それとチームが今年に賭ける思いの強さが伝わっています。今日の予選結果は、彼らが冬の間に頑張ってクルマを開発してくれたことの表れだと思うので、本当に感謝しています」
自信を持って臨んだQ3でも、角田のスピードは鈍ることはなかった。最後のアタックではライバルと思われたウイリアムズ勢だけでなく、フェラーリ勢2台を上回って、予選5番手を獲得した。これは開幕戦の予選での自己最高位になるとともに、ドライコンディションの予選での自己最高位(2023年アブダビGPの6番手/ウエットを含めると2024年サンパウロGPの3番手が自己最高位)を上回るスーパーラップだった。
「金曜日からバランスがよくて、チームがオーストラリアGP用に持ち込んだイニシャルのセッティングがよかったのが、予選でのパフォーマンスに大きく影響したと思います。すべてのコーナーでちょっとずつタイムを詰めていったという感じです。100分の2秒とかそんな感じで、ノーミスに近かったと思います。それから(アタックを終えてピットへ向かっていたマクラーレンのランド・)ノリスからトウ(スリップストリーム)をもらったのも効いたと思います」
日曜日のメルボルンはかなり高い確率で雨が降る予報となっている。もちろん、角田もそれを見越したセットアップにしている。
「だから、日曜日に雨が降っても正直自信はあります」
しかし、ドライコンディションでも、これだけ速いと、日曜日は晴れでもいいかもしれない。そのことを尋ねると、角田はこう返した。
「どっちでもいいです」
雨でも晴れても、楽しみな開幕戦となりそうだ。
[オートスポーツweb 2025年03月15日]
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