アナタにとって復活してほしいクルマは? 願っても叶っても決して実現しない、ちょっと儚い望みだけれど考えるだけでワクワクしてしまうのはクルマ好きの悲しい性。今だったら買えそう! 今だったらヒットしそう! ここではそう思わずにはいられない、スポーツカー以外のカテゴリーから5台をピックアップしてみた。読者の皆さんと意見が一致するかどうかは定かではないけれど、たまにはこんな妄想をしてみるのもいとをかし!?
文/FK、写真/スズキ、ホンダ、三菱自動車、FavCars.com
お荷物装備!? 悲喜こもごも…ガルウィングドアで成功したクルマ、失敗したクルマ
トヨタが作っていたとは到底思えない超異端児「トヨタ セラ」
サイノスの派生モデルとして登場したセラ。バタフライドアは、ガルウィングドアと異なり、開口部地上高が一般のドアと同等なので乗降性に優れるというのがウリだった
1987年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「AXV-II」の量産モデルとして、1990年3月に登場したセラ。
その最たる特徴はあらゆる天候下でオープン感覚の体験を実現するために採用されたグラッシーキャビン、3次元曲面ガラスに覆われたパノラミックハッチ、そしてドアを開いた際に蝶が羽を広げた姿に似ていることからバタフライドアと称された跳ね上げ式ガルウイングドアだろう。
そんな特異なエクステリアもさることながら、インテリアも高いホールド性と優美な形状を両立したヘッドレスト一体のビオラフォルムシートの採用や雰囲気ある音揚を再現したデジタルシグナルプロセッサーを搭載したセラスーパーライブサウンドシステムをオプション設定するなど充実。
200万円を切る車両本体価格も今振り返ればリーズナブルで走行性能も決して低くはなかったが、ハイスペックを誇った当時のライバルに比べるともの足りなかったことは否めず、販売台数も低調に推移し1995年に生産終了。多様性が求められる今ならヒットしそうな気もするが?
街の遊撃手「いすゞ ジェミニ」は5ナンバーの4ドアセダンにして走りもグッド!
1985年に登場した2代目ジェミニは販売台数20万台超の大ヒットを記録。セダンの他に、ハッチバックも販売された
2002年に乗用車販売から完全撤退したいすゞ。ベレット、117クーペ、ピアッツァなど日本の自動車史に名を残す名車は多いが、ベレットの後継車としてGM社と共同開発した小型乗用車のジェミニも日本はもとより豪州や米国などに輸出され、高い評価を獲得した一台だった。
1974年から2000年の26年に渡って販売されたジェミニ。そのなかでも、クルマ好きに大きなインパクトを与えたのは“街の遊撃手”のキャッチコピーでパリの街並みを2台のジェミニが疾走するテレビコマーシャルが話題をさらった2代目だろう。
ジウジアーロ率いるイタルデザインによる直線を基調としたスポーティなフォルムが印象的だった2代目。後に、ドイツのイルムシャー社が手掛けた仕様やロータスとの提携によって実現した“ハンドリングbyロータス”とったスポーツモデルも登場。昭和の走り屋にとっては鮮烈な印象を残した1台でもあった。
いまや絶滅の危機に瀕した4ドアセダンで、しかもスポーツテイスト満点とくれば……復活すれば欲しいと思う人も少なくないハズ!?
直線的なデザインが三菱らしさ満点だった「三菱 ギャランΣハードトップ」
200psの最高出力は、当時の2リッターの国産量産車では初となったモンスターマシンだった
1984年10月に三菱自動車初の4ドアハードトップとしてデビュー。その格調高いスタイリッシュなウェッジシェイプボディは見た目の新鮮さだけでなく、風切音を低減させるなどの実用性にも長けていた。
エンジンは最高出力125psの2リッターターボと、最高出力200psを実現した3×2バルブ方式のシリウスダッシュ・インタークーラーターボを設定。電子制御サスペンションのECSや電子制御パワーステアリングのEPSといった先進のテクノロジーを積極採用することで静粛性が高く、かつ余裕のある走りを実現した。
また、コクピットには機能的なウィングコラムスイッチや新設計の計器盤を採用。上級グレードにはハンドルを握ったままオーディオ類の操作可能なハンドルリモコンスイッチや9つの調整機構を有するアジャスタブルシートなどを装備してハイグレードなイメージを向上させていた。
今の時代にフィットする環境性能と経済性が「スズキ ツイン」は先を行き過ぎた!?
市販の軽自動車で初となるハイブリッドカーということで話題となったのだが、販売不振で1代限りのモデルとなってしまった……
市販軽四輪車初のハイブリッドシステムと660ccのガソリンエンジンを設定した軽乗用車として、2003年1月に発売されたツイン。当時の国産軽四輪車では最小サイズの全長2735mmというコンパクトな車体でありながら、2シーターの採用で実用性に優れた室内空間を実現。
さらにハイブリッドシステム搭載車は34km/L(10・15モード)の超低燃費を、ガソリン車(2WD・5MT)は49万円の低価格を実現した高い経済性も大きな注目を集めた。タイヤハウス周りとバンパーを緩やかな曲線でつなげて前後の丸いタイヤハウスに丸い球状の車体をのせたようなデザインも高い安定感と豊かな表情を演出した。
コンパクトサイズで省資源が特長となる軽自動車のなかでも、ツインはお財布・社会・環境に優しいことに最も長けていたことを考えると……今の時代にぴったりな一台だと思わない?
スーパースポーツ的なパッケージが魅力だった「ホンダ アクティ トラック」
最後のフルモデルチェンジとなったのは2009年。一部グレードでは4万円ほど価格が下げられた
“軽トラ”は日本が誇る自動車文化と言っても過言ではない。しかし、農業・漁業・林業などの第一次産業従事者の減少に伴って軽トラ需要も減少し、いまや新車で買えるのはダイハツのハイゼットとスズキのキャリイのみ(トヨタとスバルはダイハツのOEM、日産とマツダと三菱とはスズキのOEM)。
そんな背景もあって昨年4月に生産終了したアクティ トラックもまた、復活を望む声が止まない一台だ。
1977年の登場以来、1988年、1999年、2009年にフルモデルチェンジを行って進化を遂げてきたアクティ トラックは、ミドシップ・リアドライブ・2シーターの組み合わせから“農道のNSX”の異名を与えられるほど広く愛された一台でもあった。
昨年12月に発表されたハイゼット トラックのマイナーチェンジが大きな注目を集めているだけに……“農道のNSX2の華麗なる復活に期待したい。
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みんなのコメント
こんな記事を書くより、過去20年くらい遡って、スクープした記事とそれかどうなったかを記事を書いたほうが面白いよ。