なぜEVだけをオンラインに?
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
【画像】スカンジナビアの電気自動車【ボルボとポールスターのEVを写真で見る】 全110枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
2030年までに電動モデルのみのメーカーになることを宣言したスウェーデンのボルボは、ラインナップだけでなく、クルマの販売方法も改革するとしている。
XC40リチャージP8や新型C40リチャージなど、ボルボのEVを購入する唯一の方法は、オンラインだ。ボルボはすでに、サブスクリプション・サービス「ケア・バイ・ボルボ」を欧州で開始しているが、今回、現金購入者向けに固定価格を導入する。すべてのクルマに、サービス費用や保証などを含む「ケアパッケージ」を付けて販売する。
これは、自動車業界における運営方法の根本的な変化であり、金銭的価値からディーラーの将来の役割まで、複数の問題を提起している。英AUTOCAR編集部は先日、ボルボの商業部門の責任者であるレックス・カースメーカーズに、この動きについて話を聞いた。
なぜボルボは今オンライン販売に移行するのですか?
「消費者はこの変化を求めています。わたし達は、英国をはじめとするケア・バイ・ボルボでオンライン販売の経験があります。ドイツでは、すでに売上の10%がオンラインになっています」
「パンデミックの影響により、その数は増える一方でしたが、これは自動車業界に限ったことではありません。誰もがオンラインで注文しています」
「わたし達は、『EVの新しい時代に突入した今、ケア・バイ・ボルボで行ったことをベースに、オンラインのみで始めよう』と考えました」
なぜ、EVだけでオンライン販売を始めるのですか?
「(XC40 EVは)新しいクルマであり、おそらく(新しいお客様を)惹きつけることができると思います。ケア・バイ・ボルボのオンラインでは、90%のお客様が新規でした。その理由がオンラインであれ、加入手続きであれ、あるいはその2つの組み合わせであれ、これまでボルボを真剣に検討したことのないお客様がわたし達のところに来られました。わたし達は今、新しいクルマとオンラインシステムを持っており、新しい時代を迎えています」
サブスクで学んだことは
EVは、まったく異なる顧客を魅了すると思いますか?
「まだなんとも言えません。プラグイン・ハイブリッド車は比較的高価であるにもかかわらず、もう少し若いお客様が多いことは確かです」
ケア・バイ・ボルボで学んだことで、オンライン販売に応用できることはありますか?
「安心感です。そのために、現金販売のためのサブスクリプションで提供するケアパッケージを導入しました。現金販売では初めての試みです」
「多くの人にとって、EVを導入するのはまだハードルが高いものです。どうやって動くのか?信頼できるのか?わたし達は、オンラインで手間のかからない購入体験を提供したいと考えています。そこで、3年間の保証、メンテナンス、修理など、抵抗感を取り除きます。燃料以外のすべてが含まれています。ソファに座ったまま何でもできます。自分で決めなければならないのは、販売店で受け取るか、配送してもらうかだけです」
EVへの移行を促進するために、ケアパッケージが必要だとお考えですか?
「もしもの時にメーカーがすべての費用を負担してくれるなら、人々はリスクを負う覚悟をするでしょう。『メーカーもバカじゃないんだから、何も起こらないだろう』と思うでしょう。わたし達はこの信頼感を作りたいのです」
オンラインを受け入れるディーラー
ディーラーとの関係はどうなのでしょうか?影響はありますか?
「英国では、ディーラーとの関係は非常に良好です。自動車業界では、非常にプロフェッショナルな方法で自動車をオンラインで提供する、強力なデジタル企業がいくつか登場しています。ディーラーもそれに気付き、強力なオンラインシステムを提供するためにわたし達に協力を求めてきています」
「オンラインといっても、販売店を排除するわけではありません。2025年には売上の半分がオンラインになると言われていますが、それでも半分は販売店で行われます。誰もがソファに座ってクルマを注文するわけではありません。ショールームに行って、ディーラーの人と一緒に座って、当社のウェブサイトで注文したいと思っている人はまだいます。これは完璧なオンライン・オフライン体験であり、ディーラーはその中で大きな役割を果たしています」
つまり、オンライン販売への移行をディーラーが受け入れるということですね?
「オンラインでの販売にどれだけのコストがかかるかは分かっています。すべてのディーラーが自力でやるとしたら、それはほぼ不可能でしょう。わたし達の仕事は、販売店をつなぐ強力なシステムを提供することです。わたし達は最初からディーラーを巻き込み、話をして説明しました。オンラインになると、ディーラーの役割がなくなるのではないかと心配されることがありますが、これは全く逆です」
価格はどうですか?お得感がないと心配されませんか?
「『適正な価格で購入できただろうか?』という不安が常につきまとい、交渉に不快感を覚える人が増えています。このような感覚は誰もが持ちたくないもので、安心感を得たいものです。ですから、わたし達は競争力のある価格を用意します。競争力がなければ売れません。それが唯一の価格であり、ディーラーはそれを守ります。調査の結果、人々は交渉を好まないことがわかっています。わたしのように買い物に行くのが好きな人はごく少数です。しかし、ほとんどの人は、オンラインで安心して注文したいと思っています」
それは、サブスクリプションの教訓ですか?
「その通りです。これが、販売をデジタルシステムに移行するために懸命に取り組んできた理由です」
「テレビの注文方法や食べ物の注文方法を見てみると、数回のクリックで簡単に注文できます。そのためには、商品をシンプルにする必要がありました。25種類の選択肢があるとすると、クリックを繰り返しているうちに、このオプションはあのオプションとは合わない、と25分後には迷ってしまいます」
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みんなのコメント
金持ちはたくさん買って、その利益でメーカーはEV性能を上げて価格を下げてほしい。
クルマだとキツイね