現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 米アップルが開発と噂の「Apple Car」韓国ヒュンダイが生産? トヨタなど日本メーカーの可能性は?

ここから本文です

米アップルが開発と噂の「Apple Car」韓国ヒュンダイが生産? トヨタなど日本メーカーの可能性は?

掲載 更新 18
米アップルが開発と噂の「Apple Car」韓国ヒュンダイが生産? トヨタなど日本メーカーの可能性は?

■電池開発で実績のある韓国

 2021年の年明け早々「アップルのEV(電気自動車)を韓国ヒュンダイが生産する」というニュースが世界を駆け巡りました。

次期型「プリウス」は超絶進化? トヨタが「全固体電池」に全集中する訳とは

 韓国やアメリカのメディアによりますと、ヒュンダイは自動運転が可能なEVに関してさまざまな企業からオファーがあり、そのうちの1社がアップルであると、ヒュンダイは当初認めていたものの、短時間で修正文を公開したと報じています。

 これが、アップルへの配慮だったのかどうか、現時点では不明です。

 ヒュンダイといえば、中国のIT大手バイドゥ(百度)が進める自動運転EV戦略「アポロ計画」で中心的な役割を果たしています。

 また、EVなど電動化についても積極的に量産している状況です。

 これまでの流れを振り返ってみると、ヒュンダイは2010年代中頃から電動化の強化を打ち出すようになりました。

 筆者(桃田健史)が2015年4月に韓国・ソウルモーターショーを取材した際、4ドアセダン「ソナタ プラグインハイブリッド」や燃料電池車「ツーソン iX フューエルセル」を軸足に「EV事業を世界市場で積極的に拡大する」との発表をしています。

 2016年3月のスイス・ジュネーブショーでは、電動化ブランド「IONIQ」を公開。ヒュンダイ関係者は「EVを活用したシェアリング事業も着手する」と意気込みを語っていました。

 直近では、2020年の北米モデルとして、IONIQのハイブリッド、プラグインハイブリッド、そしてEVを販売。個別モデルでも「ソナタ ハイブリッド」、「ソナタ プラグインハイブリッド」、SUVのEV「コナ エレクトリック」、そして燃料電池車「ネクソ」があります。

 この他、ヒュンダイグループのキアでも、コンパクトSUVの「ニロ」がハイブリッド、プラグインハイブリッド、EVを取り揃えており、さらにミッドサイズSUVの「ソレント」にハイブリッドがあるなど、ヒュンダイ関連の電動車ラインアップは実に豊富です。
 
 EV開発で重要な電池については、韓国はドイツメーカー向けにサムスン電子、GMなどアメリカメーカー向けにLG化学と、2000年代後半から2010年初頭にかけて本格化した自動車向け大型リチウムイオン二次電池の開発・生産が盛んで、EVに対する十分な知見があります。

 こうした韓国での社会状況を踏まえると、アップルがヒュンダイにEV生産を委託するという話は、自動車業界関係者にとって十分納得がいくところです。

 そもそも、アップルは商品の企画と設計をおこない、生産は外部企業に任せる、いわゆるファブレス企業(工場を持たない企業)で、その象徴的な例がiPhone生産を受託している台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)です。

 アップルとしてはEVについても自社生産工場を建設せず、iPhoneなど既存商品と同様に生産の外注先を探すという図式を考えると、今回のヒュンダイとの連携の“噂”に真実味があります。

■アップルが日系メーカーと組む可能性は?

 ヒュンダイのほかに、例えば日系メーカーに対するアップルからのEV生産依頼の可能性はどうでしょうか。

 ここから先は、EVや自動運転の関連取材を世界各地で継続的に続けている筆者としての個人的な想像です。

 まずは、日産です。

 世界初の大量生産型EV「リーフ」を世に出し、ゴーン体制後のV字回復で「アリア」への期待が高まるなど、世界を代表するEV開発・生産の大手です。

 ただし、電池技術については、2007年にNECなどと共同設立したオートモーティブエナジーサプライを2019年に中国の環境関連企業エンビジョンに売却しているため、仮にアップルからのEV生産依頼があった場合、電池供給を含めて受注の窓口を日産で一本化できるのか、疑問が残ります。

 また、自動運転技術については、米半導体大手インテル傘下となったイスラエルのモービルアイとの連携が強く、アップル独自開発の自動運転アルゴリズムなどをどう盛り込むのかで、各方面との調整が必要になるでしょう。

 次に、ホンダは、米GM主導で中大型乗用車プラットフォーム「アルティウム」で連携しており、使用するリチウムイオン二次電池は韓国LG化学製です。アップルからのEV受託は難しいという印象です。

 そして、トヨタですが、よくよく考えてみると、アップル自動運転EVと連携する可能性はゼロではないと思えます。

 トヨタはこれまで、IT大手GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)と個別案件で付き合いがあります。

 アップルについては、日産やホンダも同様ですが、スマホと車載器の連携システム「Apple CarPlay」を採用しており、トヨタとアップルは中立的な付き合い方に思えます。

 EVについては現時点で、中国での新エネルギー車(NEV)規制対策として、「C-HR EV」やレクサス「UX300e」、また国内での新規市場である超小型モビリティで「C+pod (シーポッド)」を投入するなど、国や地域の社会情勢に応じたピンポイントでの開発・生産をおこなっています。

 そのうえで、インド市場ではスズキ向けにトヨタが主導でEV開発をおこなうことで準備が進んでいますし、また北米市場を主体に想定していると思われるスバル向けEV開発を進めていることもスバル側から公表されています。

 こうした他メーカーと連携するという視点でのEV開発・生産に関するノウハウに加えて、自動運転開発ついてもシリコンバレー企業出身者も多いトヨタ・リサーチ・インスティテュート(及び、同アドバンスド・デベロップメント)ならば、アップルとの相性も良いように感じます。

 繰り返しますが、これはあくまでも筆者の想像です。

 そうとはいえ、周知の通り、いま「100年に一度の大変革」の真っただ中にいる自動車産業界。これから先、何が起こっても不思議ではないと思います。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン

みんなのコメント

18件
  • 国産メーカは技術があっても韓国や中国のように
    なりふり構わず見栄と嘘をつき、契約を取付けたら
    後はどうにかなると言う考えを持てないからヒュンダイ
    に決まるんじゃ無いかな。Appleが韓国に対してどう
    認識してるかだろうけど。
  • トヨタは、技術的にはアップルがなくとも支障はない。
    スマホの連携は、考えられることはほぼ実験済みでしょう。
    トヨタ製のスマホアプリが走ればスマホメーカーにこだわりないかと。
    今は5G、6G 時代の車の在り方を模索しているのではないか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村