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最新 Eクラス vs 5シリーズ 「半世紀」続くメルセデス・ベンツとBMWのライバル関係 プラグインHVを比較試乗(1)

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最新 Eクラス vs 5シリーズ 「半世紀」続くメルセデス・ベンツとBMWのライバル関係 プラグインHVを比較試乗(1)

半世紀前から続く直接的なライバル関係

この2台は、自動車業界では指標の1つ。半世紀前から、直接的なライバル関係が続いてきた。AUTOCARのバックナンバーを遡れば、「コンパクト」と呼ばれていたW123型がデビューした1976年に、ローバーSD1との3台で比較試乗されている。

【画像】最新 メルセデス・ベンツEクラスとBMW 5シリーズのプラグインHV バッテリーEVのEQEとi5も 全120枚

市場の流行は変化し、消滅した自動車ブランドは複数ある。しかし、メルセデス・ベンツEクラスとBMW 5シリーズという、2台のポジショニングは変わらないといえるだろう。

ボディサイズは格段に大きくなり、価格はインフレで大幅に上昇した。数字としては、1976年の約10倍のプライスタグが付いている。経済力を測る、ビッグマック指数のようなものかもしれない。

積まれてきたパワートレインは、時代を反映してきた。当初は自然吸気の直列6気筒ガソリンが主力だったが、2000年代に入るとディーゼルターボへ交代。現在は、電気モーターで走るEQEとi5もラインナップされている。

2024年の英国で選べる内燃エンジンは、2.0L 4気筒ガソリンターボのみ。直列6気筒ガソリンにマニュアルという組み合わせは、先代でお別れを告げた。

英国では、半世紀で自動車の税制も大きく変化した。会社からの貸与車両として乗る場合、電動化技術を搭載していた方が納税額を抑えられる。グレートブリテン島では、このクラスでバッテリーEVやプラグイン・ハイブリッドが支持される理由になっている。

近似したパワートレインとスペック

というわけで、内燃エンジンで走るEクラスと5シリーズを2024年に比較するなら、E 300e対530eということになる。面白いことに以前と変わらず、2台のプラグイン・ハイブリッド・パワートレインやスペックは、かなり近似している。

どちらも、フロントに2.0L 4気筒ガソリンターボを搭載する後輪駆動。オートマティックに内蔵された駆動用モーターが約150馬力を発揮し、走りをアシストする。荷室の床下に20kWh弱の駆動用バッテリーを積み、電気だけで100km前後を走れる。

ただし、パッケージングが似ていても、運転体験まで似ているとは限らない。現実世界での実用性や充足感はどうだろう。直接、乗り比べてみるしかない。

真っ先に1ポイントを挙げるだろうと予想していたのは、E 300e。駆動用バッテリーの容量が19.5kWhに対し18.7kWhで僅かに大きく、カタログ上では1度の充電で少し遠くまで走れるからだ。

ところが、電費では530eの方が優れることが判明。2台とも満充電で発進させると、96km進んだところで充電は切れた。一般的なユーザーが毎日の通勤をこなすのに、充分な距離とはいえるけれど。

知的で巧妙な電気エネルギーの利用

蓄えられた電気の利用も、530eの方が知的で巧妙。満充電の状態で320km先の目的地を目指してみると、ルートに合わせて計画的に電気が消費されていく様子がわかる。市街地や渋滞に備えて、一定の充電量を確保するようにも制御される。

E 300eでも、同様に制御はされている。ところが実際は、ひと足先に充電が切れてしまうようだった。

プラグイン・ハイブリッドは、ランニングコストの評価が難しい。走る距離と充電量に、大きく依存している。少なくとも、カタログへ記載されているWLTP値の燃費は、現実的には達成が困難だろう。

フラットに評価しやすい指標の1つが、電気モーターだけで走行している時の電費。E 300eは4.8km/kWh、530eは5.3km/kWh辺りになる。

駆動用バッテリーの充電が切れた状態での、燃費もわかりやすい。これは2台とも14.2km/L前後になる様子。結果として、駆動用バッテリーの容量は違っても、ランニングコストは大差ないと考えて良い。

では、プラグイン・ハイブリッドのミドルクラス・サルーンは、運転する喜びを宿しているだろうか。2台はシステム総合で300馬力前後の最高出力を発揮するが、車重は2tを超えている。その答えは、概ねイエスなようだ。

コーナリングラインを内側に絞れる面白さ

後輪駆動の低いシャシーへ据えられた、スポーティなシートへ身体を委ねるのは、やはり心地良い。数10mmは厚みがある、駆動用バッテリーの上に据えられたシートへ座ることより、遥かに。

着座位置は530eの方が低い。前方へ足を伸ばし、背中を程よく倒した運転姿勢に落ち着く。長めのボンネット越しに、良好な前方視界が広がる。

両車は純粋な後輪駆動で、シャシーのバランスは素晴らしい。アクセルペダルの加減で、コーナリングラインを内側に絞っていける、面白さがある。

グリップ状態に応じて、ステアリングホイールの重みは自然に変化する。カーブが連続する区間を、スピードを保って気持ち良く駆け抜けられる。

ただし、エキサイティングではない。AMGラインとMスポーツ・プロだとしても、重すぎて大きすぎる。特に530eは、そんな印象が強い。新しいG60型は、約20年前のE65型7シリーズより長く幅が広いのだ。手に余る印象は否めない。

この続きは、最新 Eクラス vs 5シリーズ プラグインHVを比較試乗(2)にて。

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みんなのコメント

1件
  • uwv********
    W123の300Dは、日本人オーナーでもワンオーナーで100万キロ走っているクルマがあるくらいに耐久性のある自動車でした。本来M.ベンツってそう言うメーカーだったのに現在のドイツ車のハイブリッド車は、メーカー保証切れたら何処がぶっ壊れるかわからないクルマになってしまった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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