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トヨタ「ハイラックス」もEV化!?「バンコクモーターショー」で日本メーカーが続々とEV量産を表明した理由とは

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トヨタ「ハイラックス」もEV化!?「バンコクモーターショー」で日本メーカーが続々とEV量産を表明した理由とは

来場者数161万人を記録したバンコクモーターショー2024

2024年3月27日~4月7日にタイで開催された第45回「バンコク・インターナショナル・モーターショー」(以下バンコクモーターショー)は、12日間で来場者数161万人という盛況を見せました。中国メーカーの進出が激化しているタイ市場ですが、今回は日本メーカーの出展ブースから、「日本では売っていない日本車」のトレンドを探ってみます。

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モーターショー会期中に会場で売れたクルマは5万3438台!

毎年3月末から4月頭にかけて開催されているバンコクモーターショーは、来場者数において世界トップクラスの規模を誇るイベントとなっている。2023年の162万人に引き続いて、2024年は3月27日~4月7日の12日間で161万人を記録。欧州最大規模のIAAモビリティ(ミュンヘン)が2023年秋の開催で50万人、中国の上海モーターショーが2023年春の開催で約90万人、そして2023年10月26日~11月5日にわが国で開催され大盛況をみせたジャパンモビリティショーが約111万人だったことを鑑みれば、バンコクモーターショーの活気がうかがい知れるだろう。

161万人もの来場者数を支えているのは、12日間という会期の長さだけではない。バンコクモーターショーの特色は、「その場でクルマを買える」ことにある。各ブースの裏には大きな商談スペースが用意されているし、会場内には自動車ローンの会社が「ゼロ金利」「90回払いまでOK」「残価設定ローン」などをアピールしているのだ。

その結果、2024年のバンコクモーターショーで会場内で販売された4輪車はなんと5万3438台、2輪車も5173台を記録している。4輪車に関しては2023年のショーでの販売台数が4万2885台だったので、約25%もアップしていることになる。なお、その4輪車のうちでEVが約33%を占めたのも、今年の大きな特徴だ。

タイでは現在、景気が停滞していて、2023年の新車販売台数は前年比-8.7%の約77万6000台。バンコクモーターショーの12日間だけでその7%に相当するクルマが売れるのだから、出展するメーカー側も熱を入れようというものである。

また、バンコクモーターショーは会場のオープンが昼で、夜10時まで開催という独特のタイムスケジュールを採用しているため、仕事が終わってから家族や仲間と見に来る人も多い。最新モデルをじっくり見て触って、その場で契約までできる、文字通り、クルマの見本市となっているのだ。

逆風の日本メーカーも電動化モデルを続々と発表

数年前まではタイの自動車市場は、新車販売台数の9割を日本メーカーが占める日本車王国だったが、中国系EVメーカーが続々と参入したことでシェアを落としてきている。2023年の日本メーカーのシェアは前年比-7.6%の77.8%となり、販売台数も約60万3000台で前年比-16.8%の落ち込みをみせている。

そんな中、今年のバンコクモーターショーでは日本メーカー各社がBEVやHEVへの取り組みをアピールしていたのも重要なトピックだ。

2023年のタイでの新車シェア34.3%と、依然として不動の横綱であるトヨタにとって、ピックアップトラックが人気のタイ市場でのフラッグシップモデルは、タイ工場で生産している「ハイラックス」(タイでは「ハイラックス レボ」の名で販売)だ。2024年バンコクでトヨタはハイラックスのフェイスリフトを発表するとともに、2025年末までにハイラックスのEVモデルの量産開始を目指すと表明した。

そして日本では乗用車から撤退しているものの、タイ市場ではトヨタに次ぐ19.6%(2023年)のシェアを誇るいすゞも、主力製品であるピックアップトラック「D-MAX」のBEVのコンセプトカーをバンコクで初公開した。動力源の選択肢のひとつとしてD-MAXのBEVの開発を進め、2025年にノルウェーなど欧州の一部で販売を開始し、その後タイなど各地域でも展開していくという。

ホンダはコンパクトSUVの新型BEV「e:N1」を初公開した。これは中国市場で2022年に東風ホンダ(合弁会社)が発売したBEV「e:NS1」ならびに「e:NP1」のタイ仕様にあたり、2023年12月からタイ東部プラチンブリのホンダ工場で生産がスタートしていたモデル。当面は一般販売はせず、現地の大手レンタカー会社経由で定額リースしていくとのこと。

そして日本市場にピックアップトラック「トライトン」が上陸したばかりの三菱自動車は、3列シートのミニバン「エクスパンダー」と「エクスパンダークロス」が東南アジア市場で絶大な人気を誇るドル箱モデルとなっている。今回のバンコクモーターショーでは、ハイブリッド仕様の「エクスパンダーHEV」/「エクスパンダークロスHEV」を初公開した。ファミリーで移動できる3列シートと十分な最低地上高を備えたエクスパンダーシリーズは、東南アジアの舗装路の少ない地域で活躍している。燃費と航続距離をハイブリッドシステムで改善することで、さらなる実用性をアピールしようというわけだ。

* * *

一番人気がピックアップトラックで、日本とは全く異なるクルマ生態系をもつタイ市場。EV化を巡ってはわが国よりはるかにダイナミックな波が押し寄せていて、日本メーカーもさまざまな可能性を模索している最中といえる。バンコクモーターショーで日本勢に勝るとも劣らない存在感と勢いをみせていた中国、韓国、ベトナムのEV新興勢力については、また稿を改めてレポートする。

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みんなのコメント

3件
  • ルル
    この手のピックアップトラックはバッテリー積むスペースが簡単に取れるのでEV化しやすいとおもいます。

    FCVも然り。改質機も水素タンクも荷台下に積みやすい。

    なんでこの車種からFCV.EV作らないの??
  • 葛葉恭次
    新興国をモルモット化あるある
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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