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当時の「究極」デートカー! 激レアなS13シルビア「コンバーチブル」が贅沢すぎるクルマだった

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当時の「究極」デートカー! 激レアなS13シルビア「コンバーチブル」が贅沢すぎるクルマだった

打倒プレリュード! 贅沢なファクトリーカスタム車

 1980年代後半から始まったバブル経済期に大流行したのがスペシャリティカー、いわゆる「デートカー」だ。

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 ホンダの「プレリュード」を筆頭に、トヨタの「セリカ」や「ソアラ」など、流麗なフォルムを持つ2ドアクーペたちは、そのオシャレな雰囲気が女性にも人気を博し、当時の若者を中心に「このクルマに乗れば女子にモテる」というブームを生み出した。

 1988年に日産が発売した5代目(S13型)「シルビア」もその中の1台。

 デートカーの先駆者ともいうべき2代目プレリュード(1982年発売のAB型)を意識した、スタイリッシュなデザインなどで大成功を収めたシルビアだが、実はそのラインアップにはオープンカー仕様の「シルビア コンバーチブル」というモデルも存在したのだ。

 1990年までのわずか2年しか生産されなかったレア中のレアなモデルだが、いま見てもその高級感溢れる装備の数々は、バブル期だからこそできた贅沢なもの。ここでは、そんな「究極のデートカー」とも呼べる、スペシャルなシルビアを紹介しよう。

ソフトトップは電動開閉式

 シルビア コンバーチブルは、S13型シルビアの最上級グレード「K’s」をベースとした4人乗りのフルオープンカーだ。当時の販売価格は369万円。前述の通り1990年に生産終了し、生産総台数がわずか601台という超激レア車だ。

 ベース車の曲線と直線が混じり合ったような滑らかなフォルムに加え、オープンカーならではの開放感が加わったスタイルが、スポーティさと高級感を両立したこのモデル。

 元々はクーペボディだから、製作時には当然ながらルーフカット(屋根を切る)などのカスタムが施された。とはいえ、日産の正式ラインアップだったモデルなだけに、いわゆる「とにかく乱暴に屋根を切った改造車」ではない。

 製作をプロデュースしたのは、日産傘下のカスタム車メーカーであるオーテックジャパン。クーペボディをコンバーチブル化する実際の作業は、Be-1やPAOなど当時日産で販売した「パイクカー」と呼ばれた(デザイン重視の)車両を手掛けた高田工業が担当した。つまり、れっきとしたワークスカスタムカーなのだ。

 その装備は、当時の国産車でもトップレベルだといえるだろう。中でも注目は、スイッチ操作だけで自動開閉する電動式のソフトトップだ。

 まず、フルオープン時。ソフトトップは後部座席後方にあるハードカバー内に格納されているため、違和感のないスタイリッシュな外観を実現する。

 ソフトトップを出す時は、最初にハードカバーのロック解除スイッチを押し、その後ハードカバーを上にあげて開閉スイッチを操作するだけ。自動でソフトトップがせり上がり、フロントウインドウにピタリとセットされる。

 また、この際には専用設計されたリヤのサイドウインドウが同じく電動でせり上がる仕組み。32年前のクルマとしてはかなり先進的だ。なお、再びオープンにする際は逆の操作を行えばいい。

 ソフトトップの生地には、欧州製コンバーチブル車で高い実績を誇る西ドイツのコリコ社製を採用。表面が塩ビで裏面がクロスという2重構造により、高い耐久性を実現する。室内側には布製の内張も設けられ、ソフトトップのリンクなどが室内から見えないような配慮もなされている。

 居住性にこだわった内装などの作り込みも魅力のひとつだ。大人2名がゆったりと乗れるシートは専用設計で、シート地には耐候性を考慮して撥水処理も施してある。

 また、冬の次期など寒い季節のオープン走行にも考慮して、ヒーター容量もアップするなど、コンバーチブルならではの快適性を重視した様々な装備が施されていたのだ。

1.8Lターボエンジンなどで走りも充実

 スタイリッシュなフォルムだけでなく、動力性能などもかなり充実していた。

 エンジンは1.8L・水冷直列4気筒インタークーラー付きターボ(CA18DET型)を採用。1991年のマイナーチェンジ時に採用された、2.0LのSR20型ターボエンジンを搭載する以前のシルビアでは最大の排気量で、最大出力175psを誇ったエンジンだ。

 また、トランスミッションは、4速ATのみを設定。マニュアルシフトでギンギンに走るとゆうよりも、デートカーらしくオートマチック変速でゆったり走る設定だ。

 ほかにも、コンバーチブル専用チューンが施されたサスペンションの採用や、車体各部を補強することで、ルーフ部がなくても十分なボディ剛性を確保。しかも、電動開閉式ソフトトップのユニットやボディ補強などが加わったにも関わらず、車両重量は1250kg。

 ハイパワーなエンジンとしっかりとした足まわり、軽い車体などで、高い走行性能も実現していた。

 シルビアといえば、その卓越した動力性能により、当時「走り屋」と呼ばれた峠のワインディングなどを激走した若者たちに人気だったイメージもある。

 だが、一方でこのような「モテるクルマ」としても知られ、幅広い層が支持したクルマなのだ。

 ちなみにシルビアには、1999年に発売された最終モデル7代目(S15型)にも、オープンカー「シルビア コンバーチブル ヴァリエッタ」というモデルが存在した。

 こちらは、電動格納式のハードトップを採用したクーペカブリオレ仕様で、2.0L・自然吸気のSR20型エンジンを搭載。本革シートやシートヒーターなどを標準装備したラグジュアリーなモデルだった。

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