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コンパクトでも立派にジープ──新型レネゲード4xe試乗記

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コンパクトでも立派にジープ──新型レネゲード4xe試乗記

ジープのコンパクトモデル「レネゲード」のプラグ・イン・ハイブリッド「4xe」に塩見智が北海道で試乗した。電動化に伴うメリットは?

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コロナ禍にあってアウトドア・アクティビティが活況を呈しているそうだ。密を避けやすい屋外スポーツやキャンプなどに人々の意識が向いたからだろう。乗用車も人々のそういうマインドに適したモデルがよく売れている。

たとえばジープだ。2020年も、対前年比で販売台数を伸ばした。牽引したのはブランドアイコンの「ラングラー」と今回試乗したコンパクトタイプの「レネゲード」だ。今回、北海道の星野リゾート・トマム周辺で、昨年追加されたプラグ・イン・ハイブリッドの「レネゲード4xeトレイルホーク」を試した。

ジープ・レネゲードは全長4.3m、全幅1.8mと、第2次世界大戦で活躍したブランド始祖のMB型を除けば、もっともコンパクトなジープだ。合併したフィアットのコンパクトSUV、「500X」のコンポーネンツを用いて開発された。ちなみに、レネゲードの生産国はイタリアだ。

純粋な内燃機関車のレネゲードは1.3リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載。6速ATを介して前輪、もしくは4輪を駆動する。その前後車軸にモーターを組み込み、前輪がほぼエンジン駆動、後輪が100%モーター駆動のプラグ・イン・ハイブリッド4WDとしたのがレネゲード4xeだ。エンジンのチューニングが2種類あって、今回試乗したトレイルホークは最高出力179ps、リミテッドは同131psを発揮する。最大トルクはどちらも270Nm。システム全体としての最高出力はトレイルホークが239ps、リミテッドが191psになる。燃費はトレイルホークが16.0km/L、リミテッドが17.3km/L(WLTCモード)。

3つのドライブモードを選択でき、デフォルトのハイブリッドモードは走行状況に応じて自動的にエンジンとモーターをもっとも効率のよい状態で使い分ける。といいつつもバッテリーに電力が十分残っているあいだは、リアモーターによる駆動を基本とする。つまり後輪駆動の電動ジープというわけだ。

モーターならではの魅力

実際に乗ると、純内燃機関レネゲードよりも明確に力強い。急加速を求め、アクセルをかなり深く踏み込むとエンジンも加勢して4輪駆動となるが、かなりのところまで電気のみで走行するようしつけられている。なぜなら電力がある限りモーター駆動とし、なるべくガソリンを使わず効率を上げるのがプラグ・イン・ハイブリッド車のあるべき姿だからだ。

モーターの特性上、発進時に純内燃機関の感覚でアクセルペダルを踏むと、思ったよりグイッと力強く発進する。もちろんソフトに踏めばソフトに発進できる。アクセル操作に対するレスポンスのよさも従来のレネゲードとは段違いだ。

モーター駆動である限り加減速中の変速がないため、実にスムーズに走らせることができる。それもあって滑りやすく繊細な加減速を求められる雪上でも扱いやすかった。

後輪が滑ると瞬時にトルクが前輪に配分され、引っ張られるようにグリップが回復するので、低ミュー路も不安なく走行できるのはありがたい。むしろフールプルーフに走れてしまうので過信してスピードを上げすぎないように注意する必要がある。

試乗車にはミシュランのスタッドレスタイヤ「X-ICE3+」が装着されていたが、雪上のみならず時折姿を見せるアイスバーンでも頼もしいグリップ力を発揮してくれた。降雪地帯においては理想的なクルマとタイヤのパッケージだ。さらに除雪された雪が路肩に追いやられているせいで実質的な道幅が狭まっている道路ではレネゲードのコンパクトさも役立った。

誰でもジープを楽しめる!

手元のスイッチ操作によってアクセルオフでの回生ブレーキの強弱を2段階から選べるが、強を選んでもモーター駆動車としては、比較的減速感はマイルドだった。回生のほとんどを担っているのが、荷重のかかりにくいリアモーターだからだろう。

エレクトリックモードを選ぶとEV走行になる。その場合の最高速度は 130km/hで、最長約48kmのEV走行が可能で、電池容量が減るとハイブリッドモードとなる。もうひとつイーセーブモードというのがあって、これを選ぶとその時点のバッテリー残量をキープするために積極的にエンジンをかけて走行する。いずれの制御も緻密で、ガソリン・エンジン始動時もスムーズだった。

乗り心地は、最高とまでは言わないものの、同価格帯のライバルに比べ、劣っているわけではない。ラングラーの“トラック然”とした乗り心地に比べれば、快適である。

レネゲードは“コンパクト”であるものの、大型のラングラーやグランド チェロキーキなどにも共通する、ジープとしてのアイデンティティをしっかり盛り込んでいる。

丸目2灯のヘッドランプに7スロットグリルの特徴的なフロントマスクと四角四面のフォルムのおかげでどこからどう見てもジープなのだ。

インテリアは、かつてのジープにくらべクオリティが大きく向上した。快適装備も豊富だし、先進安全装備も衝突被害軽減ブレーキやACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などが標準。並み居るライバルに劣る面はない。

レネゲードは「ジープは欲しいが、あんまり価格が高いのは無理だ」、「サイズが大きいのも嫌だ」、「燃費が悪いのも勘弁して」という人にうってつけ。4xeならEVならではの力強さも味わえる。これまでジープを諦めていた人に門戸を開いたのだ。

ジープは、ユーザーの平均年齢が輸入ブランドとしては若い方で30代後半だ。レネゲードを見れば、それも納得である。

文・塩見智

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みんなのコメント

1件
  • 「ジープ・レネゲードは全長4.3m、全幅1.8mと、第2次世界大戦で活躍したブランド始祖のMB型を除けば、もっともコンパクトなジープだ。」
    は? MB以外にもレネゲードよりコンパクトなジープは軍用、民生用問わずたくさん有るけど?
    文字数稼ぎなんだろうけど、どうでも良い、しかも間違ったトリビア入れるぐらいなら文章をコンパクトにした方が良いですよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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