現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ピレリタイヤが分析するF1ベルギーGPのキーポイント、18番手から5位入賞のアルボンを高評価【モータースポーツ】

ここから本文です

ピレリタイヤが分析するF1ベルギーGPのキーポイント、18番手から5位入賞のアルボンを高評価【モータースポーツ】

掲載 更新
ピレリタイヤが分析するF1ベルギーGPのキーポイント、18番手から5位入賞のアルボンを高評価【モータースポーツ】

F1にタイヤを供給するピレリはグランプリの決勝直前に推奨タイヤ戦略を公開しているが、「ベルギーGPでは多くのドライバーが最適な戦術として予測したワンストップ(ソフト→ミディアムタイヤ)を選択し、そのうちの3名が表彰台を独占した」と発表。前日までとは異なる気象条件のもとで、摩耗と劣化の速度をどう予想するかがこの日のポイントになったと分析している。(タイトル写真は18番グリッドから5位に入賞したアレクサンダー・アルボン)

ルクレール優勝の一方で、ヴェッテルはなぜ4位に敗れたか
ベルギーGPが行われたスパ・フランコルシャンは高低差のある高速コースで、エンジンパフォーマンスが問われると言われている。しかしその一方で、すべての方向から強い力がかかるためタイヤに厳しく、タイヤ戦略、タイヤマネージメントがパフォーマンスに大きく影響した。

【スクープ】どうなる日本のセダン? 消滅が秒読みのビッグネームたち!

ベルギーGPが行われた9月1日、スパ・フランコルシャンの天候は雲が多いながらも晴れ。決勝前に雨が降り出して一時路面はウエットになったが、スタート時にはすっかりドライとなっていた。それもあって、気温は前日よりも10度以上も低く、路面温度も30度に達していなかった。また、レース中に雨が降る確率は60%という予報もあり、スパウェザーと言われるだけあって、予断を許さない状況だった。

決勝スタートのタイヤはQ3進出の10名は全員ソフト、そのほかのドライバーもほとんどがソフトタイヤを選択してグリッドに着いた(アレクサンダー・アルボン、ダニール・クビアト、ジョージ・ラッセル、ロバート・クビサ、アントニオ・ジョビナッツィの5名はミディアムタイヤを装着)。

レース前にピレリタイヤが推奨したタイヤ戦略は「ベストはソフトタイヤで18~22周走行してミディアムに切り替えるワンストップ」となっていたが、表彰台に上がったドライバーはすべてその戦略をとった。

優勝したシャルル・ルクレール(フェラーリ)は21周目、2位のルイス・ハミルトンは22周目、3位のバルテリ・ボッタスは23周目に、いずれもソフトからミディアムに交換して、そのままワンストップでゴールしている。

そんな中、2番グリッドからスタートしたセバスチャン・ヴェッテルは一度ハミルトンに抜かれた後、ポジションを取り戻したもののタイヤの劣化に苦しみ、上位陣のなかでは一番早く15周目にミディアムタイヤに交換した。

そのためボッタスがピットに入った23周目にトップに浮上したが、周回を重ねるうちに次第にペースが落ち込み、チームの指示でルクレールにトップを譲った後、しばらくメルセデス勢を抑え込む役目にまわった。これが結果的に、ルクレールの優勝に貢献することになる。

ヴェッテルは可能な限りルクレールを援護。ハミルトン、ボッタスに抜かれて4番手に落ちた時点で再度ピットインして、ソフトタイヤに交換、この日のファステストラップを記録している。

15周目でのタイヤ交換は、メルセデスAMG勢のアンダーカットを警戒してのアクションとも考えられるが、ヴェッテルは想定よりも7周も早いタイミングでピットインしており、実際タイヤの劣化に苦しんでいたようだ。

レース終盤、ハミルトンが猛然とルクレールを追い上げたのも注目ポイント。ハミルトンとルクレールのタイヤ交換のタイミングは1周しか違っていないので、フェラーリはタイヤマネージメントで不利な状況があったのかもしれない。

一方、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は新品のミディアムタイヤを装着してスタートし、無理をすることなく少しずつポジションを上げ、23周目に新品のソフトタイヤを装着。そこから一気にペースを上げて5位に入賞している。スタート時にミディアムタイヤを装着したドライバーは5名いたが、同様に早めにソフトにスイッチしたダニール・クビアトも7位に入っている。第2スティントで新品のソフトタイヤを使ったのがポイントだが、終盤タイヤマネージメントに苦しんだドライバーが多い中、この戦略は今後注目されるかもしれない。

ピレリタイヤでは、今回のベルギーGPを「ルクレールは理論的に最速のタイヤ戦略を完璧に実行し、ハミルトンから激しいプレッシャーを受けながら、摩耗と劣化の速度を予想しつつ、最後までミディアムタイヤをうまく管理しました。 今日のドライバーにとって大きな課題のひとつは、前日までとは異なる気象条件にどう対応するかでした」と分析する。前日よりもずっと涼しく、路面温度は30度以上になることはなかったが、それでもレース終盤に中団グループの順位は大きく変動している。

心配された降雨はなく、レース展開に影響を与えるタイミングでのセーフティカー導入もなかったので、レースとしては大きな波乱もなく進み、ミディアムタイヤで第1スティントを長くとる作戦は不発、次戦イタリアGPでもこのタイヤ戦略とタイヤマネージメントは大きなポイントとなりそうだ。

2019 F1第13戦ベルギーGP決勝 結果
優勝 16 C.ルクレール(フェラーリ)44周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+0.981s 
3位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+12.585s 
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+26.422s
5位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+81.325s 
6位 11 S.ペレス(レーシングポイント)+84.448s 
7位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+89.675s 
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+106.639s 
9位 10 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)+109.168s
10位 18 L.ストロール(レーシングポイント)+109.938s

[ アルバム : 第13戦ベルギーGP はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

【F1第9戦決勝の要点】オコンに「ガスリーに抜かせろ」の指示。アルピーヌ今季初ダブル入賞の裏で波乱
【F1第9戦決勝の要点】オコンに「ガスリーに抜かせろ」の指示。アルピーヌ今季初ダブル入賞の裏で波乱
AUTOSPORT web
タナベが『アクア』、『N-BOXカスタム』用車高調キット「サステックプロCR」を発売
タナベが『アクア』、『N-BOXカスタム』用車高調キット「サステックプロCR」を発売
レスポンス
日産の斬新「2列ミニバン」がスゴい! 専用チューンで“走り”を強化! 車中泊も余裕の「セレナ スポーツS」とは?
日産の斬新「2列ミニバン」がスゴい! 専用チューンで“走り”を強化! 車中泊も余裕の「セレナ スポーツS」とは?
くるまのニュース
いよいよ来年に迫った「バイクの2025年問題」! その概要とは
いよいよ来年に迫った「バイクの2025年問題」! その概要とは
バイクのニュース
プジョー 高性能モデル「PSE」拡大せず でもハイパーカー市販化には前向き
プジョー 高性能モデル「PSE」拡大せず でもハイパーカー市販化には前向き
AUTOCAR JAPAN
ランドローバー「ディフェンダー130」のピックアップをオランダから直輸入!  5m超の巨体は極太ロールケージで守られていました
ランドローバー「ディフェンダー130」のピックアップをオランダから直輸入! 5m超の巨体は極太ロールケージで守られていました
Auto Messe Web
【ポイントランキング】2024年F1第9戦カナダGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第9戦カナダGP終了時点
AUTOSPORT web
テストデー午後はポルシェ963の“ワン・ツー・フォー”。3番手に8号車トヨタが食い込む/ル・マン24時間
テストデー午後はポルシェ963の“ワン・ツー・フォー”。3番手に8号車トヨタが食い込む/ル・マン24時間
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが通算60勝目。ウエットからドライ、SC2回の大波乱を制する【決勝レポート/第9戦】
フェルスタッペンが通算60勝目。ウエットからドライ、SC2回の大波乱を制する【決勝レポート/第9戦】
AUTOSPORT web
クルマの“リアシール”廃止!? ガラスに貼られる「車庫ステッカー」なぜ無くなる? みんなの反響は? 「車庫証明書」は継続へ
クルマの“リアシール”廃止!? ガラスに貼られる「車庫ステッカー」なぜ無くなる? みんなの反響は? 「車庫証明書」は継続へ
くるまのニュース
原付にも自転車にもなる画期的なモビリティ!「GFR-02」って一体なに?
原付にも自転車にもなる画期的なモビリティ!「GFR-02」って一体なに?
バイクのニュース
ホンダの新世代EV「e:N」シリーズ、第2弾『e:NS2』の生産を中国で開始
ホンダの新世代EV「e:N」シリーズ、第2弾『e:NS2』の生産を中国で開始
レスポンス
カナダでは随所で速さ見せたメルセデス、“勝てる力”を取り戻したのか? ウルフ代表慎重「現実的にはノーだろうね」
カナダでは随所で速さ見せたメルセデス、“勝てる力”を取り戻したのか? ウルフ代表慎重「現実的にはノーだろうね」
motorsport.com 日本版
「ホテル代が浮くしサイコー!」 軽自動車で「大人4人」寝れる!? どこでも“カンタン”に「車中泊」できる! 身近な「軽キャン」とは
「ホテル代が浮くしサイコー!」 軽自動車で「大人4人」寝れる!? どこでも“カンタン”に「車中泊」できる! 身近な「軽キャン」とは
くるまのニュース
クラシックなだけじゃない新たなスタイル! マットモーターサイクル「DRK-01」を発売
クラシックなだけじゃない新たなスタイル! マットモーターサイクル「DRK-01」を発売
バイクのニュース
[15秒でわかる]BMW『M135 xDrive』…1シリーズの高性能モデル
[15秒でわかる]BMW『M135 xDrive』…1シリーズの高性能モデル
レスポンス
F3王者でF3000優勝経験もある中谷明彦が30年ぶりにフォーミュラを体験! マシンの進化の凄まじさをまざまざと見せつけられた
F3王者でF3000優勝経験もある中谷明彦が30年ぶりにフォーミュラを体験! マシンの進化の凄まじさをまざまざと見せつけられた
WEB CARTOP
ケータハムの新工場が稼働開始。生産能力を50%高め、年間750台のラインオフが可能に!
ケータハムの新工場が稼働開始。生産能力を50%高め、年間750台のラインオフが可能に!
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

470.0572.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

69.0499.7万円

中古車を検索
Q3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

470.0572.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

69.0499.7万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村