■当初は「緑」、戦後「青」に変わった呼び名
交通用信号灯の青は、実際には緑色なのに「なぜ”青”信号と呼ぶのか」という声があります。
感応式信号は何に反応しているのか なかなか青にならないときは交差点上空に注目!?
日本における信号機の由来は、多くの県警がウェブサイトなどでも紹介しています。現在の車両用信号機の原型となるアメリカ製の電気式信号機が日本で初めて東京・日比谷に設置されたのは1935(昭和5)年のこと。この灯火の色は、赤、黄、緑の3色だったといいます。
このときには法令上の呼称も「緑色信号」だったそうですが、1947(昭和22)年、道路交通法の前身となる「道路交通取締法」の制定とともに、法令上も「青色」に変更されたのです。
「青」とされた背景については、信号機について紹介する新聞記事で緑色を「青」と記述されたためという説もありますが、いずれにしても緑色のものを「青」と呼ぶ日本人の風習もあり、実態に合わせる形で法令も変更されたといわれています。
実際に当時の国民は、そのように呼んでいたのでしょうか。日本でいう「青信号」は、世界的には「グリーンライト」「グリーンシグナル」などと呼ばれるように、やはり緑として認識されています。また、交通管理技術の研究開発を行う公益法人、日本交通管理技術協会(東京都新宿区)の資料によると、交通用信号機は戦前のうちから全国の主要都市に普及し、1941(昭和16)年の時点で警視庁管内には370か所あったそうです。信号の数も増えていったなかで、「青」と呼ばれることを疑問に思う余地はなかったのでしょうか。
■色名としての「緑」はあったけど…
当時の状況は知る由もありませんが、緑色の信号灯が古くから「青」と呼ばれていたことについて、カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさん(株式会社ラピス代表取締役)に聞きました。
――実際、戦前から戦後まもなくの人々も、「青」と言っていたと考えられるのでしょうか?
日本ではもともと、「青々とした若葉」など、緑色のものに対して「青」を用いた表現が使われていたため、当時の人々も、「緑色信号」を「青信号」と呼ぶことに違和感なく、定着したと思われます。現在でも、「青菜」「青果」「青葉」「青リンゴ」「青汁」「アオガエル」など、緑色を「青」で表現するものがたくさんあります。
――「青信号」というのは、やはり日本独特の表現なのでしょうか?
はい。「青信号」という呼称は日本だけの風習です。日本語における古来の色名は「~い」という表現ができる「赤、青、黒、白」の4色といわれています。「青」には現在の「青」と「緑」の両方が含まれており、緑色に見える物を「青」と呼ぶ習慣は、万葉集の時代より前からあったようです。万葉集に出てくる「あをによし」という表現(奈良の枕詞)では、「あを」は木々の新緑、「に(丹)」は寺社の朱色(赤)の柱を指し、色の対比を示しているという説があります。
とはいえ明治初期には、「緑」は色名として、青と異なるものとして定着しています。日本人が「緑」と言うときは英語の「グリーン」を指す一方、英語で「グリーン」のものを指すとき、日本人は「青/緑」の両パターンを使っていたようです。
――現在の青色灯は、「青」といえるのでしょうか?
現在の青色灯は、日本初の「緑色」信号に比べると青寄りになっており、青と緑の中間にあたる「青緑」といえるでしょう。信号機の色は、ISO(国際標準化機構)が決めた国際的なルールにより、CIE(国際照明委員会)が定めた赤・緑・黄・白・青の5色とされており、赤・緑・黄は交通信号に、白・青は航空の信号などに使われています。CIEでは緑信号灯の“色の範囲”を国際標準として「色度」で定めていますが、日本における緑信号の灯火は、そのなかで最も青寄りの色度の光源が採用されています。
※ ※ ※
花岡さんによると、現在の日本語においても、「青と緑は別の色」と認識しつつ、「青」という言葉は青色と緑色の両方を表現しているとのこと。「今後、何らかのきっかけで『青と緑を明確に区別すべき』という気運が強まれば、緑色の物を『青』と呼ぶ習慣が少なくなり、信号も『緑信号』と呼ばれるようになるかもしれません」と話します。
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