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低エネルギー・コストに驚く メルセデス・ベンツSクラス S 580e(2) 長期テスト

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低エネルギー・コストに驚く メルセデス・ベンツSクラス S 580e(2) 長期テスト

積算6794km 14.0km/L近い燃費を簡単に出せる

筆者は最近まで、古いランドローバー・ディフェンダー 90に乗っていた。とても素晴らしいクルマだと1秒毎に感じるほど、気に入っていた。ただし、燃費はイマイチ。丁寧に運転しても、9.0km/Lを超えることはなかった。

【画像】メルセデスのフラグシップ 新型Sクラス 最上級リムジンのマイバッハとBEVのEQSも 全95枚

ガソリンタンクを満タンにすると、筆者の財布は空っぽになるのが常。2.0Lの直列4気筒と控えめなエンジンだったが、現在の原油価格の高騰を受け悩みのタネになっていた。ディフェンダーのボディは四角く、空気抵抗が悪いこともあるだろう。

それでは、ほぼ同じ車重を持つSクラスのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)はどうだろう。滑らかなボディラインに、3.0Lの直列6気筒エンジンが載っている。

PHEVだから、駆動用バッテリーだけで一定の距離は走れる。だが、タッチモニターでバッテリー量を温存させる状態に切り替えれば、ガソリンエンジンだけで走行もできる。

実際に試して驚いたのだが、トリップコンピューターの積算が甘い数字だとしても、14.0km/L近い燃費を簡単に出せる。駆動用バッテリーをまったく使わずして。

緩やかな下り坂でも、優しく運転しているとエンジンは即座に停止。必要のないエネルギー消費を止めてくれる。

坂を下ることで生じる必要のない運動エネルギーは、電気エネルギーとして効果的に回収してもくれる。EVモードでの航続距離が2km前後伸びることすらある。

驚くほど低いエネルギー・コスト

普段は、自宅のウォールボックスと呼ばれる家庭用充電器で駆動用バッテリーを満たしている。容量は28.6kWhもあるため、EVモードで最長101kmを走れるとメルセデス・ベンツは主張する。ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドは40kmだ。

しかも長期テストのS 580eは、最近の運転の傾向から106kmを積算している。カタログ値より長い。

この距離を超えて走らない限り、ロングホイールベースのSクラスは、過去に所有したり運転したあらゆる内燃エンジンを載せたモデルより、エネルギー・コストが低いことになる。車重2.4tの高級リムジンで、最高出力は500馬力以上あるのに。

ロンドンへの往復という少し長めの往復でも、途中充電することなく、燃費は18.0km/Lへ迫る。この効率の良さで、ガソリンスタンドへ立ち寄る機会は大幅に減った。自宅で一晩充電すれば、約100kmの航続距離が手に入る。

駆動用バッテリーとガソリンタンクを使い切る前提での航続距離は、約1400kmになる計算。長距離旅行も、より速く快適にこなせるというわけだ。

S 580eでマイナスといえるのは、駆動用バッテリーの影響で荷室の3分の1が削られていること。ラグジュアリー・サルーンとして、軽視できない点ではある。

もっとも、筆者の息子たちは独立しているし、基本的に移動時の荷物は少ない。今のところ困ることはなさそうだ。

積算8154km 往復8時間のロングドライブ

筆者の自宅からロータスの本社までは、クルマで往復8時間ほど掛かる。ロングドライブといえる距離だから、乗るクルマはちゃんと選びたい。これはまさに、メルセデス・ベンツS 580eが想定するような移動といえる。

特に急ぐわけでもなく、コーナーを楽しむわけでもない。これより良い選択肢はなんだろう。ロールス・ロイスも悪くはないが、ガソリン1Lが2ポンド(330円)もする英国では、すぐに貯金がなくなりそうだ。

今回の移動で、S 580eの燃費は14.0km/Lを軽く超えてくれた。これほど快適な長旅を、ここまで経済的にこなせるクルマは他にあるだろうか。

テストデータ

気に入っているトコロ

エネルギー効率の高さ:パワフルで車重のあるリムジンでありながら、エネルギー効率の良さは並外れている。燃費には驚かされる。

気に入らないトコロ

荷室の広さ:今のところ筆者は困っていないが、4人家族が欧州大陸を旅行するような場合はルーフボックスが必要かも。

テスト車について

モデル名:メルセデス・ベンツSクラス S 580e L AMGライン・プレミアム・プラス・エグゼクティブ(英国仕様)
新車価格:11万3880ポンド(約1901万円)
テスト車の価格:11万3880ポンド(約1901万円)

テストの記録

燃費:20.8km/L
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

15件
  • 燃費で低コストだとしても、S系の電気系が壊れるとセーブしたコストの50~100倍位が飛ぶだろうに(誇張ではありません)。
  • 日本の場合、原発のハードルが高いから、熱効率50%の火力発電と熱効率40%超えてきてる内燃機関だと、わざわざEVにする意味ってあるのか疑問に思う。
    全電力が原発だとクリーンなんだろうけど、地震大国日本では無理だろ。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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