WRC挑戦までのランニングコストは
WRC参戦に向けてのファーストステップが国内B級ライセンスの取得で、国内Bの取得後は実績を重ねるために競技に参戦。そのためにはマシンに加えて、ヘルメットやスーツなどのウェア類など初期投資が必要になることは前回記事で紹介したとおりだが、それにプラスして競技に参戦するためにはランニングコストも必要になってくる。どのような経費がかかっていくのかを考えてみよう。
なんとF1やWECと並ぶ世界選手権「WRC」にはアマチュアでも参戦可能! ホンキなら何から始めればいい?
遠征費節約で本格的な地方戦へ
まずは必須となるのがエントリーフィーにほかならない。この競技への参加料は格式や大会によっても異なるが、国内最高峰シリーズの全日本ラリー選手権になると1戦あたりのエントリーフィーはだいたい15万円である。それにプラスしてラリー開催場所に付随してくる、ドライバーである本人に加えてコドライバー、チームメカニックたちの宿泊費や移動費も必要になってくる。
全日本ラリー選手権はたいていの場合、金曜日にレッキおよびセレモニアルスタート、土曜日にレグ1、日曜日にレグ2と実質3日間で開催。しかも全国を転戦することからロジスティック費用も高く、チーム体制にもよるが1戦あたりのランニングコストは少なくても約50万円ほどには膨らむ。
さらに6本分のハイグリップラジアルタイヤやブレーキパッドなどの消耗品を含めると1戦あたりのランニングコストはスバルWRXや三菱ランサー、トヨタGRヤリスなどの4WDターボ車両を対象にしたJN1クラスでは約80万円~100万円にのぼるだろう。
このため、ランニングコストを考えても、ビギナーとして経験を積むためにはラリークラブが主催するクローズド競技やトヨタGAZOOラリーチャレンジなどの初心者向け競技がベターだろう。
一例をあげれば、2020年12月に宮崎県で開催された「アライズスピリットラリー西都」など、初心者を対象にした地方格式競技にはエントリーフィーも3万円とリーズナブルなものもあり、ビギナーも気軽に本格的なスペシャルステージラリーに挑戦できることだろう。
さらに実績を重ねたいのなら、地方ラリー選手権がおすすめで、エントリーフィーも4万円~5万円とリーズナブルになっているほか、地元のエリアだけを転戦することから遠征費もそう多くはかからない。競技日程も土曜日にレッキ、日曜日に競技本番といったように2DAYとなっているほか、ハイグリップラジアルタイヤの使用も禁止されているシリーズも多く、地方ラリー選手権なら10万円前後のランニングコストで出場できるはずだ。
日本選手権でこなす「6回以上完走」
前回紹介したとおり、国内Aライセンスはラリー、ジムカーナ、ダートトライアル、サーキットトライアル等に1回以上出場して完走し、講習会を受講して筆記試験および走行実技の試験に合格すれば取得できる。次のターゲットは国際Rライセンスで、国際Rを取得すればWRCにも参戦可能。国際Rを取得するためには、24ヶ月以内に日本選手権の競技会、ラリーまたはスピード競技を「6回以上完走」することが条件となっているが、地方ラリー選手権も対象となることから、国際Rを取得するためにも、地方ラリー選手権で実績を重ねたい。
もちろん、地方ラリー選手権で経験を積んだ後は全日本ラリー選手権にチャレンジしたい。WRCに参戦するためにも、より距離が長く、難易度の高いステージで経験を重ねたほうがスキルアップには効果的だからだ。
こうして万全の準備を進めたうえで、いよいよWRCに挑戦することになるが、そのために必要なことについては次の機会に解説したい。
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みんなのコメント
参加費、遠征費、サービス隊の交通費などの諸経費はドライバーと折半で年間一人頭80から100万ほどかかってました。(遠征交通費と宿代が結構かかる)
その他別途車の消耗品や保険など諸経費がかかり年間150万近くは飛んでったんじゃないかな?
お金がなくてタイヤは数戦使いまわしだし、部品のストック探すのにオークションや知り合い訪ねたり色々大変だったけど、やりがいはすごくあったし、表彰台に登れたときなんかほんとに嬉しかったなぁ。