次の映画で新型Zにサンカンが乗る?
2020年夏に新しい日産フェアレディZのプロトタイプが発表されて2年以上が経過し、日本では2022年4月に価格が発表され今夏の発売が明らかにされた。
【画像】サンカンの乗る「Z」はどんな感じ?【製作の様子】 全179枚
ロングノーズ・ショートデッキなど、伝統的なFRスポーツカーデザインは初代「フェアレディZ(S30型)」をはじめとする歴代「フェアレディZ」へのオマージュにあふれており、プロトタイプほぼそのままのスタイルで市販されたことも、世界中で高い評価を受けた。
その後、部品供給の9速ATの不具合対応などもあって一般オーナーへのデリバリーは日米ほぼ同じタイミングとなる9~10月以降に始まったが、2022年11月1日からラスベガスで開催されているSEMAショーの会場には、すでに多くのZのカスタムカーが出展されていた。
カスタムカーの製作には平均して4~6か月かかるとされるが、いち早くSEMA会場の有名パーツメーカーのブースに新型Zのカスタムモデルが並んだのは米国日産によるプロモーション活動の一貫という部分もある。
SEMAで新型Zのカスタムカーがお披露目される中、アメリカで取材を続ける筆者のもとにとあるレジェンドから2枚の写真が届いた。
写真の送り主は黒とオレンジのRX-7 Fortuneをはじめ、ワイルド・スピードに登場するあまたのムービーカーを手掛けてきたVeilSide(ヴェイルサイド)代表の横幕宏尚氏であった。
「サンカンが乗る未来のムービーカーです。まだ映画の題名は公開できないのですが」と書かれてあった。
写真のZはまさに、VeilSide流のコンプリートカーだ。
唯一無二の美しいボディラインは品格があり、そして強い存在感がある。
なお、写真のZは白を基調としたボディカラーになっているが、実際にムービーカーとして使われる車両は「オレンジと黒」になるという。
「オレンジと黒」、「VeilSide」、「サンカン」とくればもう、ここまで来たらどの映画に使われるのかお分かりの方もいらっしゃるとは思うが……一応はまだ映画名は伏せておくことにする。
図面もなし 「造形」を感じながら
横幕氏はこのモデルをどうやってつくってきたのだろうか?
「RX-7 Fortuneはもちろん、わたしがカスタムのデザインをするときは図面も絵も描きません」
「最初にやることはベースとなる車両を分解し、冷却に必要なエアーの流れを確認することです。そして、製作するダクトのサイズや位置をイメージします」
「その後、インナーフェンダーやアンダーカバーの取り付け方法や構造を確認したらそこからは、ダイレクトに手のひらで立体を感じながら削り込んでいきます。自分の感性と造形を直結させながら削り上げて完成させていきます」
なんと! 図面もスケッチもなしで頭の中でイメージした形を思い浮かべながら、ボディに直接触れて削っていく……。
VeilSideのクルマが他と一線を画した有機的なデザインを完成しているのはそこに理由があるのだろうか。
「わたしは長年、ドラッグレースや最高速のエンジンを造っていましたから車両の構造や機能性、そして強度をまず考え頭の中でデザインを組み立てます。あとはひたすら完成をイメージしながらつくっていきます。今の時代、わたしのように手のひらで創るのはレアかもしれませんね(笑)」
映画会社からは、「すべて横幕さんにお任せします」と全幅の信頼を寄せられて製作したという。
新型Zをベースにした新しいムービーカー。カスタムはどのように考えられたのか。
「やがてはエンジンチューニングも手掛ける予定ですが、今回はまずボディデザインを完成させました。新しい日産Zはエンジン性能に強い魅力がありますから強烈なスピード感と洗練された都会的イメージを融合したいと考えました」
「写真の状態ではフロントセクションはほぼ完成していますが、微変更はおこなわれますね」
「新型Zは、目が少しかわいいのでインパクトを与えるためにノーズをのばして目の部分も印影を付けたデザインにしました。グリルの開口部が狭くなるので下に開口部分を足しています」
あえてワイドフェンダーしなかったワケ
フロントセクションはほぼ完成しているというが、これからは内装の張替えなどもおこなわれる。
「黄色いクルマに赤黒の内装というのはどうかと思いますし、外装の色が変わるので当然、内装も替えないといけませんね。生地も張り替えてVeilSideのシートを入れます」
そして時間をかけて考えられたのがフェンダーの扱いである。
「もっとも大切に、そして時間をかけて考えたのがフェンダーのデザインです。空気抵抗が強く、スピードのイメージが損なわれるのでワイドフェンダーの選択はありませんでした」
「ノーマルフェンダーをカットすることなく片側10mmワイドに抑えています。この限られた『10mm』の中でスピード感と脈動感、力強さを表現しようと考えました」
昨今、「カスタムカーにはワイドフェンダーがお約束」のような風潮があるが、新型Zの「速い」イメージを横幕氏はあえてワイドにせず+10mmのフェンダーで表現した。
この選択にはサンカン氏も大賛成の大絶賛だったそうだ。
サンカンといえばハリウッド映画界屈指のクルマ好き俳優としても有名である。
実際、彼自身もGReddyとのプロジェクトで作られた「Fugu Z」や2021年10月のJCCS(日本旧車集会)やSEMA 2021の日産ブースでお披露目された「Doc Z」などいずれも、初代240Zをベースにした車両製作に深くかかわってきた。
「サンはとてもクルマが好きで彼と会うと、いつもカスタムの話で盛り上がります。外装、内装、チューニングパーツなど一緒になって、たくさんのディスカッションをして、彼からの要望、こちらからの提案など細部にわたって心を通じ合わせながら最高のカスタムカーをつくっていきました。お互いを尊重し、信頼関係を築くことができている、素晴らしいファミリーチームのような関係を保っています」
苦労したのは「時間」 約半年で完成
サンカン氏とのコラボを経て、新型Zをベースにした素晴らしいムービーカーが完成しつつあるわけだが、苦労した点はどのようなことだったのだろうか?
「苦労した点といえば、時間との戦いだけですね。映画のメインカーとしてつくるわけですから、当然時間的制約が厳しいのです。また、それ以前にこのクルマは2023年1月の東京オートサロンに出展予定です」
「時系列でいうと、サンカンと話をスタートしたのが2022年7月末。製作が始まったのが9月初旬。お送りした写真は10月中旬の状態で、マスター製作途中です」
「マスター完成は11月10日予定。型の製作、製品完成が12月中旬予定。そして、内装、塗装、マフラーやサスペンション、エンジン関係は1月初旬予定。トータルの製作期間が約4か月ちょっと、ですね」
「ですが、そのような厳しい制約の中での製作もまたチャレンジ心を掻き立てられています。新型Zはカスタムのベース車両としても非常に魅力的でした。創りながらスポーツカーを感じさせる本当に優秀でほかにない素晴らしいデザインですね」
前述したとおり、完成形はボディカラーがオレンジと黒になる。塗分けのベストな比率を決めるのもなかなか大変な作業になりそうだ。
オレンジと黒の新型Zが映画の中で見られるのはもう少し先になりそうだが、来年1月の東京オートサロンでは実車が公開される予定。
映画の公開も実車の公開もパンデミックや国際的な紛争などで延期されることがないよう願うばかりだ。
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みんなのコメント
いまだに現役で ツナギ着て
パテ研いでるって所が 凄いです。