ホンダが2020年11月5日に発表、6日に発売したオデッセイのビッグマイナーチェンジから1ヵ月が過ぎた。
アルファードやエルグランドといった大型ミニバンは、強面のオラオラ顔を採用し人気となっているが、ホンダはオデッセイのビッグマイナーチェンジで、オラオラ顔にはしなかった。
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ボンネットを高くし、押し出し感のあるグリルで、力強さは残しているものの、はっきりとマイナーチェンジ前の顔と決別。
そうはいっても、大型ミニバンはオラオラ顔が大人気。この大胆な挑戦が吉と出るか、凶と出るか? 流通ジャーナリストの遠藤徹氏が徹底解説する。
文/遠藤徹
写真/ホンダ
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発売1ヵ月の成果はひとまず成功!
マイナーチェンジを経て、より精悍な顔つきへと生まれ変わったオデッセイ。2020年11月の登録台数は1720台と対前年同月比は213.4%
マイナーチェンジ前のフロントビュー
2020年11月5日にビッグマイナーチェンジしたオデッセイは、2020年12月中旬現在では、順調な販売推移となっている。2021年3月末までに約1万5000台の受注目標を策定し、販売促進活動をスタートさせていたが、約1ヵ月で目標を達成し、すでに4月以降分の受注活動に入っている。
11月の登録台数は1720台(登録車全体では30位)で対前年同月比213.4%となっている。ひとまず、大胆にフェイスリフトしたホンダの作戦は、大成功を収めたといっていいだろう。
ちなみにアルファードは1万109台(対前年同月比175.9%)で登録車全体では3位、2020年10月12日にマイナーチェンジしたエルグランドは375台(対前年同月比109.0%)だった。
オデッセイの受注台数は1万5000台以上で、12月以降は月販2000台規模でしばらくは倍増ペースで推移することが見込まれる。
とはいえ、スタートダッシュをする様々のお買い得な販売促進策を実施していることが追い風になっているのも確かであり、これらが一段落した時にどのようになるかも見守る必要がありそうだ。
今回のビッグマイナーチェンジは現行モデルが2013年10月31日に登場し、2回目のマイナーチェンジとなり、発売以来初の大がかりな改良である。
ビッグマイナーチェンジの内容はフロントマスクを中心とした外観デザインの大幅な刷新がポイント。ボンネットの位置を上げて、厚みや強さを持たせたうえでヘッドライトやフェンダー、グリル、バンパーなど一切合切変えてまるで違うクルマになったかのようにイメージチェンジ。
リアコンビランプは、ビッグマイナーチェンジ前のモデルは左右がつながっていたが、薄型で立体的なセパレート式にするとともにフルLED化。
フロント、リアともにオラオラ系ではなく、力強さを残しつつも、大人のミニバンというイメージに仕上がっている。
オデッセイ e:HEV アブソルートのインテリア。上品な質感の加飾パネルを視界に入りやすい上部に採用し、触り心地のいいソフトパッドを手の触れやすい位置へ配置。またコンビメーターパネル内の高精細フルカラー液晶パネルを3.5インチから7インチへ大型化するなどの改良を加えた
内装はメーターを含むインパネやシート表皮の変更で質感をさらに向上。装備面ではパワーテールゲート、シーケンシャルターンランプ、国内ホンダ初のジャスチャーで開閉可能なパワースライドドアや、パワースライドドアが閉まり切るのを待たずにドアクローズ後の施錠が可能となる予約ロック機能を追加するなど、商品性の向上を図っている。
グレード構成は2.4L、ガソリンNA車はアブソルートEX、アブソルートの2タイプとなり、従来のベーシックグレードであるGエアロを廃止。
2Lハイブリッドもe:HEVアブソルートEX、e:HEVアブソルートの2タイプでベーシックのハイブリッドを廃止。グレードを各1タイプずつ、販売台数の少なかった装備の簡素なベーシックグレードを廃止した。
車両本体価格は2.4LガソリンNAが349万5000~392万9400円、2Lハイブリッドは419万8000~458万円。
リアコンビランプは薄型で水平基調のセパレート式に変更された
ビッグマイナーチェンジ前のリアビュー。左右のコンビランプが横一線につながっていたが、ビッグマイナーチェンジ後は分離した
約80%が2.4LガソリンNA、納期は4~5ヵ月
ハイブリッドとの価格差を懸念するユーザーが多いためか、2.4Lガソリン車に人気が集まっている。アブソルートEX本革シート仕様の場合、ハイブリッドのほうが76万5000円高い
マイナーチェンジ前のフロントマスク。みなさんはどちらの顔がお好きですか?
現在までのユーザー評価を首都圏にあるホンダカーズ店の営業担当者に尋ねてみた。
「久しぶりのビッグマイナーチェンジなので、歴代オデッセイを中心にステップワゴン、アコードクラスからの代替えが目立っています。フロントマスクを中心としたデザインの変更で新鮮でいいという声をいただいています。また、質感の向上、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート、ジェスチャーコントロール・パワースライドドアなどの装備も好評です」とコメント。
受注内容は約80%が2.4LガソリンNA、20%が2Lハイブリッド。全体の70%が2WDで30%が4WD。アブソルートをみると、アブソルートEXとアブソルートでは半分強がアブソルートとなっている。
ボディカラーはプラチナホワイトパールを中心にスーパープラチナメタリック、プレミアムスパークルブラックパールなどの人気が高い。
なぜハイブリッドよりも2.4LガソリンNAのほうが圧倒的に販売構成比が高いのか? これは価格差によるところが大きい。
アブソルートEXの本革シート仕様で比較するとハイブリッドのほうが76万5000円も高い。これを年間1万km走行しても10年以上乗らないと追い付かないので、ハイブリッドを敬遠するユーザーが多いようである。
スタートダッシュをつけるための販売促進策の中心は、2021年の3月末までに成約すると1.9%の残価設定クレジットが組めるというお買い得な残価設定クレジット。
通常の3.5%に比べると、5年間の支払いで金利が20万円以上も安いので、このぶんが得になる。また地域によっては「1万円相当の特選レストランにペアで招待」、「産地直送有名ブランド食材のプレゼント」なども実施している。
2020年12月中旬現在の納期は2.4LガソリンNAが2021年4月、2Lハイブリッドだと5月となっている。つまり納期は約4ヵ月~5ヵ月ということになる。
首都圏の某ホンダカーズ店でオデッセイアブソルート、FF、本革仕様(車両本体価格358万3000円)に有料色のプラチナホワイトパール、フロアマット、ドアバイザー、10インチプレミアムナビ、ETC2.0、ドライブレコーダー、コーティングなど約53万円のオプション&付属品を付けて見積もりをもらうと、法定、法定外費用を含めて450万円弱と出た。初回交渉の値引き額は下取り車なしで20万円だった。
ジェスチャーコントロール・パワースライドドア。パワースライドドアのセンサーが光っている時にジェスチャー操作を行うと車両に触れずにパワースライドドアの開閉が可能
※値引き額は地域、時期によって大きく異なります。参考程度とお考え下さい。
証言:首都圏首都圏ホンダカーズ店営業担当者
「今回はかなり大幅なマイナーチェンジなので売りやすいですね。今のところ歴代オデッセイ、ステップワゴン、アコードなどからの代替えが目立ちます。他社さんのミニバンとは違い、操る楽しさが味わえるミニバンですし、乗り心地や静粛性も高く、上質で大人のミニバンとなっています。
オデッセイのフロントマスクですが、ショールームに来て頂いているお客様から新しくなった、変わってよくなったと高評価をいただいています。
2台の2.4LアブソルートEXと2LハイブリッドのアブソルートEXの試乗車を各拠点の持ち回りで配置し、販売促進活動を行っているところです。来年も熟成された大人のミニバン、オデッセイを売っていきたいと思います」。
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みんなのコメント
充分「オラオラ顔」に見えるんだがw