マツダの大黒柱として販売を牽引するCX-5。世界的な激戦区であるミドルクラスSUVジャンルにて独自の魅力を持っており、根強いファンも多い。そんなCX-5、「いいクルマなので購入を考えている」という方、ディーラーに行く前にぜひこの記事を読んで、知識を仕入れてから販売店へ行っていただきたい!
文/諸星陽一
写真/MAZDA、ベストカー編集部
いまやホンダの大黒柱 激戦区で健闘 フリード購入ガイド お薦めグレード、ライバル、値引き
【画像ギャラリー】ディーゼルエンジンがパワーアップ!! 進化を重ねるマツダCX-5
■マツダCX-5 最近の改良情報
マツダCX-5はミドルサイズの都会派クロスオーバー。現行モデルは2017年2月に発売開始された2代目。全長4545mm×全幅1840mm×全高1690mm、ホイールベース2700mm。1年単位で改良が実施され、最新技術がインストールされる
初代のCX-5はマツダが推し進めていたSKYACTIVテクノロジーのすべてをつぎ込んだ最初のモデルとして2012年に登場しました。マツダは2006年に発売を開始したCX-7からSUV系の車名に「CX」を使い始めていて、CX-5はCX-7、CX-9に次ぐモデルです。
現行モデルにあたる2代目は2016年12月に発表、2017年2月から発売が開始されます。当初の搭載エンジンは2.0ガソリン自然吸気、2.5ガソリン自然吸気、2.2ディーゼルターボの3種で、ミッションはすべて6速ATでした。その後、CX-5は以下のように毎年ペースで改良が行われます。
2017年8月:安全装備充実、全車がi-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を標準装備
2018年2月:エンジン改良、360°ビュー・モニターをオプション設定、インテリア質感向上、マツダコネクト機能進化
2018年10月:2.5ガソリンターボ追加、「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」を全車に標準設定、MT設定グレードを設定
2019年12月:オフロード・トラクション・アシストを4WDに搭載、アクセサリーパッケージ「TOUGH-SPORT STYLE」を設定、センターディスプレイ大型化(7インチ→8インチ)、静粛性向上
2020年12月:ディーゼルエンジン改良、AT(2.5ガソリンターボを除く)改良、ディスプレイサイズ大型化(8インチ→8.8もしくは10.25インチ)
先代譲りの「鼓動デザイン」にさらなる磨きをかけ、洗練されたデザインに仕立てた
欧州車などはモデルイヤーといって毎年のように改良を重ねていくのが通常ですが、国産車でこのような年次改良を行うのはマツダとスバルくらいのもので、比較的珍しいと言えます。
従来のように2年もしくは3年で改良される場合は、最新モデルを購入すれば2年もしくは3年間は最新モデルのままですが、年次改良が行われると1年後には改良前の少し古いモデルということになってしまいます。
一方、いつ買っても最新の技術ができる限りつぎ込まれているというのは、それはそれで魅力のあることです。どちらがいいかは、なかなか難しいものがあります。
■販売台数とタイプ別エンジン
さて、そんなCX-5ですが、販売状況はどうなのでしょう。最終の改良が終わった次の月、2021年1月からの販売状況をチェックしてみました。データは下記のとおりです。( )内は(順位/前年比)となります。
1月:2037台(29位/74.3%)
2月:2589台(24位/86.7%)
3月:4845台(20位/115.4%)
4月:983台(39位/103.8%)
5月:830台(40位/99.9%)
6月:1176台(32位/123.8%)
操作系を左右対称にレイアウトした水平基調のインテリア。前輪を極力前方に配置し、足を自然に伸ばした位置にペダルが来るように設計するなど運転のしやすさにこだわった
ディーゼルエンジン搭載車に用意される6速MT。マニュアルシフトを操りたい人はXD系グレードを選ぼう
2021年前半6カ月での累計販売台数は12460台で、月平均にすると2077台といったところ。新車発表時の目標販売台数が2400台だったので、4年たった現在でこの数字を維持しているのはなかなかだと思います。
CX-5はグローバルモデルで、マツダの世界販売台数の4分の1を占め、先代からの累計で300万台以上の販売台数を記録しています。日本だけで「売れている」「売れてない」を判断するべきクルマではないのですが、日本でも十分な台数を販売していると言っていいでしょう。
CX-5の全長×全長×全高は4545×1840×1690(mm)で、全幅は1800mmを超えていますが現代のCセグメントSUVとしては割と平均的な数値とも言えます。この1840mmという全幅はCX-8も同一でCX-8の場合は全長を伸ばし、全高を少し上げたスタイリングとなっています。
CX-5には以下の4種のパワーユニットが用意されています。
●2.0リットルガソリン自然吸気
156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm
●2.5リットルガソリン自然吸気
4WD用:188ps/6000rpm、250Nm/4000rpm
FF用:190ps/6000rpm、252Nm/4000rpm
●2.5リットルガソリンターボ
230ps/4250rpm、420Nm/2000rpm
●2.2リットルディーゼルターボ
200ps/4000rpm、450Nm/2000rpm
2.2Lディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」。2020年12月の一部改良で190ps→200psにパワーアップ。最大トルクは45.9kgmと4Lエンジン車並みの加速を発揮する
ガソリン車で最もハイパワーな2.5Lターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」。最高出力230ps、最大トルク42.8kgm
1車種で4つのパワーユニットをもつ国産車というのはかなり珍しいといえるでしょう。
どのエンジンがどんな使い方に合っているかは単純に決められません。というのも、エンジンによって駆動方式などがある程度限定されるからです。
2リットルガソリン自然吸気はFF車しか用意されません。一方、2.5リットルガソリン自然吸気は4WDがメインでFFは25S Lパッケージの1グレードのみとなります。2.5リットルガソリンターボと2.2リットルディーゼルターボはFFと4WDが選びやすい設定です。CX-5にはMTが設定されていますが、MTに乗りたい場合はパワーユニットはディーゼルターボのみとなります。
4種のパワーユニット、2つの駆動方式、2つのミッションという複雑な組み合わせのCX-5ですが、価格を比較解析していくと面白いことがわかります。まず、FFと4WDは価格差が23万1000円となります。同グレードFFと4WDが設定されるモデルで比較するとすべてが23万1000円の差です。ATとMTは同価格となっています。
前述のように2リットルガソリンはFF、2.5リットルガソリンは4WD中心のグレード設定で、同じ駆動方式、同じグレードという組み合わせはありません。しかし、2リットルガソリンFFの価格に4WDとの価格差である23万1000円をプラスすると、2.5リットルガソリン4WDの価格になります。
つまり、実質的に2リットルと2.5リットルの価格差はないことになるのです。4WDにするには2リットルの性能ではもの足りないので2.5リットルにしたけど、そこで価格アップはしたくなかった。2.5リットルにそのままのグレードでFFを設定するわけにはいかない……なので2.5リットルFFはLパッケージだけとして、4WDにはLパッケージを設定しなかったのでしょう。
■タイプ別装備
CX-5のグレード展開はベースグレード、プロアクティブ、Lパッケージが基本ですが、2.5ガソリンターボにはベースグレードが用意されません。また現在、CX-5には多くの特別仕様車が用意されています。
このため、価格表には特別仕様車も入れてあります。特別仕様車は黄色の帯が掛かっているモデルです。グレード違いによる装備差と、特別仕様車装備それぞれの内容と価格差は規則性があって次のようになります。
CX-5 グレードと価格
●プロアクティブ仕様(ベースグレード+23万1000円)
・アダプティブLEDヘッドライト(ALH)
・レーンキープアシストシステム(LAS)
・交通標識認識システム(TSR)
・アクティブドライビングディスプレイ
・LEDフロントフォグランプ
・IRカットガラス(フロントウインドウ、フロントサイドウインドウ)
・ピアノブラック・ピラーガーニッシュ、パワーリフトゲート
・助手席ラチェットレバー式シートリフター
・運転席10ウエイパワーシート&ドライビングポジションメモリー機構
・運転席&助手席シートヒーター
・アドバンストキーレスエントリーシステム(アンサーバック機能付、リヤゲート連動)&アドバンストキー×2
●Lパッケージ(プロアクティブ+28万500円)
プロアクティブの装備に加えて下記装備がプラスされる
・ステアリングシフトスイッチ(AT車)
・ステアリングヒーター
・LEDルームランプ&マップランプ&ラゲッジルームランプ
・ステッチ付合成皮革ニーレスパッド
・ニーレスパッドインナーパネル(サテンクロームメッキ)
・サテンクロームメッキパワーウインドウスイッチ&ドアミラーコントロールスイッチ
・グローブボックス内植毛加工
・助手席6ウェイパワーシート
・リヤシートヒーター
特別仕様車ブラックトーンエディションのインテリア
●特別仕様 スマートエディション(ベースグレード+2万7500円)
・アクティブ・ドライビング・ディスプレイ
・交通標識認識システム(TSR)
・アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
・レーンキープ・アシスト・システム(LAS)
・360°ビュー・モニター
●特別仕様 シルクベージュセレクション(ベースグレード+36万3000円)
・ハーフレザレットシート(カラーはシルクベージュ)
・LED室内照明(マップランプ/ルームランプ/ラゲッジルームランプ)
・前席用LEDフットランプ&イルミネーション(カラーはホワイト)
・LEDフロントフォグランプ
・IRカットガラス
●特別仕様 ブラックトーンエディション(ベースグレード+36万3000円)
プロアクティブの装備に加えて 以下がプラスとなる
・ドアミラー グロスブラック
・アルミホイール 225/55/R19 ブラックメタリック塗装
・シート素材 グランリュクス+合成皮革
・シート加飾 レッドステッチ
・インパネ/ドアトリムデコレーションパネル ハニカムブラック
・ニーレストパッド/ドアアームレスト 合成皮革(レッドステッチ加飾)
・ステアリング/シフトブーツ/コンソールリッド レッドステッチ加飾
・パワーウィンドー/ドアミラーコントロールスイッチ サテンクロームメッキ加飾
・7インチマルチスピードメーター(TFT カラー)
・LED室内照明(ルームランプ/ラゲッジルームランプ/マップランプ)
・LED間接照明(足元) フロントシート
●特別仕様 エクスクルーシブモード(ベースグレード+80万3000円)
・ナッパレザーシート
・インテリア上部に黒、下部には深ディープレッドの専用カラーコーディネーション
・本杢加飾パネル
・フレームレスインナーミラー
・専用の高輝度ダーク塗装19インチアルミホイール
・フロントシート ベンチレーション機能
・メーター中央に7インチTFTメーターを採用
・室内照明をすべて白色LEDで統一
・前席と後席にフットランプとイルミネーション機能
■ガソリンとディーゼルどっちがいい?
まず、ガソリンか? ディーゼルか? で悩む人も多いでしょう。ゆったりとしていながらも、アクセルを踏んだときに力感あふれるフィーリングを得られるのはディーゼルです。ディーゼルのほうが車両本体価格は高いのですが、燃費もよく燃料代もリーズナブルなのでランニングコストは抑え気味にできます。
ただし、ディーゼルエンジンはオイル量も多く、交換頻度もガソリンの1年1万5000kmと比べて1年1万kmと走行距離が短くなっています。最近はディーラーでオイル回数券と言ったものも扱っていることがあるので、ランニングコスト面も考えて営業マンとしっかりと相談するのがいいでしょう。
当たり前ですが、ガソリンエンジンは2.0、2.5、2.5ターボの順で力強くなります。ガソリンモデルで4WDが必要な場合は2.5か2.5ターボとなります。2.5で唯一のFFモデルである25S Lパッケージはけっこうなパフォーマンスが期待できるでしょう。
安全装備を含めて基本的な装備はベースグレードでも十分と言えるでしょう。そのほかの装備については、個別で装備するというよりも上記のセットや特別仕様車を選ぶことになると思います。単品のメーカーオプションはあまり多くありません。
液晶モニターは標準で装備し、車両情報やオーディオは使用できますがテレビやナビは使えません。テレビを使うためにはメーカーオプションで地デジチューナー(2万2000円)を選ぶ必要があります。ナビについてはディラーオプション扱いとなる「ナビゲーション用SDカードアドバンス(5万3899円)」を購入することで起動可能になります。AppleCarPlayやAndroid Autoも使用できるので、SDカードを同時購入しなくても大丈夫でしょう。
■ライバル車は?
マツダ車全般で値引きが渋くなっている。値引き相場はオプション込みで10~25万円程度
CX-5のライバルはトヨタのRAV4、ハリアー、三菱アウトランダーさらに輸入車ではメルセデス・ベンツGLC、BMW X3、アウディQ3なども入ってくるでしょう。これらを競合しつつ値引きを引き出せるか? というとかなり厳しいという情報が多いのです。
かつてのマツダは値引きを行う販売方法でしたが、今のマツダは値引きをできる限り行わない方針となっています。とはいえ、ゼロというわけではないので10万円~多くて25万円(いずれも用品など込み)の値引きは期待できるとのこと。 当初の目標台数に達していないこともあり、販売台数の落ち込んだ翌月が狙い目との情報もあるので、自販連の乗用車ブランド通称名別順位のチェックなどを行っておくといいかもしれません。
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そろそろ次期モデルが気になる。