電子制御サスペンションで乗り味激変!
ホンダの’20新型アフリカツイン、燃料タンク容量をノーマル(18L)から6L増量し24Lにしたツーリング仕様「アドベンチャースポーツ」もフルモデルチェンジ。通常モデルのほか、電子制御サスペンション搭載モデルもタイプ設定される。最新の電子制御を満載した走りを、オフロード専門誌『ゴー・ライド』の小川編集長がショートツーリングでテスト!
’20ホンダ新型アフリカツイン・テストライド【フルモデルチェンジで約4kg軽量化】
●まとめ:小川浩康(ゴーライド編集長) ●写真:長谷川徹、ホンダモーターサイクルジャパン
オンもオフも軽快!これぞ真の冒険マシンだ
アフリカツインにビッグタンクや大型スクリーンなどを装備し、2018年にタイプ追加されたロングツーリングモデルのアドベンチャースポーツ(以下ADS)。前後サスがロングストローク化され、足着き性が厳しくなったこともあって、ベースモデルよりも車格はかなり大きく感じた。
しかし、今回のフルモデルチェンジでその印象が一掃された。フレームが新設計され、シート高も4mm低くなった日本仕様の新ADSは、シート断面がスリム化されたこともあって足着き性が良好。燃料タンク幅でガニ股にならないので、シッティングポジションも違和感なく決まる。さらに、重心位置も低く、取りまわしでふらつくこともなかったからだ。フルモデルチェンジしたアフリカツインと同じような車格に感じられ、旧モデルから軽快感が大幅に増していたのだ。
―― 【’20 HONDA CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES/DCT】主要諸元 ■全長2310 全幅960 全高1520 軸距1560 シート高830/ローポジションは810(各mm) 車重240kg/250kg(装備) ■水冷4ストローク並列2気筒OHC4バルブ 1082cc 102ps/7500rpm 10.7kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量24L ■タイヤサイズF=90/90-21M/C R=150/70-18M/C ●価格:194万7000円/205万7000円 ●色:パールグレアホワイト、ダークネスブラックメタリック ●発売日:2019年12月13日
―― 【’20 HONDA CRF1100L Africa Twin Adventure Sports/DCT】主要諸元■全長2310 全幅960 全高1520 軸距1560 シート高830/ローポジションは810(各mm) 車重238kg/248kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒 OHC4バルブ 1082cc 102ps/7500rpm 10.7kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量24L■タイヤサイズF=90/90-21M/C R=150/70-18M/C ●価格:180万4000円/191万4000円 ●色:パールグレアホワイト ●発売日:2020年2月14日
―― カラーはパールグレアホワイト(トリコロール)とダークネスブラックメタリックの2色。大型スクリーンを標準装備。ヘッドライト下にはバンク角に応じて照射範囲が切り替わるコーナリングライトを装備。
試乗車は電子制御サス(以下ES)搭載のDCT仕様のみだったが、ややウエットのオフロードコース、林道、ワインディングと、一般公道を含めた約2時間のツーリングで試乗ができた。ES仕様はライディングモードに合わせて瞬時に減衰力が変更され、低速時の乗り心地と高速時の安定感、オンロード走行性とオフロード走破性などと、相反するサス特性を両立できるのが特徴となっている。
まずはオフロードコースでライディングモードをオフロードにセット。エンジン特性は低中速がスムーズで扱いやすく、前後サスは路面からの衝撃をストローク量の中でしっかり吸収している。少し大きめのコブでジャンプしてみたが、前後サスは250kgの車重をしっかりと受け止め、着地からスムーズに加速体勢に移行できた。リッターオーバーのアドベンチャーマシンながら、トレールマシン並みの取りまわしを実現し、中級未満のライダーでもオフロードライディングを楽しめるようになっている。
―― スキッドプレートは大型化され、ガード性を向上。
―― ADS仕様は前後チューブレスホイールを採用。
次にいちばんパワフルなツアーモードにセット。前後サスの減衰力が高まり、車体の姿勢変化を抑える硬めのセッティングになる。アクセルレスポンスもシャープになり、パワーもすばやく立ち上がり加速性も向上。その分リヤタイヤもスライドしやすくなり、トルクコントロールの介入頻度も増えたが、アクセルを開けていれば車体が直立してくるので、大きくバランスは崩れない。しかし、前後サスのストローク感が減り、マシンコントロールもシビアになったように感じた。
次にツアーモードのまま一般公道を移動し、ワインディングでは少し速いペースで走行してみた。前後サスは硬さを感じるというよりも、余分なマシン挙動を抑え、フラットな乗り心地になっているのがハッキリと分かる。これが車体の切り返しやすさにもなっていて、フロント21インチに固有するハンドリングのクセを感じないのだ。試しにオフロードモードに変更すると、前後サスのストローク感が増え、車体が揺動しながら走行していく、トレールモデルらしい乗り味になった。
最後にフラットな林道を走行。オフロードモードなら路面状況をつかみやすく、取りまわしに軽快さもあるので、トレールマシンのように走破していけた。林道のダート路面でUターンもしてみたが、この時はいちばんパワーが抑えられたグラベルモードに助けられた。パワーがマイルドかつゆっくりと立ち上がり、トルクコントロールもすぐに介入するので、アクセルをジワーっと開けていれば、少しずつ確実にマシンの向きを変えていけたからだ。
ライディングモードと連動して最適なサスセッティングに変更されるES仕様は、林道ではトレールマシンのようなオフロード走破性を発揮し、オンロードではツアラーマシンの快適な巡航性能を楽しめる。アフリカツインらしいオフロード性能の高さを損なうことなく、オンロード性能を大幅に向上。ツーリング性能とスポーツ性能を高いバランスで結実させ、1台でオフもオンも楽しめる新型アフリカツインADS ES仕様。このトータルバランスの高さが、True Adventureらしさだと思った。
―― 5段階に高さ調整できる大型スクリーンを標準装備。一番下げた状態でも防風性は高い。
―― 6L増量し、燃料タンク幅が広がっている。しかし、旧モデルのような大きさは感じない。燃料タンク幅は広がっているが、ヒザと当たる部分はスリム化され、違和感のないライディングポジションがとれる。
―― アルミリヤキャリアを標準装備。
―― タンデムシート下にETC2.0車載器を標準装備。またグリップヒーターも全タイプ標準装備している。
―― シガーソケットとUSBポートを標準装備。iPhoneをUSBケーブルで接続すると、Apple CarPlayが使用できる。
◆乗り味を激変させる電子制御サスペンション
ライディングモードと連動し、電子制御された油圧でバルブ経路を瞬時に変更。減衰力特性も変化する。ツアーモードは前後ハードで減衰力が最も高い。グラベルは前後ソフトで最も減衰力が低い。アーバンは前後ミドルでハードとソフトの中間的な減衰力。オフロードは前が徐々に減衰力が高まる。後はソフトより減衰力を高めている。
―― この他、減衰力とプリロードを24段階で調整できるユーザーモードも設定。自分の好みに合わせたサス特性が、カラーディスプレイを操作するだけで行なえるのだ。
◆ツーリング性能をさらに高める純正アクセサリー
アドベンチャーマシンであるため、ツーリングでの使い勝手を向上するアクセサセリーも多数ラインナップ。純正部品なのでマッチングもバッチリだ。
―― ワン・キー・システムのパニアケースや、プロテクション性を高めるエンジンガードなど充実している。
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