マクラーレンのランド・ノリスは、マイアミGPでF1初勝利を挙げてから、その後の4レースで3度2位を獲得するなど絶好調だ。しかし惜しくも勝利を逃したスペインGPのスタートについて、自己批判が過ぎたと考えている。
最近、ノリスは明らかにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を脅かす存在として台頭してきており、前戦スペインGPでは0.020秒差でフェルスタッペンを抑えてポールポジションを獲得した。
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しかしレースではスタートでフェルスタッペンを抑えることができなかったばかりか、メルセデスのジョージ・ラッセルに2台抜きを許してしまった。
ラッセルの後ろで詰まってタイムロスしたノリスは、終盤の追い上げでフェルスタッペンに迫ったものの、2.2秒差の2位でチェッカーを受けた。
ノリスの自己批判的なスタイルはトレードマークとも言えるが、スペインGPではレース展開を大きく左右したスタートについて、彼は自分を激しく責めたという。
しかしレース後の分析では、フェルスタッペンの方がわずかに発進が良かっただけであり、ターン1への長い下りでは2台のスリップストリームを使ったラッセルには対抗できなかったため、ノリスは自己批判が過ぎたと認めた。
一方でそれは、イモラやモントリオールのように理屈ではレッドブルが不得意としているサーキットでも結果を残しているフェルスタッペンを打ち負かすために、ノリスとマクラーレンは最後の1%を見つける必要があることを示しているとも言える。
その最後の1%はどこで見つけられると思うかと尋ねられ、彼は次のように語った。
「簡単には答えられないと思う」
「実際、僕のスタートは悪くなかった。あの時はスタートが良くなかったと、自分を批判しすぎていたと思う。でもそうではなかったし、どちらにせよジョージに抜かれていただろう」
「ただどんな小さなことでも、金曜日や土曜日にもっと準備をしたり練習を積んだりして、備える必要があるんだ」
「ヒーローになろうとして、マックスのアウト側を回るのは簡単だっただろうし、そうしたらクラッシュを引き起こしてジョージをリタイアさせていたかもしれない」
「ターン2以降は、戦略も含めてすべてがとても良かった。戦略について多くの批判があったのは知っている。でも、それは何を言っているのかわからない人たちの話だ」
「だから僕は、おそらく99.5%はとても満足している。ただスタートからの数メートルが週末を傷つけたんだ」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、スペインGPでマクラーレンが最速のマシンを持っていたように思えるとコメントしているが、それは王者レッドブルに挑むためには細部まで正確でなければならないということを意味している。
だがノリスは、マクラーレンがレッドブルよりも速かったとは考えておらず、最終スティントで追い上げられたのはタイヤの違いが原因だと話した。
「先週末を振り返っても、僕たちがレッドブルよりずっと速いクルマを持っていたとは思わない」
「僕がマックスより速く見えたのは、僕がスティントを引っ張って、彼に対してタイヤの違いを作ったからだ」
「そんな風には見えないかもしれないが、バルセロナでのタイヤライフ4周の違いというのは、ラップタイムでかなり極端な差になってくる」
一方で、ノリスは最近のマシンアップデートでマクラーレンMCL38は低速域での弱点を克服し、オールラウンダーとなったことを実感として感じているという。
「チームとして、片付けなければならない細かいことがあったし、もう少しいい仕事をしなければならない」
「でも多くは必要なレベルに達していた。だから僕たちはレースに勝つことができたんだ」
「チームの調子や自分の今のパフォーマンスを考えれば、勝つことは可能だと思う」
「でも、F1史上最高のドライバーと最高のチームが相手だから、すべてが完璧に実行される必要がある。先週末はそうじゃなかった」
「ひとつがうまくいかなかった。それが敗因だ」
今回のオーストリアGPも、スプリント予選でフェルスタッペンに0.093秒差の2番手と肉薄したノリス。2勝目を挙げるためには、完璧な戦いが求められる。
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