XC40との見た目の違いはわずか
text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ボルボ初となる純EVが登場した。スタイリングは人気のクロスオーバー、XC40とほぼ同じだが、技術的なレイアウトは、ポールスター2と共通部分が多いことがわかる。
先に発表されたのは、四輪駆動のP8というグレード。203psの電気モーターを前後に1基づつ、2基搭載。システム総合での最高出力は407psに達する。
容量78kWhのバッテリーは、フロア下にレイアウト。WLTP値で418kmの航続距離を叶えている。150kWのDC急速充電器を用いれば、40分で80%の容量まで充電できるという。
アウディEトロンと同様、従来のエンジンモデルのドライバーへ、違和感ないドライビング体験を提供することが目指されている。エンジン版のXC40との見た目の違いも小さい。エンブレムが異なり、ラジエターグリルがボディ同色のカバーで覆われる程度だ。
インテリアも、従来どおりの親しみを感じる。モニター式のメーターパネルは、レブカウンターがなくなり、グラフィックを一新。全体のデザインや内装トリムから受ける印象は、高級感より、耐久性の良さに振られている。
純EV版のXC40 リチャージP8の自慢の1つが、エンジン版と同等の荷室容量。リアシートの後ろには、413Lの空間がある。
フロントのボンネットの下にも、31Lのフランクと呼ばれる荷物置きがある。ただし、ここは通常は充電ケーブルがしまわれるはず。
最高出力407ps、0-100km/h加速4.9秒
欧州で納車が始まるのは2021年の前半から。当初英国に入ってくるのは、フル装備のファースト・エディション。その価格、5万9985ポンド(803万円)。英国政府の補助金対象になるとはいえ、少々高すぎる。
少し待てば、より手頃な純EVのXC40も登場予定。駆動用モーターは、リア側が省かれる。
XC40 リチャージP8は速い。0-100km/h加速は4.9秒だというが、フルパワーを引き出せば、額面どおりの鋭い加速力を体感できる。
積極的にクルマを走らせても、電動パワートレインは静かなまま。加速力は高速域になるほど尻すぼみになるが、180km/hに設定されたスピードリミッターには、さほど待たずに到達する。
高速で走るほど電気の消費は早くなり、航続距離は短くなる。だがXC40 リチャージP8を、常にアクセル全開で走らせるドライバーはいないだろう。
サスペンションの設定は柔らかめで、フル加速時にはフロントが持ち上がってしまう。強くブレーキを踏めばノーズダイブするし、高速でコーナーを曲がれば、それなりのロールも示す。
XC40 リチャージP8の車重は2188kgと重量級だが、最高出力は407psもあるから、パワートレインは意に介さない。一方でコーナリング時や荒れた路面では、重量による影響を隠しきれてはいない。
小さな隆起やくぼみでも、シャシーからは振動が伝わってくる。ダンパーは、路面の乱れに少々手を焼いているようでもある。試乗車の20インチという大径ホイールも、乗り心地でプラスには働いていないだろう。
圧倒的なパワー感と安楽な乗り心地
反面、圧倒的なパワー感と安楽な乗り心地という組み合わせで、筆者はベントレー的な雰囲気も感じた。少し予想外の印象だった。
アクセルペダルだけで発進から停止までを制御できる、ワンペダル・ドライブ・モードも選べる。アクセルペダルを離すと、強力な回生ブレーキが働く。渋滞時のように低速で発進と停止を繰り返す場面では、やや設定が過敏なようだ。
それ以外、惰性走行や回生ブレーキの効き、ブレーキペダルを踏んだときの減速感などは自然。車線維持支援システムも付く、パイロット・アシスト・クルーズコントロールは、渋滞時に非常に役立ってくれる。
このXC40 リチャージP8は、ボルボ最新のインフォテインメント・システムを搭載する。アンドロイド・ベースで、大きいモニターに美しいアイコンが並ぶ。アプリも豊富で、直感的な操作ができる。
量産前の試乗車では、グーグルの力を借りても、ナビゲーションはベストのシステムには及んでいないと感じた。ズームアウト時の地名表示や、細い線による道路表示などは、改善できそうだ。ボルボによれば、まだ完成版ではないという。今後に期待したい。
ブランド初となる純EVのXC40 リチャージP8は、現時点では技術的なフラッグシップにある。だたし、動的性能は自然な走りに求める以上に高く、価格も高い。
電動化を進めるボルボ。2025年までにボルボの販売台数の半数を、純EVにしたいと考えている。より安価で穏やかな仕様が登場すれば、多くの人に受け入れられるだろう。
ボルボXC40 リチャージP8 ファースト・エディション(欧州仕様)のスペック
価格:5万9985ポンド(803万円)
全長:4425mm
全幅:1851mm
全高:1652mm
最高速度:180km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.9秒
航続距離:400-418km
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:2188kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
バッテリー:78kWh
最高出力:407ps/4350-1万3900rpm(システム総合)
最大トルク:67.2kg-m/0-4350rpm(システム総合)
ギアボックス:-
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みんなのコメント
小型EVでも、日本では安全性やサイズ、扱いやすさからバカ売れするだろうね。
やれEVだ、やれ電動化だって何年も前からハッタリかましてたけど、結局後発やね。
今後はチャイナパワーで盛り返すんだろうけど。