現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【現役デザイナーの眼:日産ノート/オーラ】今後のトレンドは『小さな高級車』?

ここから本文です

【現役デザイナーの眼:日産ノート/オーラ】今後のトレンドは『小さな高級車』?

掲載 16
【現役デザイナーの眼:日産ノート/オーラ】今後のトレンドは『小さな高級車』?

現代フェイスデザインのトレンド

カーデザインは面白いもので、同時期に同じようなデザインのクルマが一斉に出たりします。

【画像】マイチェンのポイントはVモーションとグリル 画像はこちら 全13枚

これは、もちろん誰も似せようと思ってる訳では無いのですが、何かきっかけになるコンセプトカーなどの印象が、全世界のデザイナーに焼き付くんでしょう。

カーデザインのパターンは、実はそれほどありません。多くは今あるものの組み合わせでデザインされるんですね。そんな中フレッシュなデザインが出ると、日々新しいデザインを考えている私たちは「この手があったか!」と心に刻み込まれるのです。

さて、現代カーデザインのトレンドを牽引しているEVは、カーデザインに影響する特徴のひとつに『ラジエターのための開口部が無いこと』が挙げられます。いや、開口部は必要なのですが、エンジン車に比べてだいぶ小さくて済むのです。

その結果、グリルは要らなくなりました。グリルは車格感の象徴としてとても都合が良いものだったのですが、EVが急速に発展している現在、従来的なグリルに古い印象を持つ方が多くなりました。

しかしエンジン車は開口部が無いと成立しません。そんな中、生まれたデザインが『開口部のグラデーション』です。
これまでグリルとボディは明確に分けていたものですが、境界線を曖昧にすることでグリルの存在を和らげ、ボディ全体の塊感で見せようとする手法です。これが顔まわりのトレンドのひとつになっています。外国車ではプジョー、日本車ではレクサスが積極的に取り入れていますね。

表現はやや異なりますが『デジタルVモーション』も、それらの発展系だと感じます。

多くの制約がある、マイナーチェンジの難しさ

ノート、オーラのヘッドランプは共に、マイナーチェンジ前と同形状の様です。

マイナーチェンジ開発の際、社内では前モデルに対して『変化感』を求められるものですが、その為にはまずヘッドランプを変えることが一番簡単なんですね。しかし、ご想像の通りヘッドランプの変更は、ものすごくコストがかかるんですよ。

バンパーとグリルのみの変更で、『デジタルVモーション』を表現しないといけないというのは中々難しそうです。でもノートは、元々ヘッドランプの形状がシンプルだったので、その点は違和感なくまとまっていますね。ヘッドライトと、その下2本のシルバーパーツでデジタルVモーションを表現しています。

近くで見るとややぶっきらぼうについているように見えるシルバーのパーツが、遠目で見るとグラデーションに見えます。ただお客さんがショールームで見る際は距離が取れないので、もしかしたら理解が難しいかもしれません。

それに対しオーラの方は、元々ヘッドランプにVモーションのシグネチャーランプがついているので、ヘッドライトの外形自体がかなり複雑な形状をしています。こちらのデザインはハードルがとても高かったのではないかと思います。

私が注目した点は、スポーティ志向から、高級志向へ表現が変わったという事です。

元々薄いヘッドランプを生かし、下のボディ色部分との対比でとてもスポーティに見せていました。そこが今回、ボディ色と黒色部のバランスが大きく変わったので、マイナーチェンジ前に比べて顔が高く、大きくなったと感じます。

『デジタルVモーション的高級感』とは?

私は『小さな高級車』という概念が、今後のトレンドになるのではないかと思っています。日本国内では原材料の高騰や最近の円安などの多くの要因で自動車の価格が上昇していますが、その価格に見合う付加価値を示さないといけないからです。同じクオリティのものを高い価格で販売しても、ユーザーは戸惑いますからね。

また、ダウンサイジングの意識もこれまで以上に芽生えてくるのではないでしょうか。高齢化社会に進む日本においては、従来の高級車から乗り換えるに相応しい車がより必要になると感じています。その点、レクサスLBXはやはり上手いところを突いたなと思いました。

2021年にモデルチェンジしたノートは、そんな時代を意識してか、先代のやや丸くボリューム感あるイメージのデザインからシャープで質感の高いデザインに大きく変わりました。さらに派生車であるオーラは、全幅が40mm拡張されてしっかりしたスタンスが感じられるプロポーションになり、まさに『小さな高級車』と言ってよい優れたデザインのクルマです。

マイナーチェンジされたオーラの高級志向は、方向性としてこれからのニーズに合っていると思いますが、もう少し明快に価値を伝えても良いかなとも思いました。

ヘッドライトを変えなかった事でメッセージが曖昧になってしまった印象を受けてしまいますが、この辺りがやはりマイナーチェンジの難しさですね。

先日北米で発表された新型ムラーノを見て、本来やりたかった『デジタルVモーション的高級感』はこのようなクールなものだったのではないか、と感じた次第です。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産「スカイライン」まさかのスポーツSUV化! めちゃ“豪華内装”採用したパワフルすぎる「大型SUV」がスゴい! 3.7リッター“V型6気筒エンジン”搭載の「クロスオーバー」とは
日産「スカイライン」まさかのスポーツSUV化! めちゃ“豪華内装”採用したパワフルすぎる「大型SUV」がスゴい! 3.7リッター“V型6気筒エンジン”搭載の「クロスオーバー」とは
くるまのニュース
もう待ってられん! 日産よ! 日本には[ブルーバード]復活が必要だ!
もう待ってられん! 日産よ! 日本には[ブルーバード]復活が必要だ!
ベストカーWeb
【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編
【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編
AUTOCAR JAPAN
日産が新型「3列シートSUV」発表! 約2000万円の「超高級モデル」は“めちゃ豪華内装”がスゴい! 全長5.4m×全幅2.2m級の「ワイドボディ」採用しドバイで発表!
日産が新型「3列シートSUV」発表! 約2000万円の「超高級モデル」は“めちゃ豪華内装”がスゴい! 全長5.4m×全幅2.2m級の「ワイドボディ」採用しドバイで発表!
くるまのニュース
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響多数! 日産の「旧車デザイン」+4.1リッター「V6」採用で「めちゃ欲しい」の声! 1000馬力超えの「Artisan GT-R」が話題に
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響多数! 日産の「旧車デザイン」+4.1リッター「V6」採用で「めちゃ欲しい」の声! 1000馬力超えの「Artisan GT-R」が話題に
くるまのニュース
【過酷なラリーへ水素で】業界の垣根を超えた仲間づくりを HySE-X2で「ダカール2025」2回目の参戦へ
【過酷なラリーへ水素で】業界の垣根を超えた仲間づくりを HySE-X2で「ダカール2025」2回目の参戦へ
AUTOCAR JAPAN
ジャガーが次世代モデル、12月2日発表へ 新時代の到来 電動「4ドアGT」コンセプトか
ジャガーが次世代モデル、12月2日発表へ 新時代の到来 電動「4ドアGT」コンセプトか
AUTOCAR JAPAN
SUVの「フォード・マスタング」と「ヒョンデ・ツーソン」となぜか似てる見た目の2台が北米で人気! 売れる秘密はデザインにあり!?
SUVの「フォード・マスタング」と「ヒョンデ・ツーソン」となぜか似てる見た目の2台が北米で人気! 売れる秘密はデザインにあり!?
WEB CARTOP
「100万円のトヨタ・センチュリー」は買いか? 憧れる「日本最高峰セダン」 手が届く価格なら検討価値アリ? 中古車販売店に聞いてみた
「100万円のトヨタ・センチュリー」は買いか? 憧れる「日本最高峰セダン」 手が届く価格なら検討価値アリ? 中古車販売店に聞いてみた
くるまのニュース
スズキ新型「クーペSUV」登場! 全長4m以下の「小さな高級車」! “777”テールライトもカッコイイ「フロンクス」使ってみた印象は?
スズキ新型「クーペSUV」登場! 全長4m以下の「小さな高級車」! “777”テールライトもカッコイイ「フロンクス」使ってみた印象は?
くるまのニュース
アルファードより巨大!! ベンツRクラスが未だ700万超えの衝撃
アルファードより巨大!! ベンツRクラスが未だ700万超えの衝撃
ベストカーWeb
【現役デザイナーの眼:ホンダNボックス・ジョイ】宗一郎イズムとマッチしたデザイン
【現役デザイナーの眼:ホンダNボックス・ジョイ】宗一郎イズムとマッチしたデザイン
AUTOCAR JAPAN
【インド国内で累計270万台以上販売】スズキ・ディザイア コンパクトセダンに新型が登場
【インド国内で累計270万台以上販売】スズキ・ディザイア コンパクトセダンに新型が登場
AUTOCAR JAPAN
アウディが新ブランド「AUDI」立ち上げ 中国向けEV専門 先進的なステーションワゴン、2025年発売へ
アウディが新ブランド「AUDI」立ち上げ 中国向けEV専門 先進的なステーションワゴン、2025年発売へ
AUTOCAR JAPAN
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」 13年ぶりに車名復活の“最上級クーペSUV”! 「大排気量V6」&“ワゴンボディ”から進化したド迫力顔の「アヴァンシア」に注目!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」 13年ぶりに車名復活の“最上級クーペSUV”! 「大排気量V6」&“ワゴンボディ”から進化したド迫力顔の「アヴァンシア」に注目!
くるまのニュース
ホンダ“新型”「S2000」いつ出る!? めちゃ“スゴイ”俊足モデルへ「大変身」? 期待したい「オープン」スポーツカーの姿とは
ホンダ“新型”「S2000」いつ出る!? めちゃ“スゴイ”俊足モデルへ「大変身」? 期待したい「オープン」スポーツカーの姿とは
くるまのニュース
「物言う株主」に狙い撃ちされた日産自動車、旧村上ファンド系も大株主に浮上か[新聞ウォッチ]
「物言う株主」に狙い撃ちされた日産自動車、旧村上ファンド系も大株主に浮上か[新聞ウォッチ]
レスポンス
ホンダ新型「小さな高級車」初公開! 全長3.9m級ボディ&迫力顔の「セダン」! MTもアリそうな「3代目アメイズ」6年ぶり全面刷新で印国に登場へ
ホンダ新型「小さな高級車」初公開! 全長3.9m級ボディ&迫力顔の「セダン」! MTもアリそうな「3代目アメイズ」6年ぶり全面刷新で印国に登場へ
くるまのニュース

みんなのコメント

16件
  • ハンセン
    日産は、高級って意味知ってるの?
  • eag********
    まさかフロントグリルの話「だけ」とは思わんかった。
    デジタルVモーション?しらんがな。そんなもんと「高級」に、なんの関係があるの??
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

144.8268.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0335.0万円

中古車を検索
ノートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

144.8268.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0335.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村