同じプラットフォームでも用途に合わせてヒップポイントは変わる
運転者の着座位置は、ヒップポイント(着座した際の尻の位置)で表されることが多い。ヒップポイントの地面からの高さが、視界を含めた運転のしやすさや、クルマへの乗り降りのしやすさにも関わる。
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ヒップポイントは、スポーツカーのような走行性能を重視する車種ではより低く、車両だけでなく人が乗った際にも重心を低く保つように配慮されている。たとえば、マツダのロードスターの場合、ヒップポイントを下げるために座席の構造を変更し、前型に比べ現行車は2cmもヒップポイントを低くした。スポーツカーでは軽量化も重要で、ロードスターはグラム単位で各部位の軽量化を行ったことで知られるが、低重心のための努力もあらゆる視点から行われている。
一方、SUV(スポーツ多目的車)などでは、路面と床との隙間(最低地上高)を確保するため必然的に車高は高くなり、同時に、前方視界をより遠くまで見通しやすくするため、座席を高くしてヒップポイントが高めになる傾向にある。
たとえば、プリウスの運転席のヒップポイントは約515mmであり、C-HRは約610~630mm(FFと4WDで違いがある)である。またそれぞれ、シートリフターの操作によって、60mmのヒップポイントの上げ下げが可能だ。
プリウスとC-HRはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ばれるプラットフォームを基本としており、床構造は基本的に同じといえる。しかし、車種の目的によってヒップポイントが違ってくるのである。
車両の床下はさまざまなパーツを収めるためにこだわっている
近年は車種が違っても基本となるプラットフォームは共通性を持つ場合が多く、高いヒップポイントは座席をかさ上げすればできるが、低くしたい場合にはプラットフォームの構造自体が関りを持つ。
クルマの土台となるプラットフォームは、年を追うごとに厳しさの増す衝突安全向上のため、前のバンパーから後ろのバンパーまで、ひとつの骨格が貫き通す構造をとるようになっている。一方、座席位置を下げたければ骨格部分が邪魔になる場合もある。衝突の衝撃をいかに無駄なく吸収・分散しながら、骨格の隙間に座席を低く設置できるか、しかも、エンジンの排出ガスの通り道である配管や、排出ガス浄化のための触媒を置く場所も考慮しなければならない。普段は目にすることのできないクルマの床下は、そのようないろいろな要求をいかに満たすか、工夫の塊でもある。
ロードスターの例にもあるように、快適な弾力や確かな体の支持を行いながら、いかに座席を薄く作るかもヒップポイントに関わってくる。さらには、その座席の前後スライドを実現するシートレールの配置もうまく行わなければ、レール分のかさ上げにつながってしまう。またシートレールとプラットフォームの骨格との接合をしっかり行うことが、座席の固定に関わり、それによって走行中の手ごたえも変わってくる。
理想的なヒップポイントを目指そうとしても、車体構造やさまざまな部品の配置などを総合して、最終的にヒップポイントの高さが定まることになる。
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みんなのコメント
少なくともシート座面高さが最低地上高より低くならないことは知っている