愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第47回。後編では、俳優の紺野美沙子さんが、現在の愛車などについて語った!
赤い190Eへ
前編で記したように、紺野美沙子さんの2台目の愛車は1986年にヤナセで購入したフォルクスワーゲン・サンタナだった。
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「サンタナが車検を迎えたときに、ディーラーの方から、万が一の事故に備えて安心、安全のベンツを薦められたんですね。それまでは『ベンツなんてとてもとても……』と、思っていたのですが、重役の人が乗るのとは違う、若い人がカジュアルに乗れるタイプがあるとうかがって、だったら私にも合っているかも、と感じました。それが『190E』で、色は赤でした。いまなら赤いクルマは選ばないのでしょうが、当時はイケイケだったのかもしれません(笑)。この色じゃお葬式には乗っていけないな、と、思ったことを覚えています」
82年、それまで中大型の高級車しか生産してこなかったメルセデス・ベンツが、はじめて小型車市場に参入した。それが190Eで、マニアの間では“W201”という開発コードで呼ばれることもある。小型車といってもフォルクスワーゲンなら「パサート」、BMWなら「3シリーズ」にあたるDセグメントだから、そこまでコンパクトというわけではない。けれども、メルセデスにとっては新たなセグメントへのチャレンジだった。
デザインを手がけたのはイタリア生まれのブルーノ・サッコ。70年代から90年代の終りまで、長きにわたってメルセデス・ベンツのスタイリングを主導した名デザイナーだ。
「いざ乗ってみると、発車するときの加速が穏やかで、ゆっくりスタートするのが私に合っているな、と、感じました」
190Eのオートマチックトランスミッションは2速発進の設定だったので、それが紺野さんには好ましく感じたのだろう。
「サイズもコンパクトで乗りやすいし、ベンツを避けていたけれど実際に乗ってみると意外にフィーリングが合うという印象を持ちました。それで190Eのあとは、何台か『Cクラス』に乗りました。白に乗って、メタリックにも乗ったから、190Eも数えると3台に乗ったことになりますね」
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「結婚した当初、夫は日産の『テラノ』に乗っていて、その後、中古の『レンジローバー』を手に入れました。ああいう、背の高い四駆のクルマが好きみたいですね。しばらくは私のCクラスと2台が家にあったんですが、でもあるとき、クルマが家に2台あるのも不経済じゃないか? という話になったんです。1台にするなら少し大きいほうがいいだろう、ということで、ベンツの『Mクラス』1台で生活するようになりました」
メルセデス・ベンツのMクラスは、1997年に初代モデルがデビュー。2005年に第2世代、2011年に第3世代へと移行し、第3世代がマイナーチェンジ受けた2015年より、GLEに名称を変更している。
ちなみに、第3世代のMクラスは、ダイムラー・クライスラー時代に企画されたため、ジープの「グランドチェロキー」(WK2 型)をプラットフォームなどの一部を共用している。一部のクルマ好きの間では、“メルセデスの息がかかったグラチェロ”の人気が高いという。
紺野さんの話に戻ろう。
「Mクラスとは長い付き合いで、15年ほどの間に2台を乗り継ぎました。最初はシートの位置が高くて運転できるか不安で、慣れるまでは大きさにも苦労しましたが、いざ乗ってみると運転しやすくて、とてもいいクルマでした。あと、いままでに乗っていたクルマよりも、はるかに豪華だと感じましたね(笑)」
その後、紺野さんのパートナーは公募で選ばれ、2020年に富山県氷見市の副市長に就任した。現在は、紺野さんも1年の3分の1を氷見で暮らしているという。
「Mクラスは氷見には連れて行かないことになって、道路事情や積雪を考えて、スズキの『ジムニー・シエラ』を選びました。それがいまの愛車で、うちのジムニーはベージュです。生産が追いつかないということで、納車まで1年以上は待ちましたね」
現行ジムニー・シエラは2018年に登場した。シエラが1.5リッターエンジンを搭載するのに対し、標準のジムニーは0.66リッターエンジン搭載の軽四輪駆動車だ。ちなみに、ジムニーシエラは、77年に発売された0.8リッターのジムニー8を原点とする。
「いざ乗ってみたら、コンパクトで軽快、乗りやすいし、人気の理由がわかったような気がしました。そんなにガンガンスピードが出るクルマではないけれど、雪が積もった山道でも安全に走ってくれる、頼もしい存在です」
前編に紹介したように、紺野さんの最初と2番目の愛車は、飾りっ気のないトヨタ・カムリとフォルクスワーゲン・サンタナだった。
今ふたたび、機能優先で質実剛健なジムニー・シエラに乗っているというのが、一周して戻ってきたようでおもしろい。
やはりクルマ選びは、人柄をあらわすのだ。
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紺野美沙子(こんのみさこ)1980年、慶應義塾大学在学中にNHK連続テレビ小説「虹を織る」のヒロイン役で人気を博す。「武田信玄」「あすか」など多数のドラマに出演。舞台「細雪」(原作:谷崎潤一郎)では三女・雪子役を好演。1998年、国連開発計画親善大使の任命を受け、カンボジア・パレスチナ他、アジア・アフリカの各国を視察するなど、国際協力の分野でも活動中。2010年秋から「紺野美沙子の朗読座」を主宰。2024年11月、浜離宮朝日ホールにて『源氏物語』を上演予定。NHKエフエム「音楽遊覧飛行」案内役を担当。元祖スー女としても知られ横綱審議委員である。
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文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・金田恵理子 スタイリング・石田純子 編集・稲垣邦康(GQ)
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