復活するトヨタ「クラウン・エステート」の特徴に迫る。いまや希少な和製ステーションワゴンはSUVと融合した新感覚の1台だった!
荷室の広さに注目!
東京・港区の「六本木ヒルズ」で開催されたイベント「CROWN STYLE PARK」の会場に、4つのスタイルのクラウンが勢ぞろいした。そのなかで、もっとも注目を集めていたのはクラウン・エステートだったかもしれない。展示車両の周辺は来訪者が途切れることがなく、熱心にインテリアや荷室の広さを確認する姿からはクラウン・エステートへの関心の高さがうかがわれた。
2022年に先陣を切ってデリバリーされたクラウン・クロスオーバーがセダンとSUVの融合というコンセプトだったのに対して、クラウン・エステートはステーションワゴンとSUVの融合がコンセプトとなる。
清水竜太郎チーフエンジニアによれば、室内長は最大で2.0mを超えるとのこと。サーフボードやMTBを積み込めるのはもちろん、フルフラットになるから車中泊にも余裕を持って対応するという。
シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)の頭を連想させる、「ハンマーヘッド」と呼ぶ薄くてワイドなフロントマスクは、ほかの3スタイルと共通するけれど、ハンマーヘッドの下に位置するフロントグリルが、クラウン・エステートは独特だ。ハニカム状で、メタリックな印象を与える。
4つのスタイルのデザインを統括したトヨタの宮崎満則によれば、自然の中に入っていくことと都市での暮らしの共生がテーマだったとのこと。
なるほど、SUVらしいオーガニックな雰囲気と、シャープでソリッドな街っぽい雰囲気がうまく組み合わされている。
ディメンションを見ると全長×全幅×全高が4930×1880×1620mmで、ホイールベースが2850mm。ホイールベースと全長はクラウン・クロスオーバーと共通だけれど、クロスオーバーに比べると80mm背が高い。
目を惹くのが21インチ・タイヤの力強さで、これがカッコいい。オシャレは足元からだ。
パワートレインはハイブリッドとプラグインハイブリッドの2種類で、駆動方式はいずれも4WD。
2022年に16代目クラウンのワールドプレミアが行われたときに、クラウン・エステートは「ランドクルーザー」とカブってしまうのではないかと思った。けれどもそれは杞憂だったようで、ランクルがわんぱくでもいい、たくましく育ってほしいというキャラであるのに対して、クラウン・エステートはスタイリッシュで洗練されている。ランクルが自分で釣った魚を焼くワイルドなキャンプだとすれば、クラウン・エステートはソムリエがワインのペアリングを提案してくれるグランピング、というか。
2023年中には正式発表され販売が始まるとのことで、ランクルの250シリーズに続いて、こちらも人気が爆発しそうだ。参考までに、ランクルの250シリーズとサイズを比べると、全長とホイールベースはほぼおなじだけれど、クラウン・エステートのほうが250mmほど車高は低い。
この全高の違いはキャラの違いでもあるから、やはり両者がカニバることはないと想像する。
文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
本来はパワーと比例して大型の強力なブレーキを採用する。その際にアルミもサイズアップしてしまうのが大型化の理由なんですけど、トヨタはいつも通り見た目重視。
細いタイヤと小さなブレーキに不釣り合いなサイズは、幼稚なカスタムを施すオーナーがこぞってやる行為。
それをまさかメーカー自身が採用するなんて
落ちたものだな。