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アルファロメオのコンパクトSUVは痛快だ!──新型トナーレ試乗記

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アルファロメオのコンパクトSUVは痛快だ!──新型トナーレ試乗記

アルファロメオ初のコンパクトSUV「トナーレ」が、ついに日本上陸! 最速試乗レポートを綴る。

徹底的に”アルファロメオらしさ”を!

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元気がよくて、使いやすいサイズのSUVが欲しい……そんな人には、アルファロメオの新型コンパクトSUV「トナーレ」がいい。マイルドハイブリッドで、軽快に走る。

2023年2月18日に発売される日本仕様のトナーレは、全長4530mmの、比較的扱いやすいサイズ。それでいて、ホイールべースは2635mmもある。

4つの車輪がボディ四隅に配されて、力強くふんばっているイメージだけでなく、機能的にも広々とした後席空間を生んでいる。4ライトといって、リアクオーターに明かり採りをもたないスタイルが特徴だ。そこはスポーティなクルマづくりを旨とするアルファロメオならではだ。

エンジンは、1468cc直列4気筒ガソリンターボに、48ボルトのマイルドハイブリッドシステムを組み合せる。ベルトドリブンスタータージェネレーターが発進時などにトルクを積み増すのだ。

エンジン単体の最高出力は117kW(160ps)で、最大トルクは240Nm。じっさい乗ると、モーターのアシストもあって発進加速も、高速などでの中間加速も、なかなか力強い。

内燃機関搭載のアルファロメオ車に、ファンが期待するのは、やっぱり、操縦しての楽しさだろう。

トナーレは、けっこう締め上げた足まわりに、クイックなステアリング・システム、それに気持ちよく吹け上がるエンジンを持つ。つまり、ファンの期待をかなり満足させてくれるはずだ。

スタイリングが近いアルファロメオ「ステルヴィオ」(全長ではトナーレより160mm長い4690mm)は、どちらかというと、おとなっぽい乗り味だけれど、トナーレのほうが軽快感が強い。

乗りはじめは、けっこう路面からの突き上げくらうなあ、と思うのだけれど、すぐ慣れて、楽しくなってくる。

「d.n.a」と名づけられたドライブモードセレクターは、2009年の「ミト」以来、今回も継続的に採用。

d はスポーティな「ダイナミック」、 nは市街地走行用の「ノーマル」、aは滑りやすい状況下での安定性を追求した「オールウェザー」。

トナーレでは、「n」モードが快適で悪くないのだが、バッと加速したいときなど、やっぱり「d」がいい。

どうせスポーティなアルファロメオ車に乗るんだったら、「d」にいれっぱなしだっていいじゃない、なんて思ったりした。

軽くアクセルペダルを踏み込んだけで、前輪が力強く車体を引っ張ってくれる。1500rpmあたりでもけっこうトルク感があるけれど、2000rpmを超えて上の回転域までエンジンをまわすと、たいへん気持ちがよい。

加速感とともに、エンジンルームからの高めの機械音と、乾いた排気音が聞こえてくる。欧州の騒音規制にしたがって、かつてのように派手な音はないものの、それでも、心地よいサウンドだ。これもアルファロメオが好きで買ったひとの心をくすぐる。

ステアリングホイールは「13.6対1というクラストップ」のクイックなギア比とアルファロメオが謳うだけあって、ちょっと動かすとぱっと車体が動くスポーティな雰囲気を味わえた。

アルファロメオは最近まで「4C」というミドエンジンのピュアスポーツカーを手がけていた。あのクルマのダイレクトな操舵感覚を思い出した。

どうせエンジン車に乗るなら、しかもアルファロメオを選ぶなら、徹底的に”アルファロメオらしさ”を体験させてやろう、と開発陣が考えた結果の味つけだろうか。

作っているひとと、クルマを介して、ある種の対話をしているように思えてくる。アルファロメオは”わかっている”のだ。

快適&安全装備は豊富で、燃費も良しアルファロメオファンの心をくすぐる小技も効いている。

フル液晶の回転計と速度計の文字(数字)のレイアウトが、1950年代から1960年代初頭にかけて作られた、「ジュリエッタ」と「ジュリア」を思い出させるのだ。書体もちょっと似ている。

ちなみにメーターは、速度計と回転計のあいだにナビゲーションシステムの地図を表示できるタイプだ。

シートはそんなに大きなサイドサポートはないけれど、からだをしっかり支えてくれる。今回の「エディツィオーネ・スペチアーレ」は黒のフルレザー仕様。「TI」はファブリックだが、それもよさそう。

ダッシュボードには10.25インチのインフォテイメントシステム用モニターがそなわる。

360度カメラ、前後のパーキングセンサー(障害物に近づくと警報音がなる)、衝突被害軽減ブレーキ、渋滞時のアシスト付きアダプティブクルーズコントロールなど、安全と運転支援システムは充実。

燃費は、リッターあたり16.7km(WLTCモード)と、悪くない。先述したとおり、後席もかなり広く、家族で遠出もできるSUVだ。

ただし、運転席のひとがもっともいい思いができるクルマ、といえるのだけれど。そこがアルファロメオっぽいではないか。

価格は、ベースとなる「TI」が524万円で、今回試乗した20インチホイール装着の「エディツィオーネ・スペチアーレ」が578万円。

ライバルはBMWだと、ややコンパクトな「X2」(全長4375mm)がある。1.5リッターガソリン前輪駆動「sDrive18i」は518万円、と2.0リッターディーゼル4WD「xDrive 20d」は574万円だ。メルセデス・ベンツでは、全長4425mmのボディに、1.4リッターガソリンか2リッターディーゼルの「GLA」(532万円~)がある。いずれも価格帯はトナーレに近い。

メルセデス・ベンツGLAは、リアウインドウが強めの角度で寝かされているものの、リアクオーターに明かり採りを持ち、やや実用性重視にイメージを振っている。躍動感のあるトナーレのデザインとは異なる。

装備レベルは高いし、デザインも走りも良し。メルセデスやBMWのコンパクトSUVを検討している人はアルファロメオも候補にいれてみると良いかもしれない。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

3件
  • こんな選択肢があっても良いとは思うけど、またSUVかと正直なところ思う。
    音や走りの車は環境対策規制の兼ね合いもあって出せないだろうから厳しいとは思うけど。
  • イタリアのCX-3
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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