現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 黒い噂呼ぶレッドブル“車高調”デバイス、FIA調査終了で万事解決……にはならない? メルセデスF1「けしからん」と疑いの目

ここから本文です

黒い噂呼ぶレッドブル“車高調”デバイス、FIA調査終了で万事解決……にはならない? メルセデスF1「けしからん」と疑いの目

掲載 1
黒い噂呼ぶレッドブル“車高調”デバイス、FIA調査終了で万事解決……にはならない? メルセデスF1「けしからん」と疑いの目

 メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、レッドブルのフロントビブ(フロア前端部のTトレイ)の高さを外部に見えないように調節し車高を変更できるデバイスについて「けしからん」と非難。FIAによるさらなる調査が行なわれる可能性を示唆した。

 アメリカGPでは、FIAがレッドブルのRB20に搭載されている車高調整デバイスへの監視を強化していることが明らかになり、パドックでは技術的な不正が行なわれていたのではないかと疑惑の目が向けられた。

■レッドブルの不正疑惑はライバルの”被害妄想”? ホーナー代表「がっかりさせて申し訳ないけどね!」

 この車高調整デバイスの存在自体は認められているものの、注目を集めたのはレッドブルがパルクフェルメ下で調整を行なっていたのか? ということ。仮にチームがそうしていればレギュレーション違反だ。

 そのため、FIAはアメリカGPで調査を実施。予選と決勝の間でデバイスに変更が加えられないよう封印をした。さらにレッドブルは、今シーズン後半に向けてデバイス自体に修正を加えると見られている。

 FIAのシングルシーター担当主任を務めるニコラス・トンバジスは、レッドブルが過去にこの車高調整デバイスを不当に使用した形跡はないとしており、問題は解決したとして調査終了を宣言した。しかし、それがこの一見が終わるとは限らない。

 過去にレッドブルと激しいタイトル争いを繰り広げたメルセデスのウルフ代表は、モハメド・ベン・スレイエム会長らFIA幹部がさらなる調査を推し進めるよう圧力をかける可能性をほのめかしつつ、レッドブルの車高調整デバイスを取り巻く状況が容認できるモノではないとの考えを示した。

 レッドブルの車高調整デバイスについて、ウルフ代表は次のように語った。

「私が見たモノ、聞いたモノからの意見では、あれはけしからんことだ」

 ウルフ代表は、そう考える理由について、レッドブルがフリー走行セッションで車高を調整するためだけに、このような複雑な装置を取り付けるとは非常に疑わしいと語った。

「我々はみんな、F1基準のパーツを設計し、レギュレーションの範囲内で最高の仕様に仕上げていると思う」とウルフ代表は言う。

「エアロの柔軟性みたいなモノに関しては、できる限りのことをしようとすることもあるだろう。しかし、それ以外にも全体的なことや、なぜそれが存在するのか疑問に思うようなパーツもある」

 そしてウルフ代表はこうも続けた。

「なぜこういうモノを設計し、色々と変えたいと考えているかのように、ふたつのポジションにふたつのマークをつけるのだろうか? それがF1における正確な意思決定なのだろうか?」

“バッグス・バニー”ツール

 ウルフ代表はまた、レッドブルがFIAに対して車高調整デバイスに変更を加えるために使用したとして提示したツールが“見せかけ”だったと示唆。もっと単純な方法でセッティングすることができると考えている。

「本物のほうき(のようなツール)をマシンに入れて、それがセッティング変更するための唯一の手段だと証明したのは、本当に良かったね! あれを作って、あそこに突っ込むまでにどれだけの時間がかかったんだろうね?」とウルフ代表は言う。

 あるライバルチームは、レッドブルがFIAに提示した長さ60cmのソケットが、F1で考えられる洗練さから考えると、カートゥーンアニメのようなツールに見えたことから、『ルーニー・テューンズ』に登場するバッグス・バニーと呼称。ウルフ代表もそれに賛同した。

「F1でバッグス・バニーのような装置を使っているとは知らなかったよ。これでおしまいと言って、もう二度とやらないと誓うとだけでは十分じゃない」

 アメリカGPでトンバジスは、レッドブルの車高調整デバイスをめぐる一件が解決したと考えている。しかしウルフ代表は、これで終わりだとは考えていない。

「私はFIAを代弁することはできないし、ニコラスの代わりに話すこともできない」とウルフ代表は前置きした上で、こう語った。

「見ての通り、これは長いこと確認されていたモノではない。しかしFIAの指導者たちはあれを見て『我々はこれをどうする?』と言うことになると思う」

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

レッドブル車高調整デバイス”不正疑惑”の現状。FIAは各チームのマシンをチェックも、マクラーレンは正式調査求める
レッドブル車高調整デバイス”不正疑惑”の現状。FIAは各チームのマシンをチェックも、マクラーレンは正式調査求める
motorsport.com 日本版
ラッセル&ハミルトンが直面したアクシデント、アップデートのせいじゃない? ウルフ代表「問題があるとは考えていない」
ラッセル&ハミルトンが直面したアクシデント、アップデートのせいじゃない? ウルフ代表「問題があるとは考えていない」
motorsport.com 日本版
マクラーレン、ノリスのペナルティに不満も異議申し立てはしない?「スチュワードとは解釈が正反対だけどさ……」
マクラーレン、ノリスのペナルティに不満も異議申し立てはしない?「スチュワードとは解釈が正反対だけどさ……」
motorsport.com 日本版
マクラーレン、レッドブルの車高調整デバイス”捜査終了”に「それを受け入れて、前に進むだけ」
マクラーレン、レッドブルの車高調整デバイス”捜査終了”に「それを受け入れて、前に進むだけ」
motorsport.com 日本版
FIA、レッドブル“車高調デバイス”の捜査終了を宣言。不正疑惑浮上で徹底調査求める声も「伝聞や憶測ではなく根拠が必要」
FIA、レッドブル“車高調デバイス”の捜査終了を宣言。不正疑惑浮上で徹底調査求める声も「伝聞や憶測ではなく根拠が必要」
motorsport.com 日本版
レッドブルのドライバー、渦中の車高調整デバイス”悪用”を否定。フェルスタッペン「ただのアジャスト用だよ」
レッドブルのドライバー、渦中の車高調整デバイス”悪用”を否定。フェルスタッペン「ただのアジャスト用だよ」
motorsport.com 日本版
ピアストリ、疑惑レッドブルの車高調デバイスに「もし使っていたらグレーゾーン踏み越えている」
ピアストリ、疑惑レッドブルの車高調デバイスに「もし使っていたらグレーゾーン踏み越えている」
motorsport.com 日本版
疑惑の車高調整システム、レッドブルが存在を認める。ただ、レギュレーション違反はしていないと主張
疑惑の車高調整システム、レッドブルが存在を認める。ただ、レギュレーション違反はしていないと主張
motorsport.com 日本版
レッドブルの不正疑惑はライバルの”被害妄想”? ホーナー代表「がっかりさせて申し訳ないけどね!」
レッドブルの不正疑惑はライバルの”被害妄想”? ホーナー代表「がっかりさせて申し訳ないけどね!」
motorsport.com 日本版
進撃のフェラーリ……もはやバウンシングの問題は解決。ルクレール「諦めない。僕たちはタイトルを目指すためにここにいる」
進撃のフェラーリ……もはやバウンシングの問題は解決。ルクレール「諦めない。僕たちはタイトルを目指すためにここにいる」
motorsport.com 日本版
レッドブル代表とマクラーレンCEOの対立、フェルスタッペン興味なし「MotoGPでも見てるよ」
レッドブル代表とマクラーレンCEOの対立、フェルスタッペン興味なし「MotoGPでも見てるよ」
motorsport.com 日本版
「人形みたいなドライビングをしていなければ……」ノリス、アメリカGP1周目の攻防に後悔
「人形みたいなドライビングをしていなければ……」ノリス、アメリカGP1周目の攻防に後悔
motorsport.com 日本版
【MotoGP】ベッツェッキ、オーストラリアGPクラッシュ後のビニャーレスの行動に不満「僕なら相手の心配する」
【MotoGP】ベッツェッキ、オーストラリアGPクラッシュ後のビニャーレスの行動に不満「僕なら相手の心配する」
motorsport.com 日本版
ポルシェが耐久ラインアップ刷新。WEC王座目前のロッテラー、古株のマコヴィッキィらがファクトリーチームを離脱へ
ポルシェが耐久ラインアップ刷新。WEC王座目前のロッテラー、古株のマコヴィッキィらがファクトリーチームを離脱へ
motorsport.com 日本版
ニューウェイ加入と4社協力協定についてHRC渡辺社長に訊く「アストンマーティン・ホンダというチームが世界一になることを期待」
ニューウェイ加入と4社協力協定についてHRC渡辺社長に訊く「アストンマーティン・ホンダというチームが世界一になることを期待」
motorsport.com 日本版
F1分析|あぁ、F1のタイヤ選択は実に難しい……ハードタイヤでのスタートが軒並み大正解だった怪
F1分析|あぁ、F1のタイヤ選択は実に難しい……ハードタイヤでのスタートが軒並み大正解だった怪
motorsport.com 日本版
ウイリアムズ代表、代役起用コラピントは来季F1シートを掴むに相応しい「たとえ我々のライバルになろうとも……」
ウイリアムズ代表、代役起用コラピントは来季F1シートを掴むに相応しい「たとえ我々のライバルになろうとも……」
motorsport.com 日本版
苦しんだ日々を経て、復活のシーズンを送るジュリアーノ・アレジ。躍進の要因を聞く「実はシンプルなことなんだ」
苦しんだ日々を経て、復活のシーズンを送るジュリアーノ・アレジ。躍進の要因を聞く「実はシンプルなことなんだ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • wat********
    ドライバーズ&コンストラクターポイントを
    レッドブルは ビブの高さ調整を、簡単に調整出来る事で 疑惑を払拭出来ないため
    疑わしきは罰せず より重い、-100ポイント
    マクラーレンは カーボンウィングの、走行負荷による破損を 防ぐ目的の歪みを利用し、可変リアウィングのミニDRSを使用し 勝利した事で、-100ポイントを 共に償わせるべき
    しかしエンタメ的に マクラーレンは-50にして、フェラーリとの三つ巴に持ち込ませると 面白いw

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村