現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ラグジュアリーセダンの有力な選択肢となるメルセデス・ベンツのEVサルーン「EQS 450+」の魅力

ここから本文です

ラグジュアリーセダンの有力な選択肢となるメルセデス・ベンツのEVサルーン「EQS 450+」の魅力

掲載 6
ラグジュアリーセダンの有力な選択肢となるメルセデス・ベンツのEVサルーン「EQS 450+」の魅力

「EQS」はメルセデス・ベンツが2022年9月に発売したピュアEV。メルセデスのEVとしては初のラグジュアリーセダンとなる。ボディーサイズは全長5225mm、全幅1925mm、全高1520mmなので、現行のエンジン付き「Sクラス」よりやや大きめ。ただし、ホイールベースは「Sクラス」よりも100mm以上長い(全長は+45mm)。プラットフォームはEV専用に開発された。スタイリングもエンジン車とは大きく変わっている。フロントからリアまで大きな弧を描いたようなラインが特徴だ。

「EQS」は世界初のラグジュアリーEVサルーンと言ってよいだろう。これまでもラグジュアリーなEVサルーンを名乗っているモデルはあった。「テスラS」、ポルシェ「タイカン」、アウディ「e-tron GT」がそうだ。しかし、どれもが空気抵抗を意識して全高を1500mm以下に抑えていた。ところがこの「EQS」の全高1525mm(「Sクラス」も1505mm)を確保している。なのに、空気抵抗は0.20と、これまでのメルセデスの各セダンの0.22(「Sクラス」「Aクラス」)を上回っているのだ。

2021年に交通死亡事故で亡くなった人で最も多かったのは「歩行者」



「EQS」はラグジュアリークラスなのに、リアにテールゲートを備えている。「EQE」はトランクリッド方式の3BOXだが、「EQS」はゲート付きだ。そもそも高級車と言われるクルマは、客室と荷物室が分かれている3BOXが一般的なのだが、「EQS」はなぜかテールゲートを採用しているのだ。
その理由を同社の技術者に聞いてみると、「すべて、空力のため」ということらしい。EVにとって、CD値は命であり、空力にこだわった結果のリアゲート式5ドアとなったそうだ。



快適装備が満載

 早速、運転席に座ってみた。乗降性は全高に余裕があるので「Sクラス」レベル。ドアウインドウはサッシュレス。着座位置はやや低め。頭を包んでくれるようなソフトタッチのヘッドレストが運転席にも装着されている。目の前にはセンターから助手席の前まで一枚のパネルが。ジェットエンジンのタービンを模した左右の空気吹き出し口もパネルに組み込まれている。



 スタートボタンを押す。同時に一枚のパネルに画面が浮かび上がる。運転席の前にはスピードメーターや充電モニター、センターにはナビ画面、助手席の前には方位メーターが見えてくる。スピードメーターは240km/hまで目盛られている。やや小径で太めのハンドルとシート位置を調節する。ルームミラーからのリアウインドウが小さい。ここは最新のデジタルインナーミラーやアウターミラーが欲しいところだ。



 ハンドルを握り、走り出す前に後席もチェックした。サッシュレスドアを開け、後席に乗りこむ。着座位置は高め。座面は大きく、足元も広いが、座面の形状から左右1名ずつが快適定員。センターコンソールはやや張り出しているが、床がフラットに近いのでサイドスルーはできる。前席との距離もあるので圧迫感はなく、ゆったりとしたラグジュアリーな空間だ。座面が高く、Wガラスルーフなので、頭上の空間はやや狭く、身長170cmクラスまで。



 背もたれは6:4で分割可倒でき、前に倒せる。ラゲッジスペースは奥行、左右幅ともに1m以上あり、トノカバーも床面から約540mmある。サブトランクも開口部手前にあり、ここに充電ケーブルを収納できる。充電口はリアの右フェンダー上にある。CHAdeMOは150wまで対応だ。普通充電は6kw。60kwの急速充電は30分で29%、150kwだと30分で59%の充電が可能だ。外部給電機能もある。

 航続距離は700km以上

 試乗車はスタート時点で80%充電。走行可能距離は516kmと表示されていた。ちなみにカタログ値は100%で700km航続可能。試乗車のオドメーターは870kmだった。「Sクラス」や他のメルセデスと同じコラムシフトのATレバーでDレンジを選択。スタートからの動きはゆっくり。ジェントル。アクセルをグイッと踏みこんでもいきなりトルクが立ち上がることなく、ゆっくりと動き出す。ハイエンドラグジュアリーを意識した制御だ。

 走り出し、アクセルを踏み続けていると、徐々に、しかし力強く加速を開始する。計測してみると0→100km/hの加速は6秒台半ば。直6、3.0ℓディーゼルターボ、340PSに近いタイムだ。走行モードは、コンフォート/エコ/スポーツ/インディビジュアル。コンソール上のスイッチで選択する。

 コンフォートモードでも常にやや重めの操舵力とやや硬めの乗り心地だった。スポーツモードを選択するとやや直進性が強くなり、乗り心地も路面のザラつきや硬め上下動が伝わってくる。ブレーキは踏力をやや必要とし、効きも低、高速ともに初期制動が甘めだ。ここは回生モードを生かして、賢く乗りこなしたい。

 試乗車は、グッドイヤーの「イーグルF1、265/40R21」というサイズを装着していた。最後に電費だが、高速道路を含めて、時間の制約から30kmを走行し、電池の残量は76%を表示していた。単純計算だと残量10%までで670kmは走ることができる。ほぼカタログ値に近い値だ。

「EQS 450+」の車両本体価格は1570万円~。モーターを前後軸に搭載する「AMG EQS 53 4MATIC+」は2372万円~となっている。現行の「Sクラス」を購入できる資金力があるなら「EQS」も購入リストに入れて、検討してみる価値はある。

■ 関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/eqs/saloon-v297/eqs/explore.html

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博

こんな記事も読まれています

「高速SA」に泊まれる!? 謎の「ハイウェイホテル」車中泊より快適ってホント? “どんな人”が利用してる? 実際に宿泊した人からの感想も
「高速SA」に泊まれる!? 謎の「ハイウェイホテル」車中泊より快適ってホント? “どんな人”が利用してる? 実際に宿泊した人からの感想も
くるまのニュース
気になる! バイクのバッテリー寿命はすべて均一なのか?
気になる! バイクのバッテリー寿命はすべて均一なのか?
バイクのニュース
FP2でクラッシュの12号車ポルシェ963、ル・マンの飛行場で代替シャシーのシェイクダウンを完了
FP2でクラッシュの12号車ポルシェ963、ル・マンの飛行場で代替シャシーのシェイクダウンを完了
AUTOSPORT web
欲しい人は急げ!! アバルトのガソリン車[F595][695]日本モデルの生産終了! 残るは在庫販売のみに
欲しい人は急げ!! アバルトのガソリン車[F595][695]日本モデルの生産終了! 残るは在庫販売のみに
ベストカーWeb
トヨタ『ヤリス』次期型は2025年末登場か、ハンマーヘッド&新エンジン搭載でスポーティ感アップ!?
トヨタ『ヤリス』次期型は2025年末登場か、ハンマーヘッド&新エンジン搭載でスポーティ感アップ!?
レスポンス
スズキが新型「ハスラー」発表! レトロなゴツ顔「ワイルド仕様」 SUV感スゴッ! 「ジムニー」と比較する人はいるのか
スズキが新型「ハスラー」発表! レトロなゴツ顔「ワイルド仕様」 SUV感スゴッ! 「ジムニー」と比較する人はいるのか
くるまのニュース
輸入車メーカーや「ヨシムラ」から認められるトップペインターが施工 スプレー式ガラスコーティングとは?
輸入車メーカーや「ヨシムラ」から認められるトップペインターが施工 スプレー式ガラスコーティングとは?
バイクのニュース
日産『デイズ』と『ルークス』、一部仕様を変更し新色も追加
日産『デイズ』と『ルークス』、一部仕様を変更し新色も追加
レスポンス
新車購入でお馴染みの光景「値引き交渉」はまもなく姿を消す!? 家電で広がる「指定価格」が新車にも導入される可能性
新車購入でお馴染みの光景「値引き交渉」はまもなく姿を消す!? 家電で広がる「指定価格」が新車にも導入される可能性
WEB CARTOP
日産ノート オーラが仕様変更。フロントマスクの刷新や新内外装カラーの設定などで存在感と上質さをアップ
日産ノート オーラが仕様変更。フロントマスクの刷新や新内外装カラーの設定などで存在感と上質さをアップ
カー・アンド・ドライバー
[15秒でわかる]フィアット『ストラーダ』のスポーツ仕様…内外装ともに引き締まった印象に
[15秒でわかる]フィアット『ストラーダ』のスポーツ仕様…内外装ともに引き締まった印象に
レスポンス
ホンダ EVの社会実装とCN社会の実現にむけ新会社ALTNAが電力ビジネスの事業展開を開始
ホンダ EVの社会実装とCN社会の実現にむけ新会社ALTNAが電力ビジネスの事業展開を開始
Auto Prove
新型「BMW M3」早くもツーリングをフェイスリフト パワーアップされた「M3」の全情報!
新型「BMW M3」早くもツーリングをフェイスリフト パワーアップされた「M3」の全情報!
AutoBild Japan
高速のSA・PAで「車中泊」してもいいの?「法令違反」の可能性も?! 「これは仮眠ですから!」主張は許されるのか
高速のSA・PAで「車中泊」してもいいの?「法令違反」の可能性も?! 「これは仮眠ですから!」主張は許されるのか
くるまのニュース
じ~ん。ポルシェを手に入れた瞬間の幸福
じ~ん。ポルシェを手に入れた瞬間の幸福
レスポンス
アウトドアシーンでも活躍!? ホンダ新型バン「N-VAN e:」10月に発売 人気の軽商用バンをベースにしたEV
アウトドアシーンでも活躍!? ホンダ新型バン「N-VAN e:」10月に発売 人気の軽商用バンをベースにしたEV
VAGUE
ダッシュ! 軽量スポーツカーメーカーのアリエルが電動アシスト自転車を発表
ダッシュ! 軽量スポーツカーメーカーのアリエルが電動アシスト自転車を発表
レスポンス
アルピーヌ、ル・マンの夜を前にダブルリタイア。エンジントラブルで夢潰える「来年、強くなって戻って来る」
アルピーヌ、ル・マンの夜を前にダブルリタイア。エンジントラブルで夢潰える「来年、強くなって戻って来る」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

6件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2375.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1238.01890.0万円

中古車を検索
EQSの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2375.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1238.01890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村