現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 幅詰めで完成度向上、いすゞの名車が輝きを増す!フジミ製プラモ「ベレットGTR」を徹底改修・前編【モデルカーズ】

ここから本文です

幅詰めで完成度向上、いすゞの名車が輝きを増す!フジミ製プラモ「ベレットGTR」を徹底改修・前編【モデルカーズ】

掲載 3
幅詰めで完成度向上、いすゞの名車が輝きを増す!フジミ製プラモ「ベレットGTR」を徹底改修・前編【モデルカーズ】

国産初の「GT」がDOHC搭載で一層強力に

今ではトラック専業メーカーとなった、いすゞ自動車。同社ではかつて、ヨーロッパ的センスに溢れた名車をいくつも世に送り出してきたが、そのひとつに、ベレットを挙げることができるだろう。ベレットはまた、国産車で初めて「GT」を名乗ったクルマとして、日本の自動車史に名を残す存在である。

ボクらのヤングタイマー列伝:第37回『いすゞ・ピアッツァ・ネロ』超絶レア‼ 3代目ジェミニをベースにした2代目ピアッツァのネロ

【画像41枚】ボディフォルムに自然さを取り戻したベレットとその制作工程を見る!

いすゞは戦後、イギリスのルーツ・グループとの提携によりヒルマン・ミンクスをノックダウン生産し、これを国産化する中で技術を吸収してきた。その成果として1962年に発売されたのが、同社オリジナルの乗用車第一号であるベレルである。ベレルはセドリックやクラウンと同格の中型セダンであったが、それより下のクラスを担う車種として生まれたのが、ベレットであった。ベレットは1963年に発表され、同年11月に発売されている。

ベレルの小型版、という車名の含意が示すように、ベレットのライバルはコロナやブルーバード、スカイラインなどの小型ファミリーカーとなる。それらがどちらかと言えば直線的なボディシェイプであったのに対し、ベレットは丸みを帯びたスタイルであったが、これは卵の殻をイメージしてデザインされたものだという。ボディはモノコック式でレイアウトはFR、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがダイアゴナルリンクによるスイングアクスルという独特なもの。エンジンは直列4気筒OHVで、1.5Lガソリンと1.8Lディーゼルの2種類。

ベレットのボディは当初4ドアセダンのみであったが、翌年には2ドアのセダンとクーペもラインナップに加わっている。このクーペというのが前述の国産初の「GT」である1600GTで、その発売は1964年4月のことであった。セダンよりルーフを低くした軽快なボディに、フロントマスクは丸2灯ライト(+フォグランプ)を採用、エンジンは直4 OHV 1.6LにSUツインキャブを装着したG160型を搭載。なお、このGTは前年の東京モーターショーで発表済みであったが、その時は1.5Lエンジンを積む1500GTであった。

ベレットの変更は多岐に渡るので、それにいちいち触れていくと大変であるからここでは省略するが、この1600GTのホットバージョンとして1969年10月に発売されたのがGTRである。これは、同年8月の鈴鹿12時間耐久レースに出場し優勝を飾ったベレットGTXを市販化したというもの。何よりも強力なポイントだったのは、その頃はまだ珍しかったDOHCエンジンを搭載しているという点だ。このエンジンとは、前年デビューの117クーペに搭載されて世に出たG161W型で、三国製ソレックス・キャブレターを2連装し最高出力は120psを発揮、1トンに満たないボディとの組み合わせで最高速度190km/hを実現した。

GTRはエンジンがツインカムであるだけでなく、ブレーキやサスペンションなどシャシーも強化し、ラジアルタイヤを装着。エクステリアも迫力のあるもので、バンパーを左右2分割とし、それとナンバープレートの間にフォグランプを装着した、独自のフロントスタイルが特徴であった。ボンネットを防眩のためつや消しブラックとし、サイドにも黒いストライプをあしらっているのもポイントで、レスオプションも設定されていたが、そのインパクトの強さから、GTRと言えばこのスタイルしか存在しないように思っている方も少なくないだろう。

いすゞ車の例に漏れずベレットも非常にロングライフモデルとなり、1973年まで、実に11年の長きに渡って販売されたのだが、GTRも最後の年までしっかりとラインナップされていた。1971年10月のマイナーチェンジでは、他のモデルと並んでフロントグリルとテールランプのデザインが変更されているが、2分割バンパーとフォグランプ、そして黒ボンネットと黒ストライプはそのままであった。

ベレットらしい小ぢんまりした凝縮感を重視して
ベレットのプラモデルとしては、三共とエルエスの1/32スケール、フジミの1/24スケールのキットがよく知られたところであろう。エルエスはGTRをキット化、同社廃業後は金型がアリイ(マイクロエース)に引き取られ、今も販売されている。このキットは1980年代のリリースであるが、フジミの1/24は2000年代に入ってからの製品。2ドアのクーペのみながら、GTRだけでなくGTもバリエーション展開されており、大型テールと眼鏡グリルの最終型まで製品化しているところが興味深い。

ここでお目にかけている作品は、このフジミ製GTRを制作したものである。と言っても、実はただそのまま組んだものではない。フジミのベレットに関して、そのボディ形状に不満の声はさほど聞かれないが、実車とよくよく比べてみると、色々と違和感があるのも事実である。少々貫禄のある感じで、実車のギュッと引き締まったボディのムードには欠けており、顔周りも直線的で贅肉が多い(グリルのはまる開口部のヘリが分厚い)印象だ。

そこで、ボディの幅を詰めるなどしてそうした印象の払拭を狙い、完成度の向上に挑んでみたのがこの作品なのである。単純に車体の幅が広いのではなく、ボディ下半部のみが広いようなので、一旦ボディを上下に切り分け、腰下のみ幅を詰めてから元に戻すという、複雑な作業を行っている。その改修工作の細かな内容については、写真のキャプション、そして追って公開予定の後編の記事をお読みいただきたい。

こんな記事も読まれています

フィアット『Nuova 500』モチーフのティッシュケースが登場
フィアット『Nuova 500』モチーフのティッシュケースが登場
レスポンス
まさか!? 4時間セーフティカー&またSCでレースは振り出しに……2号車キャデラックが暫定トップ|ル・マン24時間:18時間経過
まさか!? 4時間セーフティカー&またSCでレースは振り出しに……2号車キャデラックが暫定トップ|ル・マン24時間:18時間経過
motorsport.com 日本版
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
くるまのニュース
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
モーサイ
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
Merkmal
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
Webモーターマガジン
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
AUTOSPORT web
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
THE EV TIMES
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
motorsport.com 日本版
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
レスポンス
箱根のロング有料道路「値上げ」全線通ると普通車1000円超に 37年ぶり7月から 新割引も
箱根のロング有料道路「値上げ」全線通ると普通車1000円超に 37年ぶり7月から 新割引も
乗りものニュース
ホンダが「斬新 軽バン」発表! 荷室フラットで「快適車中泊」出来る? N-VANとe:では違いある?
ホンダが「斬新 軽バン」発表! 荷室フラットで「快適車中泊」出来る? N-VANとe:では違いある?
くるまのニュース
世界に1台しかないフェラーリ「テスタロッサ」タルガトップが5000万円からと激安の理由と製作したEBSとはなにもの?
世界に1台しかないフェラーリ「テスタロッサ」タルガトップが5000万円からと激安の理由と製作したEBSとはなにもの?
Auto Messe Web
3列シート 7人乗り、多彩なライフスタイルにフィットするSUV 電気自動車 メルセデス「EQB」を発売
3列シート 7人乗り、多彩なライフスタイルにフィットするSUV 電気自動車 メルセデス「EQB」を発売
AutoBild Japan
【悲報】 アバルト「F595」/「695」在庫一杯で国内販売終了のお知らせ 電動化の推進に伴い
【悲報】 アバルト「F595」/「695」在庫一杯で国内販売終了のお知らせ 電動化の推進に伴い
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
レスポンス
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

3件
  • AE86レビン・トレノの影で忘れられてるジェミニZZ-R/T 知る人はいすゞファンだけか・・・
  • 是非ともセダンモデルを用意して欲しい。
    ついでにフローリアンの初期も。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1640.03258.0万円

中古車を検索
GTの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1640.03258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村