2019年10月24日~11月4日の日程で開催される東京モーターショー2019の概要が、主催者である日本自動車工業会より発表された。
来年(2020年)に迫った東京オリンピックの準備のため、東京ビッグサイトは(前回比で敷地の)半分しか使えないこともあり、会場は(ビッグサイトから)約1.5km離れたMEGA Webと2つに分かれた。また近年の日本市場の重要度の低下からか、BMWやVWが不参加というハンデも背負う。
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それでも、「今回はモーターショー自体をモデルチェンジする」(自工会モーターショー特別委員会・長田准委員長)と、主催者側は意気込む。
「クルマ業界だけでなく、日本の工業を担う皆さまと手を取り合って、モビリティ社会の未来を届けたい」という東京モーターショー2019、はたしてどのような「祭り」になるのか。開催概要の事前レクでは「自工会の本気」がひしひしと伝わった。以下、今回発表された概要をお伝えしたい。
文:ベストカーWeb編集部 写真:日本自動車工業会
■「見る」だけでなく、乗って、体感して楽しむ近未来社会!!
まず前回までの東京モーターショーから大きく進化しているのが、出展社の陣容。これまでの自動車メーカーや部品メーカーに留まらず、Panasonic、SHARP、キヤノン、経済産業省、NEDO、そして東京オートサロン、モータースポーツジャパン、キッザニアなどとも協力してモーターショーを盛り上げていく。
特に注目はモータースポーツジャパンとの連携。これまで東京モーターショーというと「出品車を見る」というのが楽しみの中心だったが、今回は「走っているところを見る」、そして「乗る(同乗走行含む)」という楽しみが加わることになる。
同乗走行、デモランなどの体感系イベントを数多く盛り込むことで、今回の東京モーターショーはかなり「ユーザー寄り」になった印象。特にトヨタはかなり気合いの入った出展車を用意している
■2つの会場と、それをつなぐ「橋」
今回の東京モーターショーの大きな特徴のひとつに、「会場が2か所に分かれる」がある。
【青海エリア】
・展示場(東京ビッグサイト青海展示棟)の主な出品メーカー…トヨタ、スバル、ダイハツ
・FUTURE EXPO(MEGA Web)
【有明エリア】
・展示場(東京ビッグサイト西・南展示棟)の主な出品メーカー…日産、スズキ、ホンダ、三菱、ルノー(以上西展示棟)、マツダ、レクサス、アルピーヌ、メルセデスベンツ、Smart(以上、南展示)
・DRIVE PARK(TFTビル横駐車場)
会場は、「ゆりかもめ」で一駅分(青海駅~国際展示場駅)離れているが、その会場間をつなぐ「橋」をアトラクションに仕立てることで、来場者の体験につなげたい狙いがある
上述のとおり、この2か所の「エリア」は約1.5kmほど離れており、その会場間をつなぐ「夢の大橋」を「OPEN ROAD」と名付け、さまざまなモビリティ(電動キックボードやパーソナルモビリティなど)を展示、乗車(利用)可能とする。普段触れる機会がない乗り物だけに、これはかなり乗って(使って)みたい。
「橋」には展示車が並び、その真ん中を電動キックボードや先進パーソナルコミューターで走ることができる。これはかなり楽しそう
正直いって会場が離れ離れになるのは(全ブース回る必要がある場合は特に)キツいなと思っていたが、それを逆手にとった施策といえる。あとは雨が降らないよう祈るばかりだ。
(会場間はOPEN ROADだけでなく無料のシャトルバスでも行き来可能)
このほかにも、
・NTTやパナソニック、経産省、NEDO(産業技術総合開発機構)がMEGA Webを借り切って、近未来社会を体験できるスペースに大胆チェンジ
お台場MEGA Webに出現する「FUTURE EXPO」は、近未来都市を体験できるアトラクション。最新テクノロジーやサービス、試乗など100以上の展示が楽しめる。なんと無料で体験可能
・話題の「e-Motorsports世界大会」を実施。「FIAグランツーリスモチャンピオンシップ」で世界トップランカーたちが集まり、また「都道県対向U18全日本選手権」の招待試合も開催、(ゲーム内での)特別ワンメイクレースなども実施される
・子供たちが楽しめる「街」が出現する「キッザニア」、東京モーターショー内に登場
と、盛りだくさんの内容が予定されている。
「ららぽーと豊洲」にある子供向けの超人気スポット「キッザニア」が東京モーターショーに出現する。子供の職業体験施設で、東京モーターショー初出展
■チケットは8/1~発売、高校生以下は入場無料
あらためて、開催期間は10月24日(木)~11月4日(月・祝日)。有料スペースの入場チケットは8月1日午前10時よりオフィシャルサイトなどで先行発売が開始となる(前売り大人1800円、当日2000円、アフター4入場券(午後4時以降)1000円)。
■東京モーターショーオフィシャルサイト: https://www.tokyo-motorshow.com/
今回から高校生以下無料の措置がとられ、また2デイパス、通期パスなどを導入しており、入場者への細やかな気遣いが見てとれる。
■今回は「絶対に負けられない戦い」
東京モーターショーは、大きな岐路に立たされている。
最盛期には(会期がやや長かったとはいえ)200万人以上が来場した東京モーターショー(第29回・1991年)も、前回(第45回・2017年)は約77万人まで減少した。消費税が2019年10月1日から10%に上がって新車販売の落ち込みが予想されるなか、これ以上「日本の自動車市場」に暗いニュースが舞い込むことは、世界から見た「日本の自動車」の存在感そのものの軽重に大きくかかわる。
しかも今回は、豊田章男自工会会長が指揮する任期中(2018~2020年)唯一の東京モーターショー。「前回以上の入場者数」は絶対死守命題だろう。
もっとはっきり言えば、トヨタを中心にした国産メーカーは、今回の東京モーターショーにかける意気込みが尋常じゃない。
2019年9月26日には、出品車概要などさらなる情報が追加公開されるとのこと。おそらくトヨタを中心に、国産メーカーは相当気合いの入ったショーモデル、新型車、技術発表、ブース演出を用意しているはず。
第46回東京モーターショー開催まであと3か月。新しい情報が入り次第、逐一お届けしていきます。
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