現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 車いすユーザーのモビリティを変える! トヨタ超小型EVの提案

ここから本文です

車いすユーザーのモビリティを変える! トヨタ超小型EVの提案

掲載
車いすユーザーのモビリティを変える! トヨタ超小型EVの提案

 今年で49回目を数える「国際福祉機器展H.C.R.2022」。このアジア最大規模の福祉機器イベントでひときわ注目されていたのが、トヨタが展示した、車いすユーザーが「ひとりで乗り込んで運転できる」コンセプトモデル「C+pod plus Concept(シーポッドプラス・コンセプト)」だ。

 ベースとなるモデルはトヨタの超小型EV「C+pod(シーポッド)」。2020年に一部企業や自治体への提供がスタートシーポッドは、2021年12月より一般向けに販売開始。高齢者が安全安心に移動ができることを目指してつくられた小型モビリティだ。

【Believe ニュース】最新の福祉車両や福祉にまつわるホットな情報をお届け!

車いすドライバーの深刻な悩みを解消 開発にあたって、トヨタでは自身でクルマを運転する車いすユーザーにヒアリングを行い、クルマ移動については以下の3点がもっとも大きな問題であるとの結論に至った。

・駐車場でのスペース
・車いすの乗せ降ろし
・運転姿勢の維持


 最初の問題「駐車場でのスペース」は、車いすで乗車しようとすると、車両の横にある程度のスペースが必要となる。しかし福祉車両優先ゾーンは近年利用者が増え、埋まっていることが多いといった問題である。次の「車いすの乗せ降ろし」については、運転席に座ったユーザーが、乗り込み時に畳んだ車いすを自分の身体の前を通して座席に収納するタイプが多いが、これでは服を汚してしまったり車内を傷つけたりすることがあるという。そして最後は「運転姿勢の維持」について。既存のモデルは両手で運転するものが主流であるが、交差点や曲がり角では体制を崩してしまうことがあるという。

 そうした問題に対応すべく考えられたのが、このコンセプトモデルとなる。前幅が1.29mと極めてコンパクトで、一般的な駐車場スペース(2.5m)のおよそ半分。そのためドアをフルオープンにすることができ、優先スペースを探す必要も、隣のクルマを気にすること必要もない。

 また、折り畳んだ車いすはシートの横にフックで引っ掛け、シートが電動で左側から右側にスライドするのを利用して、車内に車いすを引き上げる。そのため服が汚れたり車内が傷む心配もないわけだ。

 さて最後の「運転姿勢の維持」だが、ハンドルにアクセルレバーを取り付け、さらに少なめの舵角で大きく曲がるようにセッティングされているので、ハンドルを手で大きく回転させる必要がなく、常に安定した姿勢で運転することができる。動画でスムーズな乗り降りを確かめてもらいたい。

ユーザーに負担の少ない乗り降り実際の乗り込みは、まずリモコン操作で左側のドアを開き、車いすに乗りながらアプローチする。

ターンチルト機構のシートが車いすに近づくことでスムーズな乗り込みが可能。ちなみに、ドア開口部とシートの後ろには若干の隙間があり、そこからラゲッジスペースに手持ちの荷物などを入れることができる。

車いすは折り畳み、シート横に付いているフックに引っ掛ける。

電動でシートが左側から右側に移動するのを利用して、車内に車いすを引き上げる。

車いすを固定してドアを閉め、完了。

以上の逆の手順による降車もスムーズに行える。

 このコンセプトモデルには、現在トヨタが開発している車いす連結ユニット(車いす前方に付けられる電動ユニット)を取り付けるためのキャリアも備えられている。連結ユニットによって車いすの移動範囲は格段に伸び、また疲労も大幅に軽減される。

 人(骨格)の動きに合わせて座面と背もたれが可動、遠心力を使ってドライバーの身体をサポートする「キネティックシート」が搭載されている。これまでのようにホールド性を高めるという発想ではなく、シート自体が動くことでドライバーの身体的な負担を軽減する。荒れた路面や、コーナリング時の姿勢を安定させてくれる。キネティックシートは、もともと備わるシートの上に置いてカバーのような形で使用が想定されている。現在、重量が20kgほどだが、今後軽量化を課題としている。

 このコンセプトモデルは現在も開発が進行中で、今回の展示で得られるさまざまな反応や意見をフィードバックしていくとのこと。今後さらに完成度を高め、ぜひ販売してほしいコンセプトモデルである。

車いすユーザーのモビリティを変える! トヨタ超小型EVの提案はBelieve - ビリーヴ ジャパンで公開された投稿です。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

18年ぶりに復活を遂げたトヨタ新型「クラウン・エステート」“待望”の発売! SUVの魅力をプラスした「新発想ワゴン」は635万円から
18年ぶりに復活を遂げたトヨタ新型「クラウン・エステート」“待望”の発売! SUVの魅力をプラスした「新発想ワゴン」は635万円から
VAGUE
ヒョンデ、『インスター』4月導入でEV普及を加速…新拠点開設やパートナーとの連携強化へ
ヒョンデ、『インスター』4月導入でEV普及を加速…新拠点開設やパートナーとの連携強化へ
レスポンス
軽自動車にこそEVがピッタリです。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」日産サクラ
軽自動車にこそEVがピッタリです。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」日産サクラ
LE VOLANT CARSMEET WEB
18年ぶり復活のトヨタ新型「クラウン“エステート”」! 「ワゴンとSUVの融合」実現した“デザイン”に込められた“想い”とは
18年ぶり復活のトヨタ新型「クラウン“エステート”」! 「ワゴンとSUVの融合」実現した“デザイン”に込められた“想い”とは
くるまのニュース
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
くるまのニュース
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
VAGUE
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
motorsport.com 日本版
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
ベストカーWeb
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
WEB CARTOP
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
くるまのニュース
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
AUTOSPORT web
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
バイクのニュース
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
くるまのニュース
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
乗りものニュース
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
くるまのニュース
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
くるまのニュース
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
motorsport.com 日本版
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165 . 0万円 171 . 6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

88 . 0万円 135 . 3万円

中古車を検索
トヨタ シーポッドの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165 . 0万円 171 . 6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

88 . 0万円 135 . 3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村