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【ターボの足まわりを移植】ポルシェ911 カレラGTSへ試乗 480psのライトGT3 前編

掲載 更新 1
【ターボの足まわりを移植】ポルシェ911 カレラGTSへ試乗 480psのライトGT3 前編

クーペとカブリオレ、タルガから選択可能

執筆:Matt Saunders(マット・ソーンダース)

【画像】992型ポルシェ911 カレラGTSとGT3 ツーリング 競合スポーツモデルと比較 全128枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ポルシェが911へGTSというグレードを設定するのには、実は10年以上のブランクがある。実際にオーナーになれた人以外、そのことに気付く読者は限られると思うけれど。

6代目の997型では911にGTSがあったが、それ以降にもパナメーラとカイエンにはGTSと呼ばれるグレードが存在していた。最近のクロスオーバー、マカンと、718ボクスターと718ケイマンにも設定されている。気付きにくいのも当然だ。

同時に、ポルシェにとって、モデルを共通してGTSが特別なものだということも理解できる。今回は久しぶりの登場となった、911のカレラGTSへの試乗だ。

992型の911 GT3やターボは、登場を心待ちにし高い期待を抱いていた。もちろん、992型へ進化した新しいポルシェ911カレラの登場も。一方でGTSと聞いても、それほど目立たないミドルグレードの911に感じられなくもない。

だが、それは誤解だといえる。ポルシェは従来以上に、明確な目的を持って最新の911 カレラGTSを仕上げている。

ボディスタイルは幅広い。カレラと同じクーペとカブリオレ、タルガから選択できる。駆動方式も四輪駆動と後輪駆動から選べる。トランスミッションは8速デュアルクラッチATのPDKか、7速MTが組める。どちらを選んでも、英国価格は変わらない。

ターボから流用されたサスペンション

これまでの911 GTSは、メカニズム的にはオプションのPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)と呼ばれるスポーツ・サスペンションを組んだ、カレラSと基本的に同等だった。パワーも高められてはいたが。

しかし最新の992型では内容を大幅に進化。サスペンションの仕様は注目に値する。そのぶん、価格も引き上げられてしまったけれど。

エンジンルームに収まるのは、通常のカレラにも搭載される、3.0L水平対向6気筒ツインターボのアップグレード版。カレラS比で30psパワーアップしており、最大トルクも高められている。

エンジンにはカレラGTS専用チューニングのアクティブ・エグゾーストが組まれ、防音材が大幅に削られた。そのおかげで、車内にはフラット6のサウンドが明確に届くようになっている。

最新のカレラGTSで、最大の特長といえるのがサスペンションまわり。エンジンのようにカレラSの改良版ではなく、ハードウエアは遥かにパワフルなターボから流用している。リアアスクルには、ヘルパー・スプリングが備わる。

車高はカレラS比で10mm低いが、ターボのワイドなフェンダーではなく、全幅はカレラと同じ1852mm。そこへ、ターボ級に大きいフロント20インチ、リア21インチのセンターロック・アルミホイールを履く。

ブレーキは、ターボ・スペックのスチール・ディスクが標準。加えて、ダンパーは4本ともにPASMアダプティブ・ダンパーが奢られる。

ちなみにGTSに標準装備ということは、次のモデルイヤーでは、ターボとターボSにも同じ内容が展開されると予想できる。

インフォテインメントは最新の6.0へ

見た目の差別化は、さほど大きくない。ボディには、ブラック仕上げのGTSのエンブレムが付く。ホイールもブラックで、近年の流行といえるダーク・クロームで全体をコーディネート。タルガでは、ロールオーバー・バーもブラックアウトされる。

ドアを開くと、GTスペックのステアリングホイールと、ポルシェがレース・テックスと呼ぶ、スエード調素材で仕立てられたインテリアが広がる。カレラGTS専用の、トリムオプションもいくつか選べるという。

もし2ペダルのPDKを選択すると、シフトレバーはカレラSより少し骨太なモノが与えられる。よりショートアクションで、クイックな変速を得るために。

インフォテインメントは、まったく新しいポルシェ・コミュニケーション・マネージメント6.0と呼ばれるシステムへ進化。アップル・ミュージックとポッドキャスト・サービスに対応し、アンドロイドのスマートフォンとも有線でミラーリングが可能となった。

軽量なカーボンセラミック・ブレーキやアクティブ・アンチロールバー、四輪操舵システムなど、動的特性を引き上げるオプションも用意されている。ポルシェのセオリー通り。

カレラGTSでクーペを選ぶ場合は、ポルシェ・ライトウエイト・パッケージを選択することで、四輪操舵システムが自動的に装備されるそうだ。このパッケージには、合計25kgぶんのダイエットメニューも付いている。

この続きは後編にて。

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みんなのコメント

1件
  • 何だかなぁ?
    ターボの脚回りを移植した!というなら、タイヤサイズもターボのサイズに変えるべきだと個人的な意見です。
    コアな話だけど、ターボのリヤタイヤのサイズは315でカレラなどは305だから、タイヤサイズの違いでタイヤメーカーの選択肢が狭まる事に成り、カレラの車体で315を履く場合には、PDCCなどやリヤステアが装着されて無い事が条件に成るから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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