10月28日(土)~11月5日(日)までお台場の東京ビッグサイトで開催される『』。その一般公開に先立ち開催されたプレスデーで、マツダのブースに見覚えのあるお顔が。現在、の開発主査を務める商品本部の齋藤茂樹さんに、立ち話程度だがお話しを聞くことができた。
2019年の5月に中山 雅さん(現:デザイン本部長)からNDの主査を受け継いだ齋藤さん。先日、自身が開発を担当した特別仕様車の990Sが納車されたばかりだという。ちなみにボディカラーは、2022年11月の一部改良で追加されたジルコンサンドメタリック。
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齋藤「僕はロードスターにもすごくいい色だと思うんですけど、まわりからは『齋藤さん、ホイール替えて車高上げるの?』なんて、よく言われます(笑)」
― “サンド” ってだけに、なんとなくCX(SUV)系向けという印象がありますよね。そういえばKPCを入れた際に追加されたポリメタルグレーメタリック(筆者所有)が早くも絶版に…。よく見かけたので人気色だったと思うのですが。
齋藤「人気の有無というより新しいテーマカラーとして、ここ最近は2年周期で新色を入れています」
― 新色のエアログレーメタリックがその代わりということですね。今後は改良ごとに新色が期待できるかも?という感じでしょうか。ということは、「ジルコンサンド」とNDの組み合わせもゆくゆくは…。
齋藤「(笑)」
― 直近の10月に、NDの誕生から8年強にしての大幅商品改良。最後の最後で大きな改良をぶち込んできましたね。これって、次に向けてのパイロットモデル的な扱いとなるのですか?
齋藤「いやいや、まだまだNDは最後じゃないですよ。これからも変えていきます。次のハナシはまだまだ。問題は次の次で。NEまではいけるけど、NFの型式はアバルト 124スパイダーで使っちゃっているから使えない。だから“NG”。NGロードスターってねぇ…(笑)。それは置いといて、直近の課題は2025年の騒音規制です。そこまでは」
― 以前、主査に就かれた際のインタビューではシートも変えたいと言っていましたが。
齋藤「たぶん、ちょうどシート(の開発)をやっていたころですね。RS用のレカロをベースにいろいろやってみましたが、NDはディメンションの関係で、シートのレイアウトがホントぎりぎりで…」
― シートの改良は、次期型以降ということですね。
齋藤「ちょっとNDでは厳しいと思います。もうひとつやりたかったのがセル。現行型でも始動時にエンジン音を高める演出をしていますが、その前の『キュルルル、ブォーン』っていうのをやりたかった。わかります? 気分がアガりますよね(笑)」
― こちらも次に期待ということで(笑)。
齋藤「今回では、マツダコネクトのディスプレイ。助手席エアバッグの展開範囲と干渉しちゃうので、左側は1mmたりとも拡げられません。じつは右側もそうで、こっちには下にエアコンのダクトがあるので。インパネ(アッパー部)のデザインはほとんど変わっていませんが、裏側は、配線のレイアウトを含めて僕らのロードスター(一部改良前)とはぜんぜん違います」
― 今回はホイールのデザインも変わっていて。16インチ(ソフトトップ)のほうは、写真じゃほぼ同じように見えましたが、実物はけっこう違っていて。
齋藤「いいでしょ。スポークを、より直線を強調したデザインとしています」
― 従来型より軽くなっているんですか?
齋藤「16インチは0.03kgくらい。つまり、ほぼ同じ。現状維持です。17インチ(RF)のほうもデザインを新しくしましたが、こっちは重くしています。音(ロードノイズ)を静かにしてほしいという声があって。それに応えたかたちです」
― それは、ノイズリダクション的な要素を取り入れたからということでしょうか?
齋藤「そうですね。デザイン要素のほかにも。ただ、ロードノイズについては、16インチ(ソフトトップ車)では気になるという声はほとんど聞かれないんですよ」
― 今回は1.5LエンジンのパワーアップやDSCの「トラック」モード追加など運動性能にも手を加えてきましたが、なかでも新開発のアシンメトリックLSD。これも齋藤さんが導入を決められたのですか?
齋藤「あれは梅津*がどうしてもやりたいと(笑)。ふだんの街なかでも、より安定感のある気持ちいい走りを感じられると思います」 *操安性能開発部首席エンジニア 梅津大輔さん
ほかにもアダプティブクルーズコントロールをはじめ、つくり手自身が「ND2と言っていい」というほど多岐にわたる改良を施した最新のロードスター。マツダ広報部によれば11月から本格的な生産が始まり、発売は24年1月中旬を予定とのこと。きっと最良であろう新型のステアリングを握れる日が、今から楽しみだ。
〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉
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