ルノー初のクーペSUVとして注目を集めた新型車「アルカナ」に、ストロングハイブリッド「E-TECHハイブリッド」に加え、新パワーユニットとなるマイルドハイブリッド仕様が追加された。
E-TECHハイブリッドとパワーユニットや仕様の違いに加え、価格についても紹介する。
好評のターボエンジンをマイルドハイブリッドに! クーペSUVのルノーアルカナに新パワーユニットが登場
文/大音安弘、写真/ルノージャポン
■日本初導入のマイルドハイブリッドを追加
ルノージャポンは2022年11月24日、2022年ルノーのクーペSUV「アルカナ」に新パワーユニットとなるマイルドハイブリッド仕様車を追加することを発表し、同年12月1日より販売を開始した。価格は399万円だ。
ルノー初のクーペSUV「アルカナ」にマイルドハイブリッド仕様が追加された
マイルドハイブリッド仕様となる新グレードは、「R.S.ライン マイルドハイブリッド」となり、ストロングハイブリッド「R.S.ライン E-TECH フルハイブリッド」と同様の装備レベルとなることも特徴のひとつだ。R.S.ラインのスポーティで上質な内外装はもちろんのこと、先進安全装備についても同様の内容を備えている。
■マイルドハイブリッドパワーユニットの実力は!?
新パワーユニットは、ルーテシアやキャプチャーのガソリン車に採用され、好評の1.3L直列4気筒直噴ターボエンジンを12Vマイルドハイブリッド化したもの。電動化のために、補助モーター(BSG)とリチウムイオンバッテリーを搭載。加速時のモーターアシストを、減速時にはエネルギー回生を行う。
さらに高効率化のために、約30km/hから140km/hの領域で、安定走行時にはアクセルオフでは慣性走行を行い、エネルギーを抑制。アイドリングストップからのエンジン再始動もBSGを活用することで、スムーズな立ち上がりを実現している。
エンジン単体の性能は、最高出力158ps/5500rpm、最大トルク270Nm/1800rpmを発揮。最大トルク270Nm/1800rpmを発揮。最大トルクは同等だが、キャプチャーの搭載エンジンよりも最高出力が4ps向上されている。
さらにアシストモーターとして、最高出力5ps(3.6kW)、最大トルク19.2NmのBSGが加わる。E-TECHフルハイブリッド同様にハイオク仕様で、燃費消費率は、17.0km/L(WLTC)と公表されている。
好評の1.3Lガソリンターボエンジンをマイルドハイブリッド化したのが特徴の新パワーユニット
トランスミッションは、湿式クラッチを持つ7速DCT(7EDC)を組み合わせる。専用装備としてパドルシフトを追加。任意のギアが使えるようになっており、ドライバビリティも高まっている。
視覚的なコックピットの変更は少なく、最大の違いはパドルシフトの追加だ
■価格400万円切りでコスパも急上昇!
世界情勢の影響などもあり、輸入車の価格が上昇する今、アルカナはストロングハイブリッド「E-TECHフルハイブリッド」と比べ、30万円も抑え、400万円切りとなる399万円のプライスを提示してきた。
新たなスペシャルティカーとしての人気上昇中のクーペSUVだが、ライバルよりも価格を抑えたことがアルカナの大きな武器となっていた。その強みがマイルドハイブリッド車の登場で、より磨かれたことになる。
燃費については、確かに22.8km/L(WLTC)を叩き出した1.6Lエンジンを組み合わせるE-TECHフルハイブリッドには及ばないものの、1.3Lの低排気量が税制面では有利に働く。
また、アルカナはE-TECHフルハイブリッドがルーテシアやキャプチャーと異なり、エコカー減税の対象外となることもあり、必ずしもストロングハイブリッドが優勢とも言い切れないのが現実。
まさにアルカナには、マイルドハイブリッド車は最適な一台といえる。パワーユニットによる走行性能や静粛性の差は生じるだろうが、ルーテシアやキャプチャーのガソリン車の実力を鑑みれば、充分な性能を期待できそうだ。
ビジュアル的な差別化はほとんどない点も選びやすさに繋がるだろう
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