■安いヤリスと高いヤリスの違いとは
2025年2月27日、トヨタはエントリーハッチバックの「ヤリス」を一部改良して発売しました。
ヤリスには多彩なグレードがありますが、最廉価グレードと最上級グレードにはどのような違いがあるのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会(自販連)の乗用車ブランド通称名別ランキング、つまり登録車で売れているモデルで「ヤリス(ヤリスクロスを含む)」は、カローラシリーズとトップを争っています。
ここでは、現行ヤリスの最廉価と最上級グレードの違いをチェックしていきます。
ただし、別モノといえるGRヤリス、SUVのヤリスクロスはのぞきます。
現行ヤリスで最も安いのは、1.0L(CVT)を積む「X(2WD)」の165万7700円。
1.0Lのガソリンエンジン車は、主にフリート(法人)ニーズに応える仕様で、主にレンタカーやカーシェアリング、営業車などが想定されています。
とはいえ、今どきの軽スーパーハイトワゴン並かそれ以下の価格設定も気になるところです。
一方、ヤリスで最も高いのは、特別仕様車をのぞくと1.5Lハイブリッドの「Z」の4WD(E-Four)の277万7500円ですが、ここでは2WD同士の比較とします。
1.5Lハイブリッド「Z」の2WDは257万9500円。約92万円の差があります。
エンジンスペックは、最高出力51kW(69PS)/6000rpm、最大トルク92Nm/4400rpm。
WLTCモード燃費は、1.5Lガソリン車よりも約1.5km/L程度低い20.2km/Lです。
ダウンサイジングエンジンがもてはやされた時期がありましたが、小排気量だと一定の速度に乗せるまでアクセルをより踏む必要があり、実燃費の面でも多少不利になることも考えられます。
車両重量は940kgで、軽スーパーハイトワゴンよりも30~60kgくらい重くなっています。
軽自動車はターボモデルでも最高出力64PSという自主規制値がありますから、車両重量も考えるとスペック的には同等程度といえるでしょう。
ただし、最近の軽自動車は、マイルドハイブリッド化やターボ過給による力強さが際立つモデルもあり、体感的にはヤリスの1.0Lのほうが遅く感じるかもしれません。
一方、1.5Lハイブリッドを搭載する「Z(2WD)」は、67kW(91PS)/5500rpm、120Nm/3800-4800rpmの直列3気筒エンジンに、59kW(80PS)/141Nmのフロントモーターが加わります。
車両重量は1090kgで、「X(1.0L)」よりも150kgも重くなりますが、WLTCモード燃費は35.4km/Lと15.2km/Lも上回ります。
体感的にも動力性能には余裕があり、ハイブリッド車らしいスムーズで静かな走りを享受できます。
装備では、1.0L(CVT)の「X(2WD)」も全車標準装備の「トヨタ・セーフティ・センス」はもちろん、車線逸脱警報の「レーンディパーチャーアラート」、「オートマチックハイビーム」などが備わります。
しかし、アダプティブクルーズコントロール(ACC)をはじめ、「ブラインドスポットモニター+安心降車アシスト」、「トヨタチームメイト(アドバンスト パーク)+パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)」のオプション設定もありません。衝突被害軽減ブレーキは備わりますが、最先端の予防安全装置は未設定となっています。
さらに、「Z(1.5Lハイブリッド)」が3灯式フルLEDヘッドランプ(マニュアルレベリング機能付)+LEDターンランプ+LEDクリアランスランプを標準装備するのに対し、「X(1.0L)」は、プロジェクター式ハロゲンヘッドランプになり、見栄えや視認性、非視認性などの面で一歩譲ります。
リヤコンビランプも「Z(1.5Lハイブリッド)」は、フルLED化されています。
足元では、「Z(1.5Lハイブリッド)」は、185/60R15タイヤとスチールホイールが標準で、オプションで185/55R16タイヤとアルミホイールを設定するのに対し、「X(1.0)」は、175/70R14タイヤと樹脂フルキャップ付スチールホイールが標準で、1.0LのCVT車は、オプションでもアルミホイールを選択できません。
■安いヤリスと高いヤリス…室内や装備ではどのような違いがあるのか?
インテリアでは、「X(1.0L)」は、デジタルメーターではなくアナログメーターになり、「Z(1.5Lハイブリッド)」のヒーター付本革巻きステアリングに対し、ウレタンステアリングになります。
シートは、ヘッドレストセパレート型の「Z(1.5Lハイブリッド)」が合成皮革+ツィード調ファブリックになるのに対し、ヘッドレスト一体型の「X(1.0L)」は、シンプルなファブリック。
快適装備では、「Z(1.5Lハイブリッド)」に電動インバーターコンプレッサー付のフルオートエアコンを標準化し、「X(1.0L)」は、マニュアルエアコンになります。
さらに、前席両側のシートヒーターも「Z(1.5Lハイブリッド)」の標準装備に対し、「X(1.0L)」は未設定です。
なお、走行モードスイッチでは、1.0Lエンジン車には、エコドライブモードが備わります。
操作性を左右する「スマートエントリー(運転席・助手席・バックドア/アンサーバック機能付)&スタートシステム」は、1.0L車にも搭載されています。
パワートレーンをはじめ、内外装の見た目やエアコンの種類、アダプティブクルーズコントロールを含めた先進安全装備の違いなど、エントリーグレードと最上級グレードの間には大きな差があり、冒頭で紹介したように1.0Lを積む「X」はとくに装備を簡素化し、主に法人ニーズに応える仕様になっているのが分かります。
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みんなのコメント
高いヤリスはぼったくり過ぎる。