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マルチパスウェイで世界中の要望に応える! トヨタが欧州で新型「C-HR+」「bZ4X」「レクサスRZ」のBEV3車種を発表

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マルチパスウェイで世界中の要望に応える! トヨタが欧州で新型「C-HR+」「bZ4X」「レクサスRZ」のBEV3車種を発表

BEVのニーズが高い欧州に新型車を投入

カーボンニュートラルの実現に向けて「マルチパスウェイ」という戦略を採用しているトヨタ。自動車の販売地域ごとで異なる課題やニーズに対して、さまざまなパワートレインを用意することで、顧客に選択肢を提供しながらカーボンニュートラル化を進める狙いがあるのは、よく知られているところだ。

バランスの良い仕上がり でも気になることも [トヨタbZ4X試乗記:その4]

そのトヨタは、電動車の保有率が高く、バッテリーEV(BEV)の保有率が高水準にあるとされる欧州市場に向け、BEVの商品力強化を図る。

3月12日にベルギーのブリュッセルで発表された3台の新型BEV車両は、トヨタブランドから「C-HR+」と「bZ4X」の2車種、レクサスブランドからは「RZ」の1車種。いずれも欧州で主力モデルとなる小型から中型サイズのボディを備えたSUVだ。発表された各数値に関しては、欧州仕様プロトタイプの値であることに注意する必要があるものの、意欲的なこの3台の特徴について順を追って見ていくこととする。

トヨタ「C-HR+」の主な特徴

小型SUVのC-HR+へ新たにBEVを導入する。全長4520×全幅1870×全高1595mmからなるボディは、スタイリッシュなデザインを採用しつつも、広々とした室内空間や416Lの荷室を確保するなど、実用面も配慮されている。

e-TNGAプラットフォームを採用し、専用に調整されたサスペンションによって満足感のあるドライブ体験を提供することを目指し、開発が行われているという。

パワートレインに関しては、電池セルに改良を加えたふたつのリチウムイオンバッテリーを設定。標準モデルのバッテリー容量は57.7kWhで、航続距離は455km。ロングレンジモデルは容量77.0kWhのバッテリーを搭載し、航続距離を600kmまで延長している。

なお、駆動方式は57.7kWhモデルが前輪駆動のみの設定。77.0kWh仕様は全輪駆動を選択することができ、その場合はシステム最大出力が252kWまで高められ、0-100km/h加速5.2秒という俊足ぶりを発揮する一方、前輪駆動に比べ航続距離は525kmへと幾分短くなる。

新型C-HR+の欧州での発売は、2025年後半からを予定している。

トヨタ「bZ4X」の主な特徴

こちらもC-HR+と同様にふたつのリチウムイオンバッテリーが設定される。標準モデルのバッテリー容量は57.7kWhと変わぬものの、ロングレンジモデルは73.1kWhへと若干容量が減っている。ただし、eアクスルの高効率化もあり、後者の航続距離は従来型に比べ、WLTPモードで約70km延伸する予定だという。

この新型bZ4Xならではの特徴は、バッテリーを充電に最適な温度にする「バッテリープレコンディショニング」をトヨタ車として初めて搭載したことだ。これにより、マイナス10度での急速充電時間が約30分となるように開発が進められている。

bZ4XはBEV先進国といえる北欧のノルウェーでトップセールスを記録している車種であり、こうした“カイゼン”はトヨタの地域に根差したクルマづくりの真骨頂といえよう。

前出のeアクスルは出力アップが図られ、搭載するサスペンションもセッティングが見直されている。これにより走りが進化し、静粛性も含め乗り味がアップしているのだという。

新型bZ4Xの欧州での発売は、2025年後半からを予定している。

デザインが一新されたレクサスRZ

レクサス「RZ」の主な特徴

新型のレクサスRZは、ボディサイズこそ従来型と変わらぬ全長4805×全幅1895×全高1635mm(欧州プロトタイプ仕様の値)のプロポーションを維持するが、デザインは一新された。

BEVシステムは全面的に刷新され、モーターの高出力化や航続距離の伸長、充電時間の短縮が図られたという。また、プラットフォームの改良に加え、F SPORTにはレクサス初となるステアバイワイヤシステムを導入。

さらに、レクサスならではの電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」の特性が見直されたことで、「The Natural」と呼ばれる走りのコンセプトを磨き上げ、より自然で気持ちの良い走りの味「Lexus Driving Signature」を深化させたのだという。

注目は追加設定された「RZ550e F SPORT」と呼ばれるグレード。前後モーターの高出力化でシステム最大出力が300kWに達するだけでなく、手元に備わる「インタラクティブマニュアルドライブ」でマニュアル操作のように駆動力を操ることで、ダイレクト感あるスポーティな走りと操る喜びが体感できるようだ。

RZ550e F SPORTには、空力性能に根差したF SPORT独自のエクステリアデザインが与えられるほか、ステアバイワイヤ用のステアリングホイールが設定されるなど、内外に走りを想起させるデザインが散りばめられている。

レクサス新型RZは、2025年秋以降に順次各地域での発売を予定しているということだから、日本でのデビューが楽しみなところだ。

マルチパスウェイで突き進むトヨタ

直近のトヨタは中国市場向けにBEVの「bZ3C」「bZ3X」などを立て続けに発表している。それに続く形で今度は欧州市場向けのBEVを発表した形だ。

この発表会でスピーチを行ったトヨタのチーフブランディングオフィサーであるサイモン・ハンフリーズ氏は次のようなコメントを残している。

「トヨタのマルチパスウェイ戦略は非常に幅広く、各地域にふさわしい在り方があり、進化をしていくのです。トヨタは各地域で受け継がれている知識、体験、文化に敬意を払い、世界のどこであっても『町いちばん』の会社になることを目指しています」

マルチパスウェイ戦略によって適材適所に車種開発を行い、かつICEも進化させながら、HEV、PHEVを含めた電動化、さらには水素といったパワートレインのバリエーションを用意するなかで、本格化してきたトヨタのBEV展開の動き。今後の展開から目が離せない。

文:THE EV TIMES TET編集部
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みんなのコメント

3件
  • hi_********
    早く国内市場に出してほしい。
  • rai********
    実質マイナーチェンジで新型車を出せてないのが痛手。BYDは5分で400km走る車を発表したっていうのに。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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