この記事をまとめると
■雑誌「コンシューマーリポート」はアメリカで400万部を発行し、消費者に絶大な影響力を誇っている
「マツダ」が「レクサス」や「ホンダ」を押さえて全米1位の自動車ブランドに選出! 消費者の心を掴んだ理由とは?
■独自の基準で商品を評価しており、その結果によってはディスコンに追いやられるクルマもある
■過去にはワーストリストにランクインされたメーカーがテスト内容の不備を申し立てて裁判に発展したこともある
一切の忖度をしない雑誌として有名な「コンシューマーリポート」
アメリカでコンシューマーリポート(以下CR)という雑誌が幅を利かせているようです。雑誌ながら、企業の広告を一切掲載せず、公平な消費者目線で「優れた商品、受け入れがたい商品」などと評価を紹介しており、発行部数は400万部、ウェブの契約読者は700万人ともいわれています。
もちろん、商品の中ではクルマも大きな柱となっており、毎年「ベスト&ワースト」を発表するほか「避けるべき中古高級SUVと、代わりになにを買うべきか」「気温がEVの航続距離に与える影響」といったテーマの記事を配信。多数の読者、消費者からの信頼を得ている模様。ちょうど、日本にも「暮らしの手帖」という古くから消費者目線で有益な情報を掲載している雑誌があるので、そのアメリカ版、自動車版と考えてもよさそうです。
筆者もときどきCRのリストを覗くことがありますが、最近ちょっと気になることがありました。2022年と2023年のワーストリストに日本車が1台ずつランクインしているのです。これまで、CRで取り上げられる日本車はおおむね高評価であり、年度末のベストカーリストには複数台が選ばれていたのです。もちろん、両年ともベストリストに日本車がランクインしてはいるのですが、ワースト入りを見たのはここ数年で初めてかもしれません。
ちなみに、CRの選択基準というのは一にも二にも信頼性があげられており、ここではいかに壊れないか、いかに乗員の安全を確保してくれるかといったポイントが重視されているようです。また、コンシューマー(消費者)の意見もリサーチ、反映されており、満足度やときにはリセールバリュー(下取り価格への満足度)まで選考の要素に加えられているとか。なるほど、消費者にとっては頼もしい情報源なのかもしれません。実際、1980年代あたりから影響力が増し、自動車メーカーにとっても侮りがたい存在となっているようです。
「コンシューマーリポート」のテスト結果にメーカーは恐怖する
それゆえ、CRのワーストリストにランクインするというのは、アメリカで売れなくなることと等しいもの。現に、ランクインしたクルマがディスコン(生産中止)に追い込まれたことは一度や二度ではないのです。また、1996年にはいすゞのビッグホーン(北米ではトルーパー)がCRでのテスト走行中にスリップからロールオーバー(横転)という事故があった際、「Not Acceptable(受け入れ不可)」と結論づけられました。対して、トルーパーの命運がかかっているいすゞは、テスト内容に意義を申し立て裁判にもつれ込んだほど。メーカーにとって、CRはある種の脅威といっても差し支えないでしょう。
そんな視点から、2022年のスバル・アセント(アメリカ向けSUV)と2023年の日産セントラがワーストリストに入ったことを眺めてみると、両車ともリコールが発生していたことがわかりました。なかでも、アセントのリコールは重大なもので、スバルの対応は「新車に交換」という大胆な措置。もっとも、リコールが指定されたのは10台に満たないもので、新車と交換されたのは9台だったとのこと。また、セントラにしても軽微な支障で、よその国でいえば「日常茶飯事」的なリコール。ですが、CRはこれを重く見たようです。ワースト入りしている他車のほとんどが似たようなリコールが報じられています。
リコールの捉え方は各自まちまちかと思いますが、こと筆者の場合は、「じゃ、ディーラーで直してもらおう」と考え、さほど深刻には捉えません。むしろ、リコールを隠されるほうが問題なわけですからね。一方、CRは深刻に捉える派なわけで、すると400万人の定期購読者、そして700万人のウェブ読者の大半が「深刻派」と見ることができそうです。こうした「大事をとる」姿勢こそCRが支持される所以かもしれません。
たしかにクルマは安い買い物ではないし、耐久消費財、すなわち買い替えを伴う商品ですから、信頼性や耐久性、ひいてはリセールバリューに気を配るのも当然かと。そんな消費者マインドを上手にキャッチアップしたのがCRなわけで、リコールがたったひとつでも発生したらワースト候補というのも致し方ないのかもしれません。
情報化社会といわれて久しいものですが、CRのようなメディアのおかげでクルマを買うのにも失敗することが少なくなった気がします。一方で、昔のような「一か八か」でそのクルマに賭けるような買い物が懐かしく思えるのは決して筆者だけではないでしょう。
もっとも、「急にブレーキ抜けちゃう恐れあり」とか「アイドリング中に火災の可能性大いにあり」なんてのはしっかりリコールで知らせてもらいたいですがね(笑)。
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みんなのコメント
自動車メーカーの広告収入で成り立っているので、
メーカーに忖度した記事しか書けない。
どれだけ綺麗事を並べても
メーカー忖度記事しか書けない日本の車媒体は
コンシューマーレポートの足元にも及ばない。
比較する事自体がおこがましい。
生産終了になるようなクルマだから、正直にワースト評価をつけられてるってだけじゃないの?
順序が逆というか。