大きな変化がないように思えた新型N-BOX、だってプラットフォームもエンジンも先代と一緒。なのに乗ると走りが超絶進化していた!! しかも乗り心地もオデッセイ並で揺れは少ないし、めっちゃ静か!! 新型N-BOXは噛めば噛むほど味わい深いのだった。
文:伊藤梓/写真:茂呂幸正・ベストカーWeb編集部
変わってないって思ってごめん!! 乗ったら超絶進化!! 新型N-BOXがヤバすぎたぜ
■ノーマルはシンプルさがキモ!! 我らがカスタムはオトナ仕様に
ヘッドライトの両サイドにNマークが!! ヘッドライトは中央に行くにしたがい凹んでおり、それによって目力を表現!!
乗用車としても、軽自動車としても、日本で一番売れている自動車であるホンダN-BOX。スーパーハイトワゴンで使い勝手も良く、軽自動車ながらもホンダらしい技術がたくさん詰まっているモデルだ。
そんなN-BOXが、3代目としてフルモデルチェンジされた。今回は、ホンダのテストコースでその新型N-BOXに試乗することができた。
新型N-BOXは一見すると「先代とどこが変わったんだろう」と思うほど、デザインはほぼキープコンセプト。
実際に目の当たりにしてみると、全体的な雰囲気はよりすっきりとシンプルになり、カスタムについては“ギラギラ感”が薄まって、少し上質な印象になっている。
ノーマルモデルで印象的だったのは、丸目のLEDヘッドライト。先代も同じ形かと思っていたが、リング状にぐるっと瞳を取り囲むようなLEDライトの採用はこれが初めて。
さらにアウターレンズの形状をフラットにせず、えぐるような形状にすることで、生き物の瞳のような生命感を与えているそう。
ヘッドライトのサイドにある「N」マークのワンポイントも効いている。
カスタムがこれまでのような加飾パーツが減ったのは、ユーザー層の変化でもあるという。
N-BOXを購入する層が好むデザインが、いわゆる“マイルドヤンキー”的なものではなく、落ち着いた上質なものにシフトして行っているそうだ。
そのため、今回のカスタムのデザインコンセプトは「プラウド」。N-BOXカスタムを持っていることに誇りを持ってもらえるようなデザインを心がけているという。
■もはやリビング!! 新型N-BOXの内装は居心地の良さがレベルアップ
超スッキリ!! 見せない収納化が進み、まるでオシャレなリビングに!!
個人的にとてもいいなと思ったのは、インテリアの雰囲気。ごちゃごちゃしていない水平基調のダッシュボードのデザインや、ファブリックシートの自然な風合いが、座っていて「落ち着くなぁ」と感じる。
先代と比べると、センターのドリンクホルダーやドアのペン置きなどの小物入れの数は減ったが、実態を調査して使われていないものや居住空間の邪魔になっているものを減らしたのだそう。
ティッシュボックスはダッシュボードにそのまま置くタイプから、車検証と一緒にグローブボックスに入るように変更され、生活感も出にくくなっているから「おしゃれですっきりとした部屋」という印象だった。
■軽にあらず!? 静粛性も加速も感動レベルのデキ
先代と新型を乗り比べを実施したが、断然修正舵が少ないのだ!! とにかく新型は安定して走れるのだった
最初に試乗したのは、カスタムのターボモデル。運転席に座ってみると、まずは視界が広々としていることに気がついた。
先代からガラスエリアの面積は広がっていないが、メーターがステアリングの上部に出ないデザインになっているので、前方がすっきり見える。
また、サイドの補助ミラーの位置やサイズも変更されて、より直感的にクルマの周辺を確認しやすくなった。
新型のスペックだけを見れば、動力性能に大きく効くような変更はなされていないように感じる。しかし、実際に運転してみると、その差は一目瞭然だった。
先代も運転しやすかったものの、操作感や車内の静粛性など、“軽自動車っぽさ”が抜け切っていないところもあった。
それが新型では、これまでの軽自動車のイメージから一回りも二回りも上質になっている。
特にその進化を感じたのは、車内の静粛性と乗り心地、そしてステアリングフィーリングだ。
室内のデザインが上質になっただけではなく、とにかく車内が静か。
テストコース内では、100km/hほどで巡行できるシーンもあったが、外の音が気になったのは、思い切りアクセルを踏み込んでエンジンが頑張っている時だけ。
それ以外のシーンは、欧州のコンパクトカーのように静かだと感じた。静粛性に関しては、ルーフライニングの材質変更やフロアカーペットに遮音層フィルムを追加しただけだというが、ここまで変化することには驚いた。
また、先代はフロアがプルプルと震えるような振動を感じることがあったが、新型ではその振動も抑えられている。
■乗り心地激変!! そのワケが納得すぎる
静粛性はもちろん乗り心地は高級車並!! フロアやクルマ自体に伝わる揺れが激減しているのだった
そして、乗り心地がとにかく洗練されていた。
ただ単に柔らかいというわけではなく、路面にしっかりと接地するようにサスペンションがストロークするので、乗り心地の良さと安心感を同時に感じることができる。
部品も大きくは変わっていないのに、なぜここまで乗り味が変わるのか、開発者に話を聞いてみると、なんとこのN-BOXはいわゆる「1G締め」をしているのだという。
通常、サスペンションは地面から浮いた状態で締めるものだが、1G締めはクルマが地面に接地し、車重がきちんとサスペンションにかかった状態を想定して締める。こうすることによって、サスペンションの性能をきちんと発揮することができるのだ。
しかもN-BOXでは、さらに1名+αが乗車している状態を想定して締め付けているため、さらに実情にあった操縦性や乗り心地を実現できている。
CVTの制御も改善されており、加速する時やアクセルを抜いて減速する時なども前後に揺れる動作が抑えられており、これも乗り心地に効いているようだった。
また、電動パワーステアリングの設定も変更されていて、軽自動車にありがちなステアリングセンター付近のスカスカ感もなく、しっかりと自分の操作にクルマが応えてくれる感覚が心地いい。
■文句ナシ!! 唯一の注文はノーマルにターボ追加
先代は設定されていたが台数が少なかったことからノーマルモデルにターボは設定されず。どうか復活を!!
ターボモデルの後にノーマルモデルも乗ったが、どちらも乗り味はとても洗練されていて、先代以前のオーナーが乗り換えたらその違いはすぐに感じられると思う。
個人的に選ぶとしたら、全体的な質感がグッとアップしている分、より余裕を持って心地よく走ることができるターボモデルだろうと思った。しかし、新型からターボモデルを選べるのはカスタムだけになってしまったのは残念な点。
私自身は、ノーマルモデルのデザインが好きなので、こちらにターボモデルがあれば最高だったのにと思ってしまう。これまでのノーマルモデルのターボの販売比率は低かったそうなので、致し方ないことなのかもしれないが……。
■電動N-BOXはしばらく先!? 超絶期待できる回答が!!
N-BOXは、販売台数1位という実績に甘んじることなく、全体が大きく進化していると感じた。
しかし、今後のことを考えると電動化などはどう考えているのだろう。開発者に率直に聞いてみると、こんな返答が返ってきた。
「N-BOXは、おかげさまでたくさん台数が出るクルマになりました。これからの時代、もちろん電動化は考えなければいけませんが、N-BOXはある意味でお客様に一番近いクルマです。BEVなどを想定して設計すれば、バッテリーの搭載やパワートレインのレイアウトを変えなければいけません。そうなると、これまで培ってきたセンタータンクレイアウトや、それによってダイブダウンできるシートなどもできなくなってしまいます。これまでのN-BOXのパッケージを崩してしまえば、それが死活問題になるお客様もいる。今の時代でも、N-BOXの価値をしっかり提供できるのはこの形だと信じて作り込んできたのが新型です。電動化はまた適切なタイミングを見て進めていきます」
本当のオーナーを置いていくことなく、より生活に寄り添った進化を続けているN-BOX。新型は、その覚悟と責任をしっかり感じられるモデルになっていた。
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ホンダからいくらもらった?www