トヨタのクルマづくりの奥深さを、世良耕太が考えた!
ブレないクルマづくり
3シリーズがSUVになってもイイじゃん!──新型BMW X3 xDrive 20d試乗記
4代目にあたる新型トヨタ・ノア/ヴォクシーは今年1月13日に発売された。前年に先行受注を開始してから1ヵ月経過した時点での受注は3万台を超えていたという。新型の月販基準台数(月販販売目標台数)はノアが8100台、ヴォクシーが5400台で、合わせて1万3500台だ。つまり、月販目標台数の2倍を超える台数を発売前に受注していたことになる。注文した人たちは、実車はおろか、新型がどんな形になるか詳細を確認せず注文したことになる。
大胆な賭けにも感じられるが、発売前に注文した人たちはトヨタが開発するミニバンの出来に全幅の信頼を置いており、不安など一切抱いていないのだろう。開発責任者はこう言った。
「2001年11月に発売された初代ノア/ヴォクシーは、ファミリーのお客様に喜んでいただけるうれしさを徹底的に追求したミニバンとして開発されました。それから20年間、そのコンセプトはノア/ヴォクシーの変わらない軸として受け継がれ、お客様の声をいただきながら常に進化を続けてきました」
初代から2代目、2代目から3代目と進化を遂げる過程で、使いやすさを追求したクルマづくりの軸はぶれることがないとの認識が定着した。
だから、実車も見ず、内容をつぶさに確認しなくても、「大丈夫だ」と、自信を持って注文できるのだ。
ミニバンはファミリー向け。だから、子育てが終わったらユーザーはミニバンから卒業するのだろうと、筆者は勝手に思い込んでいた。もちろんそういうユーザーは多いが、既存ユーザーの半数は新しいノア/ヴォクシーに乗り換えるという。
「なんでも載せることができて、気軽に使える便利さ」が、乗り継ぐ理由だと、開発サイドは分析している。
それにしても、ノア/ヴォクシーからノア/ヴォクシーへの乗り換えは、開発サイドが想像するより多いという。よほど、厚い信頼を得ているとみえる。
乗って快適
その信頼に応えるべく、新型は「もっといいミニバンとは何か」を徹底的に考え、4つのポイントに集約して開発した。
ひとつめは「乗って快適」であること。新型はトヨタの新世代プラットフォームであるTNGAを採用し、車体骨格をしっかりさせた。
より正確にいえば数あるTNGAプラットフォームのなかでGA-Cプラットフォームを使っている。2015年の「プリウス」を手始めに、「カローラ」シリーズや「C-HR」、レクサス「UX」などがこのプラットフォームを採用している。
GA-Cを採用したのは、「気持ち良い走り」と「乗り心地の向上」のためだ。ただ、このプラットフォームは全幅1760mmで設計されているのが、開発陣にとっては悩ましかった。プラットフォームを真っ当に受け継いで設計すると、新型ノア/ヴォクシーの全幅は1760mmになってしまう。
さすがにそれではユーザーに受け入れてもらえないと考え、1730mmまで絞った。先代の全幅は1695mmの5ナンバーサイズ(エアロパーツ装着車は1735mm)だったので、35mm幅広の3ナンバーサイズになってしまうが、許容範囲と判断。むしろ、幅広になったことにより、後ろから見たときのスタンスの良さが好感を持って受け止められると考えた。
そしてタイヤ&ホイールのサイズは先代の15インチまたは16インチから、16インチまたは17インチとワンサイズ上げた。「タイヤが小さい」という不満の声に応えるためでもあった。確かに、タイヤ&ホイールの大径化により、スタイル面のバランスははるかに良くなっている。
新型ノア/ヴォクシーは先代と同様、ガソリン車とハイブリッド車を設定する。シリーズパラレルハイブリッドシステムは新世代に刷新され、クラストップの燃費と心地良いなめらかな加速感を実現したという。
ハイブリッドシステムを新しくしたのは、ガソリン車よりもこっちを選んでほしいという開発サイドの思いが込められている(カーボンニュートラルの実現に近づくためにも)。
内側にスライドさせずにロングスライドさせることが可能になった2列目シートの採用も、「乗って快適」につながるポイントだ。
新たな価値を生み出す
もっといいミニバンにするためのふたつめの策は、数々の便利機能である。
“からくり”を用いて成立させた格納式ステップは、モーターを使う従来式に比べて格段に安価なオプション設定とすることに成功。バックドアにもからくりを使い、任意の場所で中間停止ができるようになった。
3列目シートは従来のようにストラップで固定する必要がなく、片手でワンタッチロックを可能にし、使い勝手を高めている。また、「硬い」と不評だった3列目シートは、薄型化したにもかかわらず、座面の仕様を変えることで座り心地を向上させた。
3つめの策は、視界の良さと先進安全装備だ。Aピラーの細幅化と大型三角窓の採用で、見通しが良く、安心して運転できる視界を確保。先進安全装備については、「お客様のご要望に応える」べく、トヨタが現在持つ最新の技術を惜しみなく投入した。結果、より幅広いシーンで安全運転をサポートできるようになった。
4つめのポイントは、スタイリングである。ノアには「標準モデル」と「エアロモデル」の2種類を用意。標準モデルは「堂々・モダン」がテーマだ。エアロモデルは「王道・アグレッシブ」をテーマに、従来以上の迫力を与えている。若年層や個性を重視するユーザーをターゲットとするヴォクシーは、「先鋭・独創」をテーマに、より個性的なデザインを採用した。
新型ノア/ヴォクシーは、20年におよぶミニバンづくりで培った経験をもとに、それだけ長い年月を費やしても「まだ足りない」点を改善し、新たな価値を生み出している。従来型より良くなることが高い確度で予測がつくから、3万台以上の事前受注に結びついたのだろう。じゃあ、内容を知ったあとではどうなるのだろうか? きっと、トヨタからうれしい悲鳴が聞かれることになるのだろう。
文・世良耕太
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みんなのコメント
そりゃトヨタてメーカーが洗脳した所だろな
実際に出来損ないて新型出る度にトヨタがカミングアウトしてるし