光岡自動車がSUVのバディを一部改良し、今年12月2日より販売を開始した。2020年11月26日の先行予約受付開始から問い合わせが殺到し、当初予定していた年間150台の生産計画を300台にまで拡大しているという。
しかし、納期は約2年と長期化しており、光岡ではさらなる増産計画の準備を進めているのだが、ここまでユーザーから大きな支持を受ける理由について、アメ車好きの九島辰也氏が分析する。
「今年のクルマ」決定!! …でも選ばれると売れないという声も…過去5年のイヤーカー中古車事情
文/九島辰也、写真/九島辰也、平野 学、光岡、シボレー、JEEP
[gallink]
■注文殺到で、今注文しても2023年9月生産以降に
ゼロワンやビュート、オロチといったモデルで都度話題になるミツオカが、今さらに盛り上がっている。理由は自身初となるSUV、バディの登場。このクルマの注文が殺到しているらしい。
このクルマがミツオカ「バディ」。ベースはトヨタRAV4だが、アメ車のディーラーでもあり、アメ車を知り尽くしたミツオカが作ったこともあり、本格的なアメリカンSUVに仕上がっている
ホームページを確認してもらえばわかるが、今(2021年12月現在)注文しても、2023年9月以降の生産枠になるとか。多くのクルマ好きが飛び付いたのだろう。確かに、個人的にも気になる。バディのスタイリングはかなり好みだ。
バディが気になる理由は2つある。
ひとつはその前に登場したロックスターに惚れてしまったこと。創業50周年記念に作られたこのクルマはかなりイケてる。ロングノーズ&ショートデッキのFRパッケージングを活かしたフォルムは理想的だし、ベースモデルのマツダロードスターよりサイズアップされたことで、僕のような身長180cmの体型とのマッチングもいい。
こちらは同じくミツオカの「ロックスター」。ベースがロードスターとわからないくらい、こちらもやはり「アメ車然」として仕立てられ、大人気となった
デザインはC2コルベットに似ているが、それもオマージュと考えれば納得。これをかっこいいと感じた人が多く、限定200台はあっという間に申し込みを完了したそうだ。バディはそのロックスターにつながるセンスを強く感じる。
■バディのベースはRAV4。外観はアメ車だが中身は日本車の安心感あり!
もうひとつの理由は、現在RAV4アドベンチャーをカスタムして乗っていること。よってこのクルマのポテンシャルの高さを知っている。
僕のRAV4アドベンチャーは左ハンドルの逆輸入車で、オールペンして車高上げて、フォグランプ9個足して、オーバーフェンダーで全幅広げて、グリルをワンオフでこしらえて、オールテレインタイヤにMLJのホイール履いて、リアにハシゴ付けて……、なんて原形をとどめていないが、それでもスタイリングはバシッと決まる。
なので、バディが違和感なくデザインされているのもわかるし、色々イジっても走りや、快適性に不安がないことも想像できる。
■バディのキモは本格的なアメ車ルックを実現したことだ
ということで、気になるバディを解説したいと思う。
このクルマのキモはデザイン。というか、それしかない。が、そのクォリティは実車を見れば見るほど高く、感心させられる。ひと言でいえば、相当アメリカ車を熟知している人が描いた作品だ。中途半端に「それっぽく」というのとは次元が違う。
例えばフロントグリル。一見して親和性を感じるのはシボレーだろう。第2世代の1980年代K5ブレイザーあたりを思い出す。ヘッドライトが縦に二段になっているのがそれで、当時のトレンドであった。昔乗っていたXJワゴニアもそう。スクエアなグリルの格子と四角いヘッドライトが時代を表している。
バディの顔。縦に2段のヘッドライトにメタル感満載なスクエアな格子状ラジグリを組み合わせる。これによって醸し出すアメ車感は半端ない
しかも、バディのグリルはそれが逆スラントに取り付けられているのがニクイ。この辺は1970年代デザインからの傾向で、ミッドセンチュリーの流れを汲む。バディにクラシックな印象を得るのはこういうディテールの処理が関係していることだろう。
ちなみに、フロントグリルを作り替えたことで、ボンネットとフェンダーも専用デザインになった。ボンネットは抑揚あるデザインが得られ、フェンダーにエアダクト的なアクセサリーが付けられたのもメリットとなる。
■リアゲートやバンパーにもバディならではのオリジナリティが与えられた
その流れから言うと、リアゲートの処理もおみごと。角度の付いたリアピラーをうまく利用し、1960年代のステーションワゴン風に仕上げている。1980年代はリアガラスが直立していたので、そこをあえてオールドスクールに振ったのだろう。
バディのリアスタイル。RAV4の傾斜したリアガラスをうまく活用し、角ばったフォルムが流行した1980年代よりさらにさかのぼった、1960年代のステーションワゴン風に仕上がっている!!
となれば、テールランプは縦型になるし、横長の化粧プレートが装着される意味もわかる。しかもこのプレートをウッド調にしていないのが絶妙ワザ。ウッドにすれば全体の雰囲気を作るのは簡単だが、C調になってしまうのは明白。
「いかにも」とか「やり過ぎ」な仕上がりになっていたであろう。それに現代車RAV4との整合性も微妙に合わなくなってしまったかもしれない。まぁ、その辺は深読みだろうけどね。
前後のバンパーも特筆すべきポイント。なんと樹脂製バンパーをメッキ加工して装着している。軽く叩いてみるとわかるが、見た目では判別できないクォリティだ。ここも実際のメッキバンパーにしないセンスのよさと賢さを感じた。いいアイデアだ。
■アメ車を熟知したミツオカだからこそやりすぎ感なくバディを仕上げることができた
タイヤとホイールについては、グレードとオプションで変わるが、デフォルトとなるテッチンホイール+メッキのホイールキャップで充分かっこいいと思う。ボディカラーによって白と黒があるみたいだからそれに見合ったものを選べばいい。ただ、1990年代から自力で愛車のホイールを黒く塗ってきた立場から言うと、断然黒がかっこいいけどね。
タイヤはBFグッドリッチのオールテレインがベストマッチング。ホワイトレターがアメリカンな雰囲気をさらに格上げしてくれる。ここもアメリカ車を知っているさすがのチョイスだ。僕のRAV4も当然このタイヤである。
オプションながらホワイト塗装のスチールホイールに、BFグッドリッチのホワイトレタータイヤを装着することも可能。バディのデザインにベストマッチな組み合わせだ!!
インテリアは、ドアトリム、センターコンソール、それとシートにオリジナルラインが入ったり、ステアリングセンターにロゴが飾られたりするにとどまる。これもいい塩梅だ。と言うのも、RAV4のインテリアは使い勝手がよく特に手を入れるところはない。
なので、例えばダッシュパネルなどにウッドパネルを貼り始めると徹底的にやらないと陳腐になってしまう。よって大げさに手を入れないのが賢い選択なのだ。もちろん、僕のRAV4もあえてそこは手を入れずにしている。
と言うのがバディの概要だ。ベースモデルを違和感なく上手にアメリカンテイストに仕上げた。アメリカ車の販売を長年しているディーラーをグループに持つミツオカだけに、何もかもを熟知しているといった感じだろう。ミツオカのこのシリーズはそもそもキットカーの発想から始まったというが、もはやコンプリートカーである。
■バディ悩みは長期化する納期。でも納車されれば、ハッピーなカーライフが待っている!
日本にはこうした車両を受け付けない人もいる。オリジナル至上主義派だ。が、今回の販売状況を鑑みると時代は変わったと思う。オリジナルよりも強い個性やスタイルがあればそれは受け入れられるのだ。
自動車先進国のアメリカや英国などではこの手のコンプリートカーはたくさんあって、高く評価されている。カーカルチャーが成熟する上においてごく自然な流れであろう。
日本でここまで人気沸騰のコンプリートカーがあっただろうか? ただバディを見る限り、ベースがRAV4なだけで、バディとしてのオリジナルの世界観を構築してしまったように見える。だから人気なのだ
それはともかく、バディの難点は納車に時間がかかることと、カラーリングをどれにするか迷うことだ。納期は自分じゃ決められないが、色は決めなくてはならない。
ポップな「80´れと「ビーチベージュ」なんかも捨て難い。いずれにせよ考えるだけでワクワクさせてくれる。
ミツオカ恐るべし。ガレージにバディとロックスターを並べたら、かなり実用的なハッピーカーライフが送れそうだ。
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