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なぜ3位に急上昇? ルーミー販売増の要因はどこ? アルヴェルも追従なるか

掲載 更新 18
なぜ3位に急上昇? ルーミー販売増の要因はどこ? アルヴェルも追従なるか

■トヨタ勢強し! そのカラクリとは

 2020年11月6日、日本自動車販売協会連合会(以下、自販連)は、10月の登録車販売台数を公表。トヨタ「ヤリス」が2か月連続で首位に輝きました。
 
 その一方で、トヨタ「ルーミー」が前9月の7位(8084台)から10月では1万1487台を記録し、3位に急上昇したのです。ルーミーに何があったのでしょうか。

【画像】これがルーミー!? イメチェンしたイカす姿を見る!(35枚)

 10月の登録車販売台数TOP3は、1位トヨタ「ヤリス」(1万8592台)、2位トヨタ「ライズ」(1万3256台)、3位トヨタ「ルーミー」(1万1487台)となっています。

 なお、9月のTOP3は1位トヨタ「ヤリス」(2万2066台)、2位トヨタ「カローラ」(1万3579台)、3位トヨタ「ライズ」(1万3077台)です。

 自販連の公表する販売台数では「ブランド通称名」として表記されており、ヤリスの場合は、ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリスの合算。

 カローラではカローラ/カローラツーリング/カローラスポーツ/カローラアクシオ/カローラフィールダー/教習車」の合算となっています。

 そのなかで、3位に急上昇したルーミーは一見すると単体車種のように見えますが、実は2020年9月15日のマイナーチェンジで大きな変化があったのです。

 ルーミーは、ダイハツ「トール」のOEM車で、2016年11月9日にトールとルーミー/タンクを発売。同年11月21日にはスバル「ジャスティ」が追加され、4兄弟として展開されていました。

 なかでもルーミー/タンクは、コンパクトワゴンながら広々とした空間の「Living」と余裕の走りの「Driving」を掛け合わせた「1LD-CAR(ワン・エル・ディー・カー)」というコンセプトで、居住性の高い室内と1リッターエンジンによるキビキビとした走りが人気を博しました。

 2020年上半期(1月から6月)でも8位ルーミー(3万7622台)、14位タンク(2万8458台)と売れ行きは好調だったのです。

 しかし、前述のマイナーチェンジによってタンクはルーミーに統合される形でタンクの車名が廃止。

 その代わりに、新型ルーミーのグレード体系としてルーミーの外観を引き継ぎつつ迫力を増したデザインの「カスタムG/カスタムG-T」。タンクの外観を引き継いだ「X/G/G-T」という設定となり、面影を残しています。

 その結果、マイナーチェンジ後の販売では、これまでタンクに興味を持っていたユーザーがルーミーに集約された結果、10月の販売台数が増加し、3位に急上昇したのです。

 直近の販売動向について、販売店スタッフは次のように話します。

「タンクが廃止されるということで、『なぜ無くなるのか』『その後どうなるのか』といった問合せを頂きました。

 また、マイナーチェンジ後ではタンクに関心を持たれていたお客さまが自然とルーミーに流れています」

※ ※ ※

 2020年に入ってからのタンクは、1月13位(4893台)、2月12位(6159台)、3月13位(8261台)とコロナ前では好調な販売を見せており、コロナ禍とされる4月から8月では単月2500台から3000台と勢いを落としていました。
 
 また、販売店によると「タンクのオーダーストップは8月中頃」だったとしており、9月のTOP50から姿を消していた状況です。

 そして、10月にはタンクの約3000台にルーミーの約8000台を合わせた1万1487台を記録し、瞬く間にTOP3の仲間入りを果たしたのです。

■今後は、アルヴェルやノア三兄弟もTOP3入りなるか。

 今後、ルーミー/タンクのように統合した結果、販売台数を伸ばす車種が増えていくといいます。

 その要因として、トヨタが「今後、車種の数を半減させるため、統合や整理を進める」という方針を打ち出しているためです。

 そのなかでも注目されているのが、高級ミニバンとして人気を博す「アルファード」とその兄弟車となる「ヴェルファイア」です。

 とくに、2020年に入ってからのアルファードは怒涛の追い上げを見せており、これまで販売台数ではTOP15-20が定位置でしたが、2020年1月の一部改良や5月の特別仕様車追加、法人需要の増加などによって、10月は5位の1万93台を記録しました。

 アルファードは、エントリーグレードが約350万円からと決して安価な価格帯ではないものの、多くのユーザーから高い支持を得ています。

 一方ヴェルファイアは、基本的にアルファードと同じ性能・価格帯・販売網にも関わらず、10月は38位の1261台と大差が付いています。

 元々、販売台数においてはヴェルファイアの方が上でしたが、2017年のマイナーチェンジあたりからアルファードが逆転して、僅差でヴェルファイアが追いかける状況が続いていました。

 しかし、2020年5月にトヨタの全店舗で全車種を取り扱うという販売体制の変更で、アルファード需要が高まった結果がこの大差に繋がっています。

 では、今後アルファード/ヴェルファイアはルーミーのように統合されるのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「現時点ではまったく情報はありませんが、ルーミーを見ている限りアルファードに一本化される可能性は高いと思います。

 また、最近ではヴェルファイアの販売台数が落ちていますが、これまでは2台ともそこまで差はなかったので、今後一本化されればルーミーのようにさらなる販売台数を記録するのではないでしょうか。

 そして、トヨタの車種統合で話題となるのがノア/ヴォクシー/エスクァイアの3兄弟です。

 元々は、ノア/ヴォクシーの2車種展開でしたが、2014年に高級志向の専売モデルとして発売され、現在の3兄弟体制となりました。

 しかし、最近では、ヴォクシー、ノア、エスクァイアの順で売れており、エスクァイアに関してはノア/ヴォクシーに大きな差を付けられています。

 この3兄弟について、前出の販売店スタッフは次のように話します。

「ノア/ヴォクシー/エスクァイアに関しても現時点では情報はありませんが、噂では2021年にフルモデルチェンジするのではないかといわれています。

 おそらく統合されるのであればこのタイミングが高いのではないでしょうか。また、『ノア/ヴォクシーだけ残してエスクァイアは廃止』や『ノアだけ残してほかは統合』など色々な噂が出ています。

 どちらにせよ、単体の車種となれば販売台数的にも伸びるのと、お客さまにとってもシンプルで分かりやすくなりますので、販売現場としては期待しています」

※ ※ ※

 今回、ルーミーがタンクと統合した結果、販売台数を大きく伸ばしました。今回、アルファード/ヴェルファイアやノア/ヴォクシー/エスクァイアが統合されれば、自販連の登録車販売台数の上位は、ますますトヨタ勢で占められるかもしれません。

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みんなのコメント

18件
  • ルーミーとライズはハイブリッドないのに売れてるのがすごい
  • トヨタが強過ぎるのか、他が弱過ぎるのか。はたまた、大衆車の成熟による白物家電化、ガジェット化が進み、白物家電やスマホがそうであったように、上位数社による市場の寡占が進む前兆なのか。市場環境的にも、CASE化が進めば進むほど、薄利多売に耐え得る超巨大メーカーじゃないと生き残れなくなるというけれど・・・。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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