伊アウトモビリ・ランボルギーニは2024年4月24日(現地時間)、スーパーSUV「ウルス」のプラグインハイブリッド(PHEV)モデル「ウルスSE」を発表した。
新時代のプラグインハイブリッドスーパーSUVを謳うウルスSEは、パワートレインに内燃機関モデルのウルスと同ユニットの3996cc・V型8気筒DOHC直噴ツインターボエンジン(最高出力620CV〈456kW〉/最大トルク800Nm)と、電子制御8速ATおよびAT内に組み込んだ永久磁石同期電気モーター(最高出力141kW/最大トルク483Nm)、総電力量25.9kWhのリチウムイオン電池を搭載。システム最高出力は588kW(800CV)、システム最大トルクは950Nmを発生する。駆動機構にはフロントアクスルとリアアクスルに駆動トルクを可変的かつ継続的に配分する電動トルクベクタリングシステムと、新しいリア電子制御リミテッドスリップデファレンシャルを採用。懸架機構は前後に専用セッティングのセミアクティブダンパー&エアスプリング車高調整システム搭載マルチリンク式サスペンションを装備し、操舵性を高めるダブルステアリングアクスル(リアホイールステアリング)も設定した。
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ドライブモードとしては、従来のウルスのANIMA(STRADA/SPORT/CORSA/SABBIA/TERRA/NEVE)に加えて、EV Drive/Hybrid/Performance/Rechargeを新設定したことがトピックだ。EV Driveでは航続距離60km、最高速度130km/hまでのEV走行が可能。また、Hybridではエンジンとモーターを併用してエネルギー効率を最大化する。さらに、PerformanceではスーパーSUVとしての走行性能を最大限に高め、Rechargeではパフォーマンスを維持しながらバッテリーを最大80%まで充電できるようにセッティングした。ドライブモードの切り替えは、センターコンソール部に配した“tamburo”と称するセレクターによって実行する。なお、性能面では0→100km/h加速がウルスSより0.1秒速い3.4秒、最高速度がウルスSを7km/h上回る312km/hを実現している。
エクステリアについては、SUVデザインの枠組みを転換させた既存モデルのスタイル原則を再定義し、同時にエアロダイナミクスのさらなる効率アップを狙って、随所にアップデートを施したことが特徴である。フロント部はランボルギーニの象徴である闘牛から着想を得た新しいライトシグネチャーを組み込むマトリクスLEDヘッドライトや新造形のグリルおよびバンパー、切れ目のない新しい流線形フードなどを配備して、より精悍で印象的なマスクを創出。一方でリアビューは、ガルヤドからインスピレーションを受けた新デザインのバックドアや新造形のパンパーおよびディフューザー、Y字型にアレンジしたコンビネーションランプ、より低く配置したライセンスプレートなどによって、スポーティかつ存在感あふれる後ろ姿を具現化した。エアロダイナミクス性能も最大限に重視し、新デザインのリアスポイラーによってリアのダウンフォースをウルスS比で35%高めたほか、ボディ底部の新しいエアベントや改良したエアダクト、新造形のバンパーおよびディフューザーなどによって空気の流れを従来のウルス比で15%改善する。ブレーキシステム専用のエアフロー制御の改良を図って、空気冷却性能を従来のシステム比で30%向上させたことも訴求点だ。ブレーキ自体には、前φ440×厚40mm/後φ410×厚32mmのカーボンセラミックディスクを装着。また、足もとには前9.5J/後10.5J×21アロイホイール+前285/45/後315/40ZR21タイヤを標準で組み込んでいる。
内包するインテリアは、ランボルギーニのデザインDNA“feel like a pilot”がより際立つように刷新したことがトピックだ。センター上部に配した12.3インチの大型タッチスクリーンディスプレイには、グラフィックの更新によって直感的に使用できる新バージョンのヒューマンマシンインターフェース(HMI)を採用。また、ウルスSE専用のテレメトリーシステムと、周辺環境の認知を高める運転支援システムの操作に使う新型ディスプレイも用意する。さらに、新造形のエアベントやY字を描くアルマイト加工のアルミニウムトリムエレメント、新しいカバーリングを施したインパネおよびダッシュボード、新表皮のシートなどを配して、スポーティさと軽量感をより強調した。
なお、ウルスSEは4月25日に北京モーターショーで実車が初披露され、4月30日には米国のニューヨーク、5月2日にはイタリアのボロネーゼでも公開。受注はすでに開始しているという。
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