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スバル・レヴォーグがマイナーチェンジ 「熟成」重視 その評価は? 試乗記

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スバル・レヴォーグがマイナーチェンジ 「熟成」重視 その評価は? 試乗記

■どんなクルマ?

動的質感と乗り味に目をつけた

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スバル・レヴォーグが走りの面を中心にマイナーチェンジを受け2017年7月3日より発売された。「総合安全性能」と「ツーリング性能」を大きく強化したというのがスバルの謳い文句だ。

レヴォーグは2014年に発表されたモデルでコンセプトはスポーツツアラー。スポーツカーとスバルでは位置づけるWRX STIのスポーツ性と、ツーリングワゴンであるレガシィの機能性を持ったモデルとして開発された。

これまでにレヴォーグには、いくつかの改良が加えられてきた。ひとつはアドバンストセーフティパッケージの設定。もうひとつは専用チューニングの足回りを与えられるなどしてよりスポーティなSTIスポーツというグレードの新設定だ。

現在は1.6 GT、同GT-S、2.0 GT-Sに加え、1.6 STIスポーツと2.0 STIスポーツとでラインナップが構成される。

今回の眼目のひとつは、全車速域で加減速、ブレーキ、ステアリングホイールの操作をサポートするアイサイトの新機能「アイサイト・ツーリングアシスト」をスバルとして初搭載した点。

ツーリングアシストは全車速追従機能つきクルーズコントロールのさらなる進化形だ。0km/hから60km/hまでの範囲で作動。車線に関係なく自動ステアリングで先行車についていく。

加えて、100km/hを超え120km/hまでアシストする領域が拡大している。「一部高速道路における最高速度の引き上げが検討されていることに前もって対応しました」とスバルの技術者は述べている。

安全性能においても技術が追加された。後退時障害物との接近距離を知らせ、さらに加速抑制と最終的には制動を行う「後退時自動ブレーキ」だ。

「フロントビューモニター」はフロントグリルに広角カメラを設定したもの。左右が見にくい交差点などで接近車両などの存在をモニターするこで出合い頭の事故を防ぐ。

ほかにも新採用の安全支援技術はあるが、もうひとつ注目すべきは運転の楽しさがさらに拡充したことだ。

注目すべきは「舵の正確性」

レヴォーグはスバルのラインナップにおける最も売れ線の車種だ。機能性が高いことと、走りが楽しめることが、うまく両立しているから多くのひとが評価している。

走りのよさを追究することで知られるスバルでは、新しいレヴォーグにおいて、さらに走りの質の向上に磨きをかけた

とりわけ注目すべきは「舵の正確性」。スバルの開発者は、「ステアリングホイールを切ったときの車両の動きである操舵フィーリングが大きく改善されています」と胸を張る。

スバルではパアーステアリングのシステムを見直している。サーボを大型化して位置変更したのだ。その目的として「(ステアリングホイールの)きり始めから自然でなめらかな操舵フィーリング」と「自然なフィーリングの(ステアリングホイールの)戻り」があげられている。

■どんな感じ?

実際に体感できる操舵感覚の違い

はたして操縦すると、従来型に比較して操舵感覚の向上ぶりには驚かされた。ステアリングホイールの動きにじつにスムーズにクルマが反応する。

テストコースでの小さなコーナーでの取り回しのよさで改善ぶりは顕著だ。軽く気持ちよく狙ったとおりのラインでクルマがすっと曲がっていくのだ。

ステアリングホイールが中立位置に戻るときの力(セルフアライニングトルク)が増したのも、気持ちよい操縦性に寄与している。

とりわけコーナーが連続するような道では、新しい設定の恩恵を強く感じる。切り込めばロールは抑えながら自然な姿勢で車両は曲がっていく。

出口ふきんでステアリングホイールを握る力をゆるめることですぐに直立位置に戻る。そこからまた切り込んでゆけばよい。すばやい転舵が必要なときでも従来よりはるかにスムーズに対応できる。なにより楽しい。

サスペンションの一部が見なおされているうえ、おそらく溶接など車体の剛性も見なおされているのではないかと思われる。運転の楽しみをレヴォーグに求めるひとは、新しいモデルにぜひ乗ってみるといいだろう。

売れ線の1.6ℓの商品力がアップしたのももうひとつの特筆点だ。


もっとも売れているのは「1.6 GT」

レヴォーグを排気量でわけると大きくふたつになる。170psの最高出力と25.5kg-mの最大トルクを持つ1599ccの1.6。もうひとつは300psと40.8kg-mの1998ccの2.0だ。GT、GR-S、STIも同じである。

エンジン形式は共通で水平対向4気筒。これにリニアトロニックとスバルでは呼ぶ無段変速オートマティックギアボックスの組み合わせだ。全車フルタイム4WD(スバルではAWDと呼称)搭載となる。

もっとも売れているのは1.6 GTで全車種の約8割を占めるとスバルの広報ではいう。市場が大きいぶんドライバーの志向の幅も広い。

従来型では乗り心地が硬めだという声に対応して、今回1.6のみコイルのバンプストローク延長と、バネ常数を下げることですこしソフトめの設定としている。

加えてガラス厚を厚くするなど静粛性への気配りもされていて、新型は静かなクルマになった。1.6ではとくに快適性志向が強まったといえる。

運転すると先に触れたような楽しい操縦性は1.6にも顕著だ。無断変速機ながら段付き感を出して、スポーティな気分を盛り上げてくれる「オートステップ変速」は2.0に続いて今回1.6にも採用された。

2.0では40.8kg-mもの最大トルクが2000rpmから発生しはじめるためことさらパワフル。かつやや足回りがしっかりとスポーティすぎると感じるひともいるかもしれない。

そういうこともあり、1.6と2.0という2車のキャラクターのちがいがここにきてより明確化したといえる。それはいいことだと思うのだ。

個人的にはしなやかなステーションワゴンが欲しければスバルにはアウトバックという選択肢もあるので、レヴォーグなら操縦性の楽しさがより際立つ2.0を推したい気持ちが強い。

「スポーツツアラー」ならではの使い勝手も工夫

実用性にも手を抜いていないのがスバルらしいところだ。新型では後席シートのバックレストが4:2:4分割方式に変更された。こちらのほうがより幅広い荷室アレンジに対応できるようだ。

後席バックレストは荷室のボタンで倒せるうえ、倒れるときに手などはさまないようストラットでソフトな動きを実現しているのも実用的で評価したい。

荷室をいっぱいにする使い方が多いというひと向けに「スマートリアビューミラー」が用意されたのも新型の特長だろう。

従来の物理的なミラーだと荷室にかさのあるものを積むと後方視界がさえぎられてしまっていた。そこでスバルではリアゲートでしかもワイパー払拭エリアにリアビューミラー用カメラを設定。

液晶タイプのリアビューミラーは荷物は乗員に影響を受けることなく、かつ従来のミラーよりより広い角度の視界を確保することができる。

■「買い」か?

レヴォーグは他に類のない商品として、おおいに評価したい。スバルのウリのひとつである安全技術も増え、先進的安全性という新しい時代の要請と、そもそもの運転の楽しさを両立させているという意味で貴重なのだ。

価格は1.6ℓ車が1.6 GTアイサイトの2,829,600円から1.6 STIスポーツの3,564,000円まで。2ℓは2.0 GT-Sアイサイト(3,618,000円)と2.0 STIスポーツ(4,050,000円)となる(すべて税込み)。

スバル・レヴォーグ1.6 GTアイサイト

■価格 2,829,600円
■全長×全幅×全高 4690×1780×1495mm
■ホイールベース 2650mm
■乾燥重量 1540kg
■エンジン 水平対向4気筒1599ccターボ
■最高出力 170ps/4800-5600rpm
■最大トルク 25.5kg-m/1800-4800rpm
■ギアボックス CVT
■サスペンション ストラット式 / ダブルウィッシュボーン式
■ブレーキ ベンチレーテッドディスク
■タイヤ 215/50R17
■燃費(JC08モード) 16.0km/ℓ
スバル・レヴォーグ2.0 GT-Sアイサイト

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