現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 街中で乗っても面白い!──新型トヨタ・ランドクルーザー70試乗記

ここから本文です

街中で乗っても面白い!──新型トヨタ・ランドクルーザー70試乗記

掲載 9
街中で乗っても面白い!──新型トヨタ・ランドクルーザー70試乗記

復活したトヨタの新しい「ランドクルーザー70」は、悪路はもちろんのこと、街中で乗っても楽しい1台だった! 小川フミオがリポートする。

人気は衰えない

新しいノート・オーテック・クロスオーバーが出た!──GQ新着カー

トヨタが2023年11月に“再”デビューさせたランドクルーザー70。乗っていて刺激があり、運転する喜びが感じられる。本格的クロスカントリー型4WDだが、じつは万能選手。クルマ好きはハマると思う。

驚くのは、1984年のデビュー以来、ランクル70の人気が衰えていないことだ。機械式腕時計、スニーカー、ビニール盤などとどこか共通していて、市場のトレンドを超越した商品性に惹かれる人が多いのだろう。しかも、ほかのプロダクトと異なり、ランクル70はお買い得な価格設定でもある。

乗ってみると、けっしてイメージだけでない。名作スニーカーの復刻といっても、ソールもアッパーも素材が少しずつアップデートされているし、場合によってはデザインにも手が入っている。ランクル70にもそんなところが感じられた。

今回発売されたモデルは、2.8リッター直れる4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最大トルクは500Nmだ。それが1600rpmから2800rpmの間に発生する設定。オフロードで扱いやすいうえに、これだけ太いトルクなので街中でも乗りやすい。

今回はオフロード走行ではなく、街中での試乗記となる。私としては、2014年に4.0リッターV6ガソリンエンジンとマニュアル変速機を組み合わせた「発売30周年記念復活モデル」以来の、市街地ドライブだ。

車体の反応性がイイ!乗り出したときこそ、大径のハンドルを“グルグル”と速く切らなければコーナーを思うように曲がっていけない。一瞬とまどったけれど、すぐに慣れた。思いのほか車体の反応性が高いからだ。

シャシーは、いまや貴重なセパレートフレーム式。スズキ「ジムニー」とランクル70ぐらいでしか採用していない、本格的クロカン4WDの定番だ。長所のひとつは、路面のショックを吸収してくれ乗り心地に貢献してくれるところ。トヨタ「クラウン」だって1990年代初頭までは、乗り心地が上質だからと、セパレートフレームだったのだ。

もうひとつ、乗り心地について感心したのは、シートだ。クッション性が実によい。シートの下に衝撃構造を採用しているようで、乗員はつねにフラットな姿勢でいられる。走行中のホールド性もよい。

大きなハンドルを持って、アクセルペダルを踏み込むと、かつてに較べればだいぶ静粛性の高まったディーゼルユニットの“ガラガラ”という音とともに発進。2000rpmを超えたあたりでターボチャージャーがしっかりまわり始めるのか、体感的にエンジントルクがしっかり出てきたのを感じる。そこからの加速性はとてもよい。

価値ある480万円東京の首都高を走っていても、流れをリードできるぐらいのスピードは出せるし、コーナリングも、慣れればそれなりのペースで走行可能。SUVではないので、乗用車的……とまではいかないものの、信頼をおける走行感覚で、私はたいへん好感をもてた。

後席は階段状というのか着座位置を前席より高くして、そこに座ったひとの前方視界を確保している。これはファミリーユースにも良いはずだ。このシートは分割可倒式で、そもそも広い荷室だけれど、左右とも倒せば、奥行きが1355mm、幅が1440mm、高さが1120mmと、まさに広大な荷室が生まれる。なにを積むの? というぐらい広い。

ドアは、“鉄板感”というのか……バスンッと重厚な感じで閉まる今のクラウン系とは対極。鉄と鉄が“ガチャンッ”と、ぶつかるような音で閉まる。マニュアル操作する前輪のデュアルモードオートマチックロッキングハブ機や副変速機、前後のデフロックスイッチ。……このクルマでしかみつからないものが数多い。

乗っていると、どんどん好きになる感じがある。こういうクルマはいまや数少ない。古いクルマを好む若い人たちはいま多いが、その人たちが古いクルマに抱く、この先変わらない価値へのリスペクト……といったものが、ランクル70と、それに乗る自分との間に生まれるはずだ。

480万円のモノグレード(単一モデル設定)は、いい買い物になりそうである。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

こんな記事も読まれています

排気量や気筒数で語ってはいけない──新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンス試乗記
排気量や気筒数で語ってはいけない──新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンス試乗記
GQ JAPAN
イギリス流の高級──新型レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーD300試乗記
イギリス流の高級──新型レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーD300試乗記
GQ JAPAN
ライバル不在だけど進化は続く──新型ロールス・ロイス・カリナン試乗記
ライバル不在だけど進化は続く──新型ロールス・ロイス・カリナン試乗記
GQ JAPAN
【国内試乗】世界中で愛され続ける、どこへでも行き生きて帰ってこられるクルマ「トヨタ・ランドクルーザー 250/70/300」
【国内試乗】世界中で愛され続ける、どこへでも行き生きて帰ってこられるクルマ「トヨタ・ランドクルーザー 250/70/300」
LE VOLANT CARSMEET WEB
[ランクル250]は想像超えの走破性! [納期2年以上]の噂も実際に買えるのか!?
[ランクル250]は想像超えの走破性! [納期2年以上]の噂も実際に買えるのか!?
ベストカーWeb
ホンダ「新型流麗コンパクトSUV」登場! 3年ぶり刷新で「クラス超えの上質さ」がすごい? 新型「ヴェゼル」 ガソリン&ハイブリッド各車の印象は?
ホンダ「新型流麗コンパクトSUV」登場! 3年ぶり刷新で「クラス超えの上質さ」がすごい? 新型「ヴェゼル」 ガソリン&ハイブリッド各車の印象は?
くるまのニュース
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
ベストカーWeb
新型ヴェゼルの足元は2種類あるってマジ? 純正採用タイヤから見えたホンダのガチ開発力
新型ヴェゼルの足元は2種類あるってマジ? 純正採用タイヤから見えたホンダのガチ開発力
ベストカーWeb
【試乗記】トヨタクラウンスポーツPHEV 環境対応したスポーツの姿
【試乗記】トヨタクラウンスポーツPHEV 環境対応したスポーツの姿
Auto Prove
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 後編】再注目されるべき走りの安定感。ワゴンの可能性は無限大だ。
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 後編】再注目されるべき走りの安定感。ワゴンの可能性は無限大だ。
Webモーターマガジン
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
ベストカーWeb
デザインは「?」 でも万能 そして安い! テリー伊藤、フォレスターに惚れ込む【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
デザインは「?」 でも万能 そして安い! テリー伊藤、フォレスターに惚れ込む【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
【国内試乗】待望の新型ミニが上陸! 装いも名前も生まれ変わった大きいMINI!「ミニ・カントリーマン」
【国内試乗】待望の新型ミニが上陸! 装いも名前も生まれ変わった大きいMINI!「ミニ・カントリーマン」
LE VOLANT CARSMEET WEB
BYDはEVだけじゃない! シールU PHEVへ試乗 ライバルはティグアンやRAV4 サスが柔らかすぎる・・
BYDはEVだけじゃない! シールU PHEVへ試乗 ライバルはティグアンやRAV4 サスが柔らかすぎる・・
AUTOCAR JAPAN
大人気モデル大集合!『先代→新型乗り替え指南』
大人気モデル大集合!『先代→新型乗り替え指南』
グーネット
モーターの動力性能に余裕アリ!! [アクア]は滑らかで乗り心地もいい!乗ってわかる意外な欠点とは?
モーターの動力性能に余裕アリ!! [アクア]は滑らかで乗り心地もいい!乗ってわかる意外な欠点とは?
ベストカーWeb
「レクサス史上最もカッコイイ」の声も!? 新型「すごいSUV」発表! 「上質な走り」全面進化の「GX550 オーバートレイル」予約殺到に反響多数!?
「レクサス史上最もカッコイイ」の声も!? 新型「すごいSUV」発表! 「上質な走り」全面進化の「GX550 オーバートレイル」予約殺到に反響多数!?
くるまのニュース
【10年ひと昔の新車】スバル インプレッサWRX STIの4ドアに待望の「スペックC」が登場した!
【10年ひと昔の新車】スバル インプレッサWRX STIの4ドアに待望の「スペックC」が登場した!
Webモーターマガジン

みんなのコメント

9件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

148.01100.0万円

中古車を検索
ランドクルーザー70の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

148.01100.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村