フルモデルチェンジした新型スズキ「スペーシア」は、各所が大きく進化した! 拡充された先進安全装備や、電動化を進めたパワートレインに迫る。
もはや普通乗用車並みの安全装備
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約6年ぶりにモデルチェンジして3代目に移行したスズキ・スペーシアは、「安心」「快適」「便利」の側面を進化させたという。市場を調査すると、乗用車からダウンサイズする層は、安全装備の充実ぶりを重要視することがわかった。
調査結果を受け、新型スペーシアの開発では安全性能を高めることにした。ハイライトは、衝突被害軽減ブレーキのデュアルセンサーブレーキサポートIIの採用である。新型はミリ波レーダーと広角単眼カメラの組み合わせを採用。これにより検知できる範囲が遠方まで広がると同時にワイドになり、例えば、見通しの悪い交差点でクルマの前を横切ろうとする自転車や歩行者を検知できるようになった。
また、従来はリヤバンパーのみに付いていた超音波センサーがフロントバンパーにも追加され、低速後退時のみ障害物を検知して作動していた自動ブレーキが、低速前進時にも作動するようになった。
センサーの性能向上はアダプティブクルーズコントロール(ACC)の機能向上にも結びついており、ACC作動時はカーブを認識して手前で自動的に減速する機能が付加された。また、高速道路走行時の車線変更時は、方向指示レバーの操作と連動し、自動で加減速をおこなう補助機能が追加されている。ACCには車線の中央付近を維持するようステアリング操作を支援する機能も追加された。新型スペーシアには最新の普通乗用車と遜色のない安全および運転支援機能が盛り込まれている。
そしてスペーシアにもついに電動パーキングブレーキ(EPB)が採用された。今後、スズキのなかでEPBの展開が急速に広がるだろう。ちなみにEPBは全車標準ではなく、従来からの足踏み式パーキングブレーキも選択が可能だ。「それで充分」と、考えるユーザーへの配慮である。
全車マイルド・ハイブリッド搭載エンジンは先代と同様に自然吸気(NA)とターボの2種類を設定。どちらもトランスミッションはCVTを組み合わせる。標準車はNAのみ、カスタムはNAとターボを設定する。全グレードで2WD(FF)と4WDが選択可能だ。
R06A型のターボエンジンは先代と同じ。一方、NAは新しくなっている。先代はR06A型を積んでいたが、新型はすでに「ハスラー」などが搭載する高効率型のR06Dを採用した。R06Aのボア×ストロークは64.0×68.2mm。これに対しR06Dのボア×ストロークは61.5×73.8mmとなる。
ボアを小さくすると燃焼室がコンパクトになるため熱が逃げにくくなり、出力として取り出せるエネルギーが増える。また、ストロークを伸ばすと吸気のタンブル(縦渦)が強化され、空気と燃料がよく混ざるうえ、燃焼速度が高まって燃焼効率が高まる。ノッキングを防止する効果も高まるので圧縮比を高くでき、結果、R06DはR06Aより0.5ポイント高い12.0とした。ノッキング抑制効果とポンピングロス低減効果のあるクールドEGRを適用したのも特徴で、燃費向上に対して徹底的に取り組んだエンジンだ。
CVTもNAエンジンと同様に2020年にハスラーで投入した新開発の軽量・高効率ユニットを採用した。先代スペーシアのCVTとの対比では、変速比幅を拡大。ギヤ幅の縮小や軸の短縮、オイル量の低減などでキログラム単位の軽量化を果たし、燃費向上に貢献している。
スペーシアが特筆すべきは、先代と同様に全車マイルド・ハイブリッドを搭載している点だ。従来のオルタネーターの代わりに、発電とエンジン始動および走行アシストの役割を持つISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を採用。減速時にISGでエネルギーを回生して助手席下に設置したリチウムイオン電池にエネルギーを蓄えておき、クリープ走行時はISGのみで走行。エンジン再始動からの加速時はISGがエンジンをアシストする。
最大のライバルであるホンダ「N-BOX」にはハイブリッドの設定がない。彼らの言い分は、「ハイブリッドがなくても燃費はいいし、ISGを持たなくてもアイドルストップからの再始動はスムーズ」というものだ(乗ってみれば、確かにその通りではある)。スペーシアのマイルド・ハイブリッドの強みは、効率良く走りをサポートし、燃費向上に寄与する点。メーターにエネルギーフローを表示すれば、ハイブリッドの働きが視覚的に確認出来る。
新型スペーシアでは、ボディにも手を入れている。高張力鋼板の適用範囲を拡大して軽量化したのにくわえ、従来は鉄だったナックル(車輪を支持する部品)をアルミ製にして軽量化を図った。これらは燃費向上に寄与する。
静粛性と乗り心地の向上も大きなテーマで、ボディ剛性を向上させる構造用接着材と音や振動の低減に効く減衰接着材を使い分けている。たとえば、構造用接着材はボディの隙間を埋めるように適用。一方、アンダーボディの接合面には減衰接着材を適用した。アンダーボディ接合面への減衰接着材の適用はスズキ初で、パワートレーンからの騒音やロードノイズの低減が狙い。ルーフパネルとメンバー(車体骨格の一部)の接合にはゴム系接着材の高減衰マスチックシーラーを適用し、こもり音や雨音の低減を図っている。
ひとりで運転する機会の多い軽自動車の使われ方を考えると、前席を優先して設計するのがセオリー。しかし、「後席の快適性も高めたい」と、開発に取り組んだのが新型スペーシアだ。投入された技術の数々を見るにつけ、期待はますます高まるばかりである。公道での走りが楽しみだ。
文・世良耕太 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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