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プラットフォーム判明 謎多きマツダの新型SUV「CX-50」 CX-5との関係は?

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プラットフォーム判明 謎多きマツダの新型SUV「CX-50」 CX-5との関係は?

謎多き新型SUV

マツダは先日、「CX-50の量産を米国アラバマ州の工場で開始した」という広報発表をおこなった。

【画像】CX-50はどんなクルマに?【CX-5とCX-30と比較】 全158枚

CX-50というモデルは耳なじみがないかもしれない。まったくのブランニューモデルであると同時に、日本も含めた「アメリカ以外」では発売予定のない米国専用車だからだ。

「マツダにとって最重要市場の1つである米国におけるビジネスを支える基幹車種として、SUVらしい存在感やオフロード性能を求める米国を中心としたお客さまのニーズを取り込み、北米のラインナップに新たに追加するクロスオーバーSUV」とマツダは説明する。

北米における太い柱になる期待が込められたモデルといっていいだろう。

そのうえでなんとも気になるのは、マツダからはこのモデルの詳細に関する正式情報が明らかになっていないこと。

現時点では使っているプラットフォームさえも公式発表がないのだ。

プラットフォームは?

そこで今回は、CX-50の正体について、いくつかの情報をもとに、使っているプラットフォームを紐解いてみよう。

まず判明していることをまとめると、「『スモール商品群』に分けられる(後述)」、「オフロードでも安心な最低地上高を確保し、またルーフへの積載性や使いやすいパッケージング、パノラマサンルーフを採用」。

さらに、「エンジンはガソリンターボエンジン『スカイアクティブG 2.5T』もしくはガソリンエンジン『スカイアクティブG 2.5』」、「全車とも駆動方式は4WD」、「数年以内にハイブリッドモデルも追加する予定」といったところだ。

サイズすらも謎のまま……

すでに量産が開始されたにもかかわらず、現時点ではまだ車体サイズといったスペックすら現地のウェブサイトにも記載されていない。

だから多くの憶測を呼ぶしクルマ好きとしては妄想を広げるのが楽しいのだが、筆者は写真を見て「意外に大きい」と感じた。

しかしマツダはCX-50を「スモール商品群」と位置付ける。

日本のマツダが2021年10月7日に発表したプレスリリース「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表」で「CX-50はスモール商品群」と明記している。

スモール商品群というのはマツダの中で「小さめ」に位置づけられる、エンジン横置きプラットフォームを活用した車種のこと。

具体的には「マツダ3」や「CX-30」が含まれる。

だから一般常識的に推測すると車体サイズは「それと同じか、それよりも少し大きい程度ではないか」と考えがちだが、写真を見る限りCX-50はそれらよりも遥かに大きそうだ。

ラインオフ時に工場関係者と写っている写真などを見ると、「CX-5」よりもさらに大きいように思えてならない。

あくまでも写真からの推測だが、全幅は2mに迫るほどワイドに見える。

ちなみにCX-5はマツダ内の位置づけとして「スモール商品群」にも「ラージ商品群」(大きな車種)にも含まれない。

なぜなら、現行モデルはマツダ内でそういった分類の概念が生まれる前にデビューしているからだ。

トヨタ車との共通性は?

当初、CX-50は「カローラ・クロスの兄弟車となり、トヨタのプラットフォームを使うのではないか?」といううわさもあった。

アラバマの生産工場はトヨタとの合弁ビジネスでトヨタは「カローラ・クロス」の北米仕様を生産すること、マツダが「スモール商品群」と分類していること、などがその根拠だ。

しかし、そのうわさは「不正確だった」として終わりそうだ。

外観を見る限りCX-50とカローラ・クロスはホイールベースやトレッドといった基本要素がまったく異なり、わざわざ同じラインで流すためにトヨタの「GA-C」プラットフォームを活用したモデルをマツダが開発するのはメリットが多いとは思えないからだ。

「別メーカーで基本構造の異なるプラットフォームを同じラインで流せるのか」という疑問を持つかもしれないが、フレキシブルに設計してある生産ラインならまったく問題ない。

日産とアライアンスを組むずっと前から、委託生産として日産のピックアップトラック「ナバラ」を作っていた三菱自動車のタイの工場など、今どきの生産ラインはそのくらいの自由度を持って作られることもあるのだ。

では、CX-50はマツダのどのプラットフォームで作られるのか?

「スモール商品群」に分類されるということは、「ラージ商品群」となる後輪駆動プラットフォームでないことだけは明らかだ。

「CX-5」ではなく「CX-30」?

引っかかるのは、CX-30やマツダ3と同じスモール商品群用のプラットフォームが果たして(CX-5より大きく見え、車名からもそれを予想できる)CX-50にも対応するかということ。

何を隠そう、筆者は北米の主力車種であるCX-5をベースとするのではと予測していた。

大きな車体サイズも「ラージ用」のFRプラットフォームでなければ、コンパクトカー用のスモールプラットフォームではなくCX-5を使えば話が早そうだからだ。

根拠はもう1つあった。昨年末、CX-5に大きな改良を施し、その際にグレードの1つである「フィールドジャーニー」と呼ぶアクティブなグレード向けとして、オフロード用の走行制御を追加したことだ。

開発エンジニアによるとそれは「CX-50向けに開発したものをCX-5に横展開した」というのだ。

プラットフォームや基本メカニズムが同じであれば、新技術の横展開はしやすい。

現時点での情報から推測すると、CX-50はCX-5とプラットフォームも共通で深い関係があると考えるのが自然ではないだろうか。

……というのが筆者の見立てだったのだが、原稿を書くにあたってマツダの広報部へ問い合わせてみたところ、それは誤りだと判明した。

「CX-50はスモールのプラットフォームです。だから構造的にはCX-30と近いですね」というのだ。

なんと、マツダ3からはじまったスモールプラットフォームがCX-30よりもさらに大きな車体にまで活用できる設計だったのである。

CX-50のプラットフォーム判明とともに、これは予想外だった。

同時に、CX-5の後継としてでもいいから日本へも導入すればいいのにと思ったのも正直なところだ。

筆者自身もCX-5オーナーだが、次の買い替え時は登場が予定されているCX-60では価格上昇は間違いないだろうから買いにくくなるし、かといってCX-30では小さい。

もう1度CX-5を買うのもなんだかなあ……。

そんな人に、CX-50はジャストフィットだからだ。

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