■次期スカイラインに何を求める?
スポーティなセダン/クーペとして、長年愛され続けてきたのが日産「スカイライン」です。
2007年からイメージリーダーだった「GT-R」が独立車種となり、2002年の10代目(R34型)まで続いてきたスポーティなイメージから脱却。
2001年に登場した11代目(V35型)あたりからV型エンジンを積んだラグジュアリーセダン路線に舵を切り、2006年誕生の12代目(V36型)にはクロスオーバーモデルをラインナップするなど、スカイラインはさまざまなチャレンジをしてきました。
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ただし、セダン不況の時流もあって、現在は販売面で苦戦を強いられているようです。
次期型登場の期待を込めて、どう進化してほしいのか、かつてのスカイラインオーナーに「理想のスカイライン像」について聞いてみました。
現行モデルは2014年にデビューした13代目(V37型)。この世代から上級セダンの「フーガ」と統合し、ラグジュアリーかつスポーティなモデルとなっています。
登場当初は、日産が海外で展開する高級ブランド「インフィニティ」のバッジを装着したことも話題となりましたが、2019年のビッグマイナーチェンジで日産のバッジに戻されたほか、高速道路の制限速度内でハンズオフ走行を可能とする「プロパイロット2.0」をハイブリッド車に搭載。
加えて、通常仕様の3リッターV型6ターボエンジンを405馬力までチューンナップした「400R」や、420馬力まで出力を高めたハイスペックな「NISMO」(限定車)を設定するなど、スポーツセダンとしての性能も強化しています。
そんなスカイラインについて、元オーナーたちに話を聞いてみました。
Aさん(50代男性)は、現行モデルは「スカイラインらしさが減少した」と感じているそうです。
「車種統合などもあって仕方ないとはいえ、今は高級路線ですが、昔からスカイラインは、ベースとなるセダン自体がコンパクトでスポーティでした。
現代のスカイラインの先進装備の数々に興味はありますが、かつてはもっと軽快で、ソコソコのパワーで、高級すぎないところが身の丈に合っていたと思います。
当時の『セドリック』や『グロリア』といった、トヨタ『クラウン』のライバル車も消えてしまい、スカイラインにいろんな役目を担わせてしまったのではないでしょうか」
実際、現在のスカイライン(V37型)は、全長4810mm×全幅1820mm×全高1440mm、ホイールベースは2850mmと、1990年代のR32型(4ドア)の全長4520mm×全幅1695mm×全高1340mm、ホイールベースが2615mmと比べると、かなり大型化していることがわかります。
ホイールベースが200mm以上延長され、時代のニーズである快適性を優先させていますが、その結果、スポーティな軽快さが薄れてしまったのは仕方ない部分とも言えます。
R32型、R33型を乗り継いだNさん(50代男性)も、往年の扱いやすさを取り戻してほしいと願う1人。
安全性なども追求した結果の大型化にある程度納得はできるものの、これだけの名ブランドが販売面で苦戦しているのを歯がゆい思いで見ているそうです。
「5ナンバーにこだわる気もありませんが、全盛期を知るオジサン世代にとっては、道幅も変わらないのに大きくなり続けるクルマは運転しにくいです。
現行モデルのエンジンや機能はそのままに、全長4.5m前後までダウンサイジングされたらまた購入したいです。
その際は、4ドアに加えクーペもラインナップしてくれると我々世代は喜ぶと思います」
※ ※ ※
現在のスカイラインでもっともスポーティなモデルは405馬力を誇る400Rですが、バッテリーEVへの移行を積極的に進めている日産ですから、今後は3リッターV型6気筒ツインターボなどというハイパワーなエンジンは見納めになることも否定できません。
次期スカイラインは純ガソリン車ではなく、「e-POWER」の搭載や、さらにはEV化されることがあるかもしれませんが、電動化したとしても、サイズも見直した“原点回帰”したモデルであれば、人気が復活する可能性もあります。
あくまで、今回話を聞いたユーザーの希望であって、空想でしかありませんが、「中身V37、見た目R32」なんてスカイラインを、限定生産でもいいので復刻してくれたら、往年のファンは喜ぶのではないでしょうか。
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