今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代のニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回はメーカー系の「ワークスチューナー」が手がけたモデルを紹介する後編だ。
ワークスチューニング 試乗会(後編:2001年)
STi インプレッサ
スバル インプレッサWRX STiをベースに、スポーツパーツを組み込んだアーバンバージョン。都会派志向のチューニングカーということでエンジン本体に手は入れられていないが、軽量フライホイール、強化クラッチ(踏力は割りと重め)、スポーツマフラーなどのライトチューンを施したモデルだが、それでもフラット4ターボは十分に速い。箱根のタイトなワインディングでは、エンジン回転数が4500rpmを超えターボパワーがイッキに立ち上がる頃には次のコーナーにさしかかってしまうほどだ。フラット4独特のサウンドも小気味良いもので、スバリストにはたまらない1台だろう。
【くるま問答】最近のクルマにテンパータイヤはない。パンク修理キットをどう使う? 最高速は?
無限 アコード ユーロR
今回ここで紹介している他のチューナーでは、ベース車はターボエンジン搭載車が多いが、このアコード ユーロRは自然吸気のまま吸排気系や足まわりをチューンしている。6000rpmでサウンドまで明確に変わるVTECは独特で、これぞホンダ ミュージックという快音を奏でてくれる。足まわりは箱根を走り回るにはちょうど良い固さでありながら、市街地走行でも問題ないレベルにある。ノーマルでは地味な印象のアコードだがエアロパーツは適度にハデめで、インテリアも240km/hホワイトメーターやアルミのメーターパネルなどを装備して、無限らしいレーシーな雰囲気でまとめられている。
NISMO スカイラインGT-R
ノーマルでも十分以上に速いスカイラインGT-Rだが、サスペンション、ブレーキ、排気系を交換し、サーキット走行を想定したセッティングがされている。R34はもともとボディ剛性が高く、固められたサスでもボディへの影響は低いようだ。ブレーキの効きもいい。だが、このクルマでは箱根のツイスティな道よりはFISCOなどの高速サーキットを全開で走る方が楽しそうだ。もちろんパワー的な不満などまったくないのだが、スロットルオフ時に「バンバン!」とバックファイアのようなサウンドが響くのは、乗っていてちょっと気が引けてしまうところだ。
NISMO シーマ
新型シーマにS-tuneのサスペンションとブレーキ、ヴェルディナのマフラー、そして18インチのタイヤ & ホイールを装着。車高を低められたエクステリアには純正の前後スポイラーも装着しているが、インテリアはまったくのノーマルなので、シーマの上品なイメージを損ねてはいない。足回りのセッティングはまだ完成形には至ってないようで、今ひとつシックリとは来なかった。ノーズに重いV8を抱え、シフトショックを減らすためレスポンスを甘くしているATのせいもあり、箱根のワインディングを攻めるようなクルマではない。やはりシーマはハイウエイ クルーザーのほうがよく似合う。
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