現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 625馬力の圧倒的パワー! BMW新型「M5コンペティション」の怒涛の走りとは

ここから本文です

625馬力の圧倒的パワー! BMW新型「M5コンペティション」の怒涛の走りとは

掲載
625馬力の圧倒的パワー! BMW新型「M5コンペティション」の怒涛の走りとは

■ノーマルM5より25馬力アップしたM5コンペティション

 BMW Mモデルは、サーキットを走るマシンで一般道も走れるようにBMW M社が仕上げたクルマだ。Mモデルにはふたつのカテゴリーがあり、サーキットでの走行を可能にした「Mハイパフォーマンスモデル」、そしてサーキットで培われた技術を取り入れ走行性能を高めた「Mパフォーマンスモデル」に分けられる。

【画像】激速! BMW「M5コンペティション」を画像で見る(32枚)

 薄い青、濃い青、赤の3色ストライプがMモデルを示すものなのは有名だ。リモコンキーにも、ドアを開けて乗り込むときにはスカッフプレートにも、シートベルトにも、ボンネットを開けるとエンジンカバーにも描かれている斜めの3色ストライプが目に入ってくる。

 BMW「5シリーズセダン」はEセグメントのラグジュアリカーだが、「M5コンペティション」「M5」「M550i xDrive」という3車種のMモデルが用意されている。

 その3モデルとも、4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載している。

 MパフォーマンスモデルのM550i xDriveには、最高出力530ps/5500rpm、最大トルク750Nm/1800-4600rpmを発揮する「N63B44D」型エンジンが、MハイパフォーマンスモデルのM5には600ps/6000rpm、750Nm/1800-5600rpmを発揮する「S63B44B」型エンジンが、M5コンペティションは同型エンジンのさらなるパワーアップ版で、625ps/6000rpm、750Nm/1800-5860rpmを発揮する。

 さらにこの上に、635ps・750Nmを発揮する「M5 CS」という限定モデルが2021年4月に登場したのだが、日本での販売台数は5台と数が少なく、すでに売り切れていて手に入れることはできない。

 これらのMハイパフォーマンスモデルに搭載される、型式がSのイニシャルで始まるエンジンはBMW M社の手によるもので、ハイパフォーマンス、高回転型、ハイレスポンス、サーキット走行に対応、新しいテクノロジーを取り入れているスペシャルなエンジンなのである。

 さて今回試乗できたのは、現在手に入るM5の最高峰のM5コンペティションである。

 ノーマルM5の600psから、M5コンペティションは625psにパワーアップし、最大トルク値は750Nmで同じだが、その発生回転数は1800-5600rpmから1800-5860rpmになり、高回転でも太いトルクを持続する。

 出力(馬力)とはトルクと回転数の積だから、6000rpmでのトルクが増した分がパワーアップされた数字としてカタログデータになっている。

■xDriveシステムを搭載 あり余るパワーを4輪で路面に伝える

 2017年に登場したF90型と呼ばれるこの現行型M5からxDrive、つまり4WDになった。とはいってもベースがFRのクルマなので後輪駆動が主体となる。

 後輪が空転しそうになったのを検知して、すぐに前輪にも力を伝えるプログラムなので、コーナリング中にアクセルオンにしても、コーナーの外に膨らんでいくアンダーステアは出にくい特性だ。滑りやすい路面で低いギアで急にアクセルを踏み込むと、リアから横滑りしそうになるから、一般的な4WDとは特性が異なる。

 750Nmものトルクなので、いくら前275、後285/35R20というファットなタイヤでも、アクセル全開にすると後2輪ではすぐにグリップ限界を超えてしまう。そのために4WDは必須なのだ。それでも通常のxDriveではなく、ハンドリング性能、トラクション性能を最大限に発揮できるM xDriveになっている。

 5シリーズベースの高級サルーンらしく優雅に乗ることができるが、やはりサーキットを走るために仕上げられたモデルだけあってボディもサスペンションもしっかりしていて、その分、乗り心地も硬くなる。それでも高速道路を使って長距離ドライブするのであれば、どこまででも疲れずに行けそうな快適な走りを体験できる。

 ワインディングロードでは、全長4990mmと大きく、車両重量1940kgと重いボディが邪魔に感じるかと思いきや、予想を遥かに超えた軽快な走りができる。

 タイトターンでは、安定感を保ちながらもノーズが良く入り、ドライバーがクルマを操る愉しさを味わうことができる。ボンネットを開けるとエンジンを取り囲むようにストラットタワーとバルクヘッド、フロントのラジエター側を結ぶように伸びたリーンフォースメントが効いているのだろう。

 日本では2021年1月に登場した新型「M3」は、3シリーズベースのMハイパフォーマンスモデルであるが、M5よりコンパクトで軽量な分は有利なのだが、とくにM5コンペティションのような怒涛の加速は味わえない。これがドイツのアウトバーンを使えるなら、ドアtoドアで飛行機よりも早く移動できることを期待するビジネスマンが選ぶクルマなのだ。

 ステアリングホイールの裏側にはパドルシフトを備えるが、その側に赤いM1、M2ボタンがある。エンジン、サスペンション、ハンドル、ブレーキ、DSCなどのセッティングを事前にセットできるから、例えば市街地モードをM1に、サーキットモードをM2にプリセットしておけば、サーキットに着いたらすぐに走ることができる。

 ただ車両価格が1900万円という高級スポーツカーなのに、ホイールに空気圧センサーが組み込まれてない。つまりサーキットで走りながらタイヤ空気圧やタイヤ温度をチェックすることができないのは残念だ。

BMW M5 Competition
BMW M5コンペティション

・車両価格(消費税込):1900万円
・オプション込み車両価格:2257万5000円
・全長:4990mm
・全幅:1905mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2980mm
・車両重量:1940kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:4394cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速Mステップトロニック(8速AT)
・最高出力:625ps/6000rpm
・最大トルク:750Nm/1800-5600rpm
・タイヤサイズ:前275/35ZR20 後285/35ZR20

こんな記事も読まれています

ホンダ「ライフ ステップバン」を400ccに排気量アップ! 内外装もひとまずレストア完了して5MTに換装予定です
ホンダ「ライフ ステップバン」を400ccに排気量アップ! 内外装もひとまずレストア完了して5MTに換装予定です
Auto Messe Web
公取委が「下請いじめ」防止へ法改正検討、トラック荷主の運賃「買いたたき」も規制強化[新聞ウォッチ]
公取委が「下請いじめ」防止へ法改正検討、トラック荷主の運賃「買いたたき」も規制強化[新聞ウォッチ]
レスポンス
ピニンファリーナの次世代電動SUV『プーラ・ビジョン』、欧州初公開 5月24日
ピニンファリーナの次世代電動SUV『プーラ・ビジョン』、欧州初公開 5月24日
レスポンス
「後席シートベルト」なぜ装着率が低い? 高速道路の渋滞でも外すのはNG! 危険すぎる“非装着”の実態とは
「後席シートベルト」なぜ装着率が低い? 高速道路の渋滞でも外すのはNG! 危険すぎる“非装着”の実態とは
くるまのニュース
停車中に動かない? なぜバイクにはクルマのようなパーキングブレーキがないのか?
停車中に動かない? なぜバイクにはクルマのようなパーキングブレーキがないのか?
バイクのニュース
アレイシ・エスパルガロ、今季限りでMotoGP引退。カタルニアGPで発表
アレイシ・エスパルガロ、今季限りでMotoGP引退。カタルニアGPで発表
motorsport.com 日本版
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年5月20日時点
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年5月20日時点
カー・アンド・ドライバー
後方車両の接近が「耳」で直感的にわかる、ヤマハの新技術「感覚拡張HMI」のねらい…人とくるまのテクノロジー展 2024
後方車両の接近が「耳」で直感的にわかる、ヤマハの新技術「感覚拡張HMI」のねらい…人とくるまのテクノロジー展 2024
レスポンス
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車公開!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルとは
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車公開!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルとは
くるまのニュース
【バイクにとってはマジで危険!】「動物飛び出し注意」の標識は想像以上にバリエーション豊富
【バイクにとってはマジで危険!】「動物飛び出し注意」の標識は想像以上にバリエーション豊富
WEBヤングマシン
世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から
世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から
バイクのニュース
新型EVミニバンは航続337km、フォード『Eトランジット・カスタム』新型…欧州発売
新型EVミニバンは航続337km、フォード『Eトランジット・カスタム』新型…欧州発売
レスポンス
コネクテッドサービスと安全装備が充実しても補助金使えば200万円から! 一部改良で「ekクロス EV」はさらに人気街道まっしぐら
コネクテッドサービスと安全装備が充実しても補助金使えば200万円から! 一部改良で「ekクロス EV」はさらに人気街道まっしぐら
WEB CARTOP
セナカラーでモナコ戦うマクラーレン、あえて”パパイヤカラー”残した理由を明かす
セナカラーでモナコ戦うマクラーレン、あえて”パパイヤカラー”残した理由を明かす
motorsport.com 日本版
自工会、取引適正化の自主行動計画に「コスト上昇分を全額転嫁」を明記
自工会、取引適正化の自主行動計画に「コスト上昇分を全額転嫁」を明記
日刊自動車新聞
アリデヴェルチ、V10!4台のランボルギーニ ウラカン(STO、ステラート、スパイダー、テクニカ)との最後の旅
アリデヴェルチ、V10!4台のランボルギーニ ウラカン(STO、ステラート、スパイダー、テクニカ)との最後の旅
AutoBild Japan
[ハーレー試乗インプレ] 2024 ロードグライド:過去最大の開発費を投入。ブランドを代表する新モデルがお値段据え置き!?
[ハーレー試乗インプレ] 2024 ロードグライド:過去最大の開発費を投入。ブランドを代表する新モデルがお値段据え置き!?
WEBヤングマシン
東名~下田直結「伊豆縦貫道」全通へ”最後の難所”進行中!?「天城峠道路」事業化で「クネクネ峠越え」ついに解消近し
東名~下田直結「伊豆縦貫道」全通へ”最後の難所”進行中!?「天城峠道路」事業化で「クネクネ峠越え」ついに解消近し
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村